表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒーロー  作者: 穏田
第1部
5/28



 オニギリマンは空が飛べます。



 一日の終わりに町を上空から見下ろして「今日も平和だった」と言うのが日課です。






 バッチイマンは空が飛べます。



 しかし、だからといって滅多に飛ぶことはありません。



 一日の終わりには子どもたちとリビングで談笑するのが日課です。






 オニギリマンには帰る所がありません。



 彼は一人です。



 家族はいません。



 彼には何もありません。






 ずっと昔。



 彼にも家族がいました。



 ヒーローになるために家族を捨てました。






 知らなかったのです。



 大切だと気付けませんでした。



 自分のことだけを考えていました。



 他の人の気持ちを気遣うことができませんでした。






 だから彼は今、ひとりぼっちです。






 オニギリマンは正義の味方としては優秀ですが、まともな倫理観を持ち合わせていませんでした。



 ヒーローなのに、善悪の区別がつきません。



 『正義の味方ならこうあるべき』という理想像に基づいて生きています。



 心の中は空っぽなのです。



 彼は今でも、自分のためにしか動きません。



 オニギリマンはヒーローに向いていない。



 ヒーロー失格なのです。



 おわり



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ