第5話 久しぶりの、、、(前編)
「何だか、すっごい久しぶりな気がするなぁ。」
「不思議ですね。私は、初めてな気がします。」
俺たちは、依頼を受けて狩りに来ている。けれどとても不思議な気分に困惑しているところだ。俺たちは、チームを組んでから何回も一緒に依頼を受けているはずなのだ。なのに、そう、、、まるでこの世界に来て初めて受けた依頼のゴブリン狩り以来の気がしてならない。
「不思議、な事もあるもんだ。」
「そうですね。けれど、今はそんな事を言っている余裕はありませんよ。これまでの弱いモンスターではなく中級モンスターの以来を受けたんですから。」
そうなのである。何故か、ここ最近弱いモンスターがあまり出現しなくなり、そこそこ強いモンスターの依頼しかない。だから今回は、サイクロプスと言う鬼の亜種を狩りに来ている。これも、不思議な事に弱いモンスターがあまり出現しなくなくなって以来、鬼種が頻繁に現れるようになったのである。
「サイクロプスは、鬼の中では強い方ではありませんが、アスカがまともに戦っても当然勝てません。」
アイナが聞き捨てならない事を言ってくるが、事実なのでまったく言い返せない。
「なので、今回は上級魔法で、ドカンと1発かましてやります。だけど上級魔法は詠唱に5分以上かかるのでアスカはサイクロプスの気を惹きつけてください。」
「できるだけ頑張るよ、、、自信ないけど、、、」
「じゃ、僕はいつも通り見学かな〜」
これまで、プカプカ空中に浮きながら昼寝をするという器用な事をしていたカイがいつの間にか起きて行ってきた。
「カイ、お前いつになったら役立つんだよ、、」
「いや〜、僕が役立たずなのは半分以上アスカのせいなんだよ。本来なら僕は、魔王軍幹部以上の実力なんだよ。」
「あぁ〜はいはい、、」
俺が、カイを適当にあしらっていた瞬間、、
「グォォオぉオォォおぉぉぉぉォォooooオォ」
何の動物の叫び声かまったく分からない初めて聞く雄叫びとともに1つ目のの3メートルはあろうかという巨体の人型のモンスターが現れたのだった。