表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

奴隷商 1

楽しんでいただけましたら感想やレビューなど、何でもいいので拡散していただけないでしょうか……!

よろしくお願い致します!!!

 それは、私とマユが雪の降る北方を歩いていたときのことだ。

「あ、子どもたちが……」

 私が指差した方向には、寄り集まってご飯を食べる子供たちがいた。

「マユ。あれは奴隷商? それとも奉公の移送屋かな」

 子供を乗せる場所には二種類ある。非人道極まりない奴隷商と、子供を奉公に出すための移送屋だ。

 辺境の村の子供は奉公に出されることが多い。それは、金を稼ぐためなのはもちろん、女の子は家事の経験を積めるし、男の子は剣の指導を受けられる。

 また、奉公を受け入れる側は子供たちを健やかに育てることを義務付けられているので、村で貧しい暮らしをするよりも、奉公先でちゃんとしたご飯を食べさせてもらったほうが健康に育つことができるのだ。

 ……という移送屋に偽装して子供を運ぶ奴隷商が増えている。

 マユは子供たちの様子を見た。私も自分で判断できるかどうか試してみる。

 子供たちは自由にご飯を食べている。鎖につながれているなんてことはない。

 子供たちの表情に笑顔はない。しかし、口を開いて何かを喋っている子供たちもいる。

 子供たちの服装は汚れていない。体に傷なども見当たらない。酷い扱いはされていないように思える。

「マユ。あれは移送屋?」

 私がそう聞くと、マユは子供たちに向けて歩き出した。私もそれに続いた。

「おい! 誰だ!」

 馬車に乗っていた五人の男達が話しかけてきた。上等な服を着た男達だった。

「俺達は移送屋だ! もし子供たちを傷つけようと言うならただでは置かんぞ!」

 そう言って男達は聖剣を抜き放った。

「それ以上近づくな! それ以上近づけば敵とみなし攻撃を開始する!」

 その言葉に、マユは怯まなかった。マユは大きく足を踏み出した。

「攻撃しろ!」

 中央の男が声を掛けると、移送屋の男達はその場で聖剣を振るった。

 すると、マユ目掛けて炎が噴射されたり、上空から石が落ちてきたり、水の斬撃が飛んだりした。マユはそれらを普通に横へ走って避けた。

「もう一度言う! 俺達は移送屋だ! 領主様より仕事を仰せつかっている! 私達を攻撃すれば、それは領主様に楯突くことと同義だぞ!」

 しかし、マユは止まらなかった。

「攻撃せよ!」

 またも攻撃が始まった。しかし、結果は先ほどと同じだった。攻撃が飛び、マユが避ける。攻撃が飛び、マユが避ける。

 避けながらも、マユは確実に距離を縮めていた。

 そして、マユの赤錆が一人の男の聖剣を弾き飛ばした。

「ひっ!」

 男の口から悲鳴が漏れるのが早かったか、それともマユの赤錆が男の頭を殴り飛ばすのが早かったか、とにかく男は頭部をぶん殴られて馬車まで吹き飛んだ。

「くッ、クソッ!」

 男達は聖剣を振る手を止めた。何故ならば、マユが残り四人の中心にいるからだ。

 もし聖剣を振るえば、マユの奥にいる仲間に攻撃が当たってしまう。

 マユは赤錆を頭上に振りかぶると、ゆっくりと一人の男に近づいていった。

「お、おい! くるな! くるなァァァ!」

 マユに怖気付いたのか、男は聖剣を振るってしまった。飛んだ攻撃は見えない斬撃なのだろう。

 マユは聖剣が振り下ろされる軌道を読み、攻撃をかわした。

 すると、マユの奥にいた男がグシャリと崩れ落ちた。

「う、うわぁぁぁ!」

 マユが仲間を殺した男を殴り飛ばしたものだから、男達は阿鼻叫喚だった。奥にいる仲間にお構い無しで聖剣を振るった者。一目散に逃げ出した者。

 マユが火炎放射を避けると、一目散に逃げ出した男が火達磨になった。

 マユが火炎放射の男を殴り飛ばして、終わり。

「……」

 子供たちは、マユの強さを輝いた目で見つめていた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ