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屍王子は、安楽椅子に座る。秘密を握られた探偵助手のワタシ〜泥だらけの罪と、学園のささやかな事件簿〜  作者: cross-kei
第01部:最悪の出会い

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【第7の謎】失踪した生徒の事件

 私の精神は、限界を迎えていた。

 睡眠不足で目の下には隈ができ、食欲も完全に失せている。

 常に蓮の優しい声が耳元にこびりつき、逃げ出したいという衝動と、警察に突き出される恐怖の間で、心が千切れそうだった。


 夕暮れ時の教室。

 クラスメイトたちが帰り支度を終え、誰もいなくなった空間で、私は一人机に突っ伏していた。


「お疲れ様、白石さん」


 不意に、あの優しい声が降り注いだ。


 顔を上げると、夕日に照らされた蓮が、私の前の席に座って微笑んでいた。


「もう……嫌です」


 私は、消え入りそうな声で呟いた。


 自暴自棄な言葉だった。

 しかし、蓮は怒ることも、冷酷な目で私を睨みつけることもなかった。

 彼はただ悲しそうに眉を下げ、優しく私を見つめ返した。


「そっか。君がそこまで苦しんでいたなんて、気づけなくてごめんね」


 蓮の言葉は、あまりにも真っ直ぐで、温かかった。


「君を警察に行かせるなんて、僕にはできないよ。だから……次の事件で終わりにしようか、最後の事件は、失踪事件だよ」


 彼は立ち上がり、私の横に立つと、窓の外を指差した。

 その先にあるのは、旧校舎の裏手に広がる雑木林だ。


「さあ、白石さん。君があの夜埋めた『中身』の答え合わせをしようよ。君自身の手で掘り起こして、真実を確かめるんだ」


 蓮の言葉に、私の心臓が大きく跳ねた。

 凶器を掘り起こす。

 それは、私の罪が確定する瞬間だ。


「僕がずっとそばについているから。大丈夫、何も怖くないよ」


 彼は優しく微笑み、決して私に触れることなく、ただ進むべき道を示していた。

 私は涙をこぼしながら、その優しさに抗うことができず、重い足を引きずって旧校舎へと向かった。


 スコップを握る手が震える。暗闇の底で私を待っていたのは、想像を絶するおぞましい真実だった。

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