第1話 冒険者になりました
石造りでできた建物に、畑や田んぼ、時々行き交う馬車少し田舎ぽっいが中世ヨーロッパに近い街並みでそこは、まさにTHEテンプレ通りの異世界でそんな所に急に飛ばされてしまったアスカははっきり言って路頭に迷っていた、、、
「どうすんだよ、、こっちの金なんて持ってないし当然住む場所も今日の宿ですら見つけることも泊まることもできない、、。」
今、アスカの所持している物は何もない。死ぬ直前まで持っていた所持品はどうやら全部こっちの世界に持ってこれていないようで挙げるとするならば身につけていた下着類と、もともと通っていた学校の指定服ぐらいである。
「そういや、あの自称神のおっさんが精霊をおまけにつけてくれるとか言ってなかったか?そんなのどこにもいないじゃねぇかよ‼︎」
「やっと僕の話をしてくれたね。いやぁ〜、どのタイミングで出ればいいかわからずに困ってたところだよ〜〜。」
いきなり、声が聞こえてきたと思いきやアスカの前にいきなり光とともにネコのようなイヌのようなどっちつかずの生物が現れる。
「もしかして、お前が精霊なのか?」
「そうだよ。僕が炎の大精霊カイだよ‼︎これからよろしくね。アスカ、、でいいんだよね?」
「ああ、よろしく、、」
突然現れたカイと名乗る精霊はそう言いながら小さな手をこちらに向け握手を求めてくる。素直にその手を握り返すと満足そうに頷く。
「アスカは、こっちの世界はよく分からないんだよね。多分アスカはこれから冒険者って言う職業についた方が有利だと思うよ。基本、冒険者がモンスターや魔王軍と戦っているらしいからね。」
「冒険者か、、テンプレ通りだな。それってどうやったらなれるんだ?」
「え!?知らないよ。だって僕は、人間じゃないからね。人間社会のことなんか分からないよ。僕が知ってるのは、冒険者って職業の人達が魔族やモンスターの討伐をしてるってことぐらいだよ。」
ーーな、なんだと、、、転生の特典で付いてきたはずの精霊が使い物にならないなんて
目の前の現実から逃げ出したくなる葛藤と戦いながらアスカは、自分のゲーム知識をフル回転させる。テンプレ通りなら冒険者ギルドがあるはずであり、おそらくこの街の中央に建っているドーム型の建物だろうと予想をつける。
「よし‼︎カイ、俺のゲーム知識とオタク知識を信じて付いて来い。俺たちの冒険は、これからだ。」
「ん?何か分かったのかい?じゃあ早く行こう僕は眠たくなってきたよ。」
アスカは「はわぁ〜」と大きなあくびをする精霊を後ろに連れてドーム型の建物に向かうのだった。
########################################
建物の中はやはりギルドらしき場所らしく中は酒場のようになってる。出入りしてる客は屈強な男達が多い。カウンターのような場所に紙を持っていく人を何人か見つける。おそらく、あそこが受け付けだろう。
「カイ、あそこに行くぞ。」
「うん。分かったよ。けど行くって言っても何個も受け付けがあるけどどれにする?」
「どれにするって?そんなことどれでもいいい、、、」
ーーいや、待てタチバナ・アスカこれは、なんらかのイベントかもしれない。いまあいている受け付けは4つのうちの2つ、片方のには巨乳のお姉さんが、もう片方には貧乳のロリ体型、、
「ふ、こんなもの決まっているだろ‼︎巨乳のお姉さんだ!!!!」
俺はそのまま巨乳のお姉さんが受け付けをしているカウンターに直行する。
「あのー、初めてなんですけど。冒険者希望です。ここで、手続きしたらいいんですか?」
「あっ、はい、それでしたら隣の受け付けに行ってください。」
「はい。そうですか、、」
ーー結局貧乳ロリ体型かよぉぉぉぉ‼︎
そう心で叫びながらしぶしぶ隣の受け付けえと移動するアスカにカイが「ドンマイ‼︎」と言う。姿をずっと見ていた物がいたのを今は、まだ誰も知らない。
########################################
「手続き、簡単に終わったな。」
受け付けで渡されたカードを見ながらそう呟く。どうやらこのカードに魔法がかけられていて、名前、年齢、身長、体重、討伐したモンスターの情報などいろいろ書き込まれていくらしい。
「まぁ、長くなるよりいいよ。どうやらギルドで寝泊まりしていいようだし、初めてだから無償で剣もくれたしいいことずくめだよ。今日は、もう疲れたから明日から頑張ろう。」
カイの言葉に同意し今日はギルドで休むことにしたアスカは、明日何か討伐に出かけようと決意するのだった。