第6話 久しぶりの、、、(後編)
「サ、サイクロプス、、、」
アイナの声が漏れる、、
俺は、愛刀(最初にギルドで支給された剣)を構える。
「こいつが、、、
アイナ‼︎魔法の準備をしてくれ‼︎
俺がこいつを、引き止めてお、ぶぇフェエアおぇ、、」
サイクロプスに思い切り殴られ吹き飛んでいき木に背中をぶつける。右腕がおかしな方向に曲がり左足の膝から骨が突き出している。木にぶつけた衝撃で背骨も骨折しているらしい。
「うわ、自分の体ながらグロ、、‼︎」
そんな事を、言っているうちにゾンビの力で体の傷が再生していく。
「なんか、再生している途中が1番グロいわ、、」
そんな事を、思っているとアイナの声が聞こえる。
「アスカ‼︎大丈夫ですか‼︎」
「なんとか、大丈夫そう‼︎?
そっちは、逃げながら魔法の準備をしててくれ‼︎」
「分かりました‼︎」
会話が終わると同時に傷が治る。
俺は、最近気がついたことがある。それは、俺の身体能力が生前より明らかに高くなっていることだ。
ゴブリンにやられてからの一件俺は、体を鍛えようと思ったがカイいわく肉体が死んでいるから鍛えたところで筋肉はつかないらしい。だが、体を動かすたびに足は早くなっているしこの間は、リンゴを片手で握り潰すことができた。ここから、俺はあることを導き出した。
ーーあっ‼︎これ死んでるから脳内リミッター外れてるだわ‼︎
と言う結論を‼︎
つまり、今の俺は無理さえすれば強い‼︎かもしれない、、、
「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」
俺は、叫びながらサイクロプスに突っ込んでいき剣を振り下ろす。
「おらぁ!!!!、、ぶぇふかぇお、」
振り下ろした剣は届かずまた、殴られる。
サイクロプスの攻撃自体は遅いためアイナはかわすことができている。しかし、さっきの俺はカッコつけてジャンプをし空中で攻撃をくらい避けることができなかった。つまり、、、
ーーカッコなんてつけるじゃなかったぁぁ
だが、2度も攻撃をくらったらもう奴の動きは覚えた‼︎
「おい‼︎こっちだぁぁぁ!!!でくのぼうぉぉぉぉ」
また、叫びなが走り出す。そして次はパンチをかわし一撃切り込む。反対方向からまたパンチがくるが、それもかわしそして次の瞬間蹴らる、、、
「ぐぇゔぇあ!!」
ーー何回自分のグロ画像見たらいいんだよ、、、
アイナは、ぶつぶつ何かを呟きながら、ずっと攻撃をかわし続けている。
「くそ‼︎年下の女の子に負けていいのか‼︎俺‼︎」
気合を入れもう1度走り出す。
「くそったれぇが‼︎」
叫びながら剣を振るい切りつけるが、斬り込みが浅く効いていない。
「これじゃ、拉致があかねぇ、、、」
亜種とはいえ鬼には違いなく。パワーは桁違いにある。それこそ、ずっとやられているように人お簡単に吹き飛ばすことができるぐらいに。
カイは、相変わらずプカプカと空中に浮いているだけで役に立たない。アイナはずっとおそらく詠唱をぶつぶつと唱えている。
「時間稼ぎすらできねぇじゃねぇか‼︎」
こうしているうちも「ウオぉぉぉぉォオooォおおぉぉぉぉ」などと意味の分からない咆哮を上げながらサイクロプスが攻撃を繰り出してくる。
そしてまた蹴り飛ばされる。
「痛くねぇけどもう怪我するのは、嫌だなぁ。だってグロいから、、、」
怪我が治ると俺はもう1度、足止めしに行く。
「そろそろ、俺は本気で怒ったぞ‼︎デカブツ。体は、治るからまだいいとしよう。いや、ぜんぜんよくないけど‼︎だけどな、俺の一張羅の制服は、後で俺が直さなきゃいけないんだぞぉぉぉぉ‼︎」
アスカが叫び終わった瞬間に
「アスカ‼︎
避けてください‼︎」
アイナが叫び声をあげる。
その言葉を聞き「待ってました‼︎」と言いながら全力疾走する。
アイナの杖の先端に光が集まり球体になる。そして球体になった光が放出されまっすぐにサイクロプスの胸に突き進み風穴をあける。そうそれは、まるで、、
「レーザービームゥゥゥゥ!!!!」
サイクロプスは、そのまま倒れ決着はついたのだった。
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「凄いな、、
上級魔法って、、、」
俺は、間の抜けた声でそんな事を言う。
「あれは、特別です。それより、アスカもすっごく丈夫ですね。さすがは、ゾンビです。」
「あれ、?おい、俺お前にゾンビだなんて言ったことあったけ?」
「何言ってるんですか?アスカ?私が知らないわけないじゃないですか‼︎だってずっと見ているんで、、うんぐぅう」
俺は、アイナの口を無理やり塞ぐ。
「それ以上は、聞きたくね‼︎
忘れてたよ。そういや、お前そんなキャラだったなぁ!!!!」
この時は、まだ誰も気がついていない。
近々、この田舎街始まって以来最悪の事件が起きることを、、、