11 魔剣とレベル上げ
靴とかの買い物をすませて、夜に出かけるために二人でゆっくりとお昼寝。
魔剣を抱いて寝るのと、女の子を抱いて寝るのとではずいぶん気持ちが違うな。
なんか、やわらかくて暖かくて逆に緊張するけどさ。
そして夜もすっかり更けてからダンジョンへ出発。
安全のため、アンジェは魔剣になってもらっておく。
(どうしてこんな時間に行くの?)
人には見られたくないからな。
ダンジョンの中に入れば、昼も夜も変わらないんだが、圧倒的に夜のほうが人が少ないんだ。
明かりを魔法で灯せば、どちらでも変わらないのにな。
(そうだろうね)
目的地は第一層の脇道。
第一層は入り口から第ニ層への下り口まで比較的近いが脇道はそこそこある。
脇道の奥にはいくつかの部屋があるがすでに探索され尽くしているため宝箱とかはまったくない。
そして通路にモンスターも少ないため、こちらへ来る人はほぼいない。
俺は周りに人がいないことを確認して俺は脇道の奥へと進んだ。
そして奥の部屋でアンジェに作戦を説明する。
まず、アンジェは剣のまま俺とモンスターと戦い、一匹だけ残して全部倒す。
その時、残りの一匹は極力傷つけないようにしておくんだ。
(うんうん)
そして残りの一匹を捕まえたまま、この部屋まで俺がひっぱってくる。
俺が一匹を押さえつけて合図をしたら、アンジェは人化して手刀でモンスターを斬り倒すんだ。
アンジェがソロで倒せば経験値はすべてアンジェのところにいくからな。
(わかったー)
素っ裸だけど俺しかいないからガマンしてくれよ。
(平気だよー。らいむになら見られてもいいのー)
でも、最初から人化してたらダメなの?
それだと、モンスターが複数いた時、俺が倒すの大変だし、アンジェも危険だから。
魔剣のままなら平気だろ。
(うん)
俺はこの階層のモンスターなら素手でも押さえつけるのは問題ないからな。
あ、手刀使うときは間違えて俺ごと斬ったりしないでくれよ。
(問題ないよー。
わたしは剣のときでもらいむを傷つけれないようにできてるから)
あれ、そうなの?
(うん、そうだよ。
らいむもわたしのことを傷つけれないはずだけどね)
呪いはそういう効果もあうのか。
知らなかった。
(あれ、言うの忘れてたかもー)
まぁいいや。
他のことも俺に言い忘れてること思い出したらすぐに言ってくれよ。
(はーい)
それじゃ行くぞ。
通路を進むとピクシーを2匹発見した。
(あまり美味しそうじゃないー)
そっちは少しガマンしておけ。
一匹だけを慎重に切り倒して、もう一匹を左腕で捕まえた。
そのままさっきの部屋まで引っ張り込む。ここは他のモンスターに襲われないからじっくりやれる。
俺は体でピクシーを押さえつけた。
アンジェ、いいぞ。
アンジェは人化して躊躇なくピクシーに手刀を。
一振りでピクシーの息の根を止めた。
どうだ?
意図的にパーティーを組んでないので、俺からはレベルアップしたかどうかはわからない。
(レベルアップしたよー)
計算通りだ。ダンジョンのモンスターならソロで倒せば、レベルは一つくらい上がるものだ。
この調子でどんどん行くか。
再びアンジェに魔剣に戻ってもらい、次のモンスターを探索。
一匹でいるコボルトを発見し、そのままさっきの部屋まで引っ張り込む。
同様にコボルトも一撃で倒せた。残念ながら今回はレベルアップならずだ。
このあたりはモンスターの湧きが少ないのが唯一のネックではある。
あまり遠くまで行って戻る時に他のモンスターに出くわすのも面倒だからな。
焦りはどんなときでも危険を招くから、簡単な狩りでも慎重にやらないと。
俺だけならともかく、人間状態のアンジェにまで危険が及んだら大変だ。
慎重にレベル上げを進めて、アンジェも五回目のレベルアップ。
そろそろいいかな?
ステータスはどんな感じになった?
(あのね、こんな感じー)
【 名 前 】 アンジェリーナ
【 職 業 】 魔剣?
【 レベル 】 6
【 体 力 】 130
【 魔 力 】 540
【 攻撃力 】 63
【 防御力 】 48
【 俊敏性 】 82
【 スキル 】 手刀 アイテムボックス (自己強化Lv2) (鞘)
【 状 態 】 人化 呪い
んー、俺が冒険者始める前はこのくらいだったような気がする。
とりあえずこのくらいのステータスなら普通に暮らす分には問題ないだろう。
別にアンジェをこの姿で戦わせたいってわけじゃないからな。
魔力だけはなんか異常に高くなってるが、これって一流の魔法使い並になってるんじゃないか?
すでに俺よりはるかに高い値だ。