第3話 仲間
「あの〜。募集用紙を見てきたんですけど。アスカさんでよろしいですか?」
「え!あ、はい‼︎そうです。そうです。」
突然だが俺は、前回のゴブリン退治の一件以来思うようになったことがある。そう、俺たち2人?1人と1匹?、、まぁ、なんでもいいや。で魔王を倒すなんて到底無理な話だ。いや、まぁ最初っから分かりきってたことだけど、、、つまり俺が言いたいのは仲間を作るべきだということだ‼︎だから、俺は仲間募集中と書いたビラを掲示板に貼り、ビラに書いた指定の席で誰か来ないかを待っているとまさかまさかの本当に来たんでびっくり中のアスカ君16歳です。
「本当に来たね。アスカ、僕びっくりだよ。」
カイが今日も今日とてプカプカ空中浮遊しながら他人事のように言ってくる。だけど俺自身も相当びっくりしている。この世界で仲間を作るのはなかなかに難しいことらしい。まず、名のある有名な冒険者同士じゃないとほとんどチームを組まないらしい。だから、俺みたいな冒険者になりたてのしかもゴブリンにも歯が立たないようなやつには絶対と言っていいほどチームを組もうなどというもの好きばいないのだが、、、
「いや〜、ダメ元でも募集してみるもんだな!」
しかも、目の前にいる人物が女の人である。整った顔立ちに肩ぐらいまでのびた黒髪。おそらく年齢は14〜15で俺より若干年下だろう。杖を持っていところから、察するに魔法使いだろう。
「あの〜、私はアイナと言います。上級魔導師です。アスカさんたちのことは、常日頃からずっと観察させてもらっていました。おそらくあなたがこのギルドに初めて来た時からだと思います。」
「え?観察、、、?」
何だろうか?この子は絶対に仲間にしてはいけないオーラが一言喋っただけでひしひしと伝わってきたんだが気のせいだろうか?
「はい‼︎もう毎日、毎日とつけさせ、、いえなんでもありません。」
「おい‼︎今つけさせてもらっていましたって言おとしただろ。しかも、今更なんで隠そうとしたー‼︎お前、その前にもう堂々と爆弾発言してたじゃねーか‼︎」
ダメだ。この子ストーカーだ‼︎ヤバイよ〜怖いよ〜マジで、、、
「アイナって言ったっけ?今日はお引き取りください。そしてもう2度と目の前に現れないでください。」
「ええ‼︎なんでですか?第1話になんか、怪しげな複線っぽい描写があったじゃないですか‼︎あれ、私のことですよ。もう、あの時点で私が仲間になることも私がメインヒロインを飾ることも決まっていたも同然ですよ。」
「ちょっと、ごめん。俺、複線とか描写とか何言ってるのか分かんないや、、、」
何だこの子。怖すぎるよ〜
「アスカ、僕はこの子を仲間に入れてもいいと思うよ。」
今日も今日とてプカプカ空中浮遊しているカイがそんなことを言ってくる。
「精霊さんもそう言っていますし。ここわどうか私を仲間にして下さい。私だって最初は上級魔導師ということでいろんなチームに招待されました。けど私のストーカー癖チームからどんどん追い出されて、もうここしかないんです。」
「今、自分でストーカー癖って言った‼︎」
俺の中ではアイナを仲間にしないのはもうほぼ決まっていた時に
「良いよ。仲間にするよ。これで2人と1匹になったね。」
「 ええええええ!!!!カイ、お前なに勝手に決めてんだよ。俺は今断ろうとしてたとこなんだよ。」
「いえ、そうはさせません。もう精霊さんにOKしてもらいました。これから私たちは、仲間です。よろしくお願いします。アスカ」
「お前、仲間にしてもらえると思ったら途端に呼び捨てになってるし俺は認めてねーぞ‼︎」
そう言った俺にアイナは、不敵な笑みを浮かべて俺に言い放つ。
「ふふ、1度チームを組むことを了承してしまうと1年間は契約破棄できないんですよ。もうカイさんが良いと言ってしまったのでこれから1年間仲良くしましょう。」
こうして、俺らにストーカーっ子アイナが仲間になったのだった。
「もう嫌だ〜」
作者の事情で更新が遅くなりました。
もっと早く更新できるように頑張ります。