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家に帰ると時間は二十一時を回っていた。寝るには早いが明日も学校だ。寝る準備だけしようかと思ったら、LINEにメッセージが入っていた。灰銀からだった。


灰銀『瑪瑙君、冬歩ちゃんの小説読んだ?』


俺『まだ。これから読もうと思う』


冬歩本人はおいて置いて、『魚屋通いの猫』さんの作品にハズレはない。俺はワクワクしながら、アプリを開いた。


灰銀『金城君にフラれて傷心中の私が、たまたま傍にいた男の子に慰められる話なんだけどさ、その男の子のモデルが瑪瑙君なんだよ』


俺『ネタバレしないでくれよぉ……』


読んでないって言ったのにネタバレを喰らわせてきた灰銀に若干腹が立ったが、この短編の主人公は俺らしい。珍しいこともあるもんだ。


灰銀『冬歩ちゃんは私の悩み相談に対する答えはこの短編にあるっていってきたけどさ、これって金城君を諦めて、瑪瑙君とくっつけばって言ってるようにしか見えないんだよね。どう思う?』


俺『まだ読んでないんだって』


俺とくっつけってことじゃなくて新しい恋を探せってことだと思う。全ステータスでカンストしている灰銀がこれ以上できることはない。つまり、そういうことだ。


なんだ、冬歩。珍しく、ちゃんと悩み相談に答えたんだな。


灰銀『他の解釈の仕方もあるんだ。瑪瑙君が私を好きなのは知ってる?』


何だその斬新な質問。当事者もびっくりだよ。


俺『そんな事実はございません』


冬歩といい、灰銀といい、なぜ俺がお前らを好きだと思っているのだろうか。全く脈なしだぞ?


灰銀『瑪瑙君は私のことが大好き。だけど、私が金城君を好きだから、その想いを隠してるんだ』


そうですか。俺はもう既読スルーにすることにした。


灰銀『つまり、冬歩ちゃんは私に瑪瑙君の想いに気付けって言ってくれたんだと思うんだよ。余計なお世話だよね。瑪瑙君を男として見ることなんて一生無いのに』


俺『そこまで言わなくてよくない?』


何も悪いことをしてないのに、傷つけられた。


灰銀『でも、告白したいなら言ってよ。優しく断るからさ』


俺『実はさ、灰銀さんのことを全く女として見れないんだ。会うたびにヒドインに堕ちてくし……」


灰銀『そんな告白はいらん!君は本当に私の心を揺さぶる天才だね!?』


灰銀『明日覚えとけよ?メロメロにしてやるからな?今、告白したら、OKしたかもだけど、明日以降は一生脈なしだからな?』


今告白したらワンチャンあるのか。


あ、メッセージが消えた。


灰銀『明日覚えとけよ?メロメロにしてやるからな?』


灰銀『追伸:さっきのメッセージを記憶していたら、今すぐ消せ。じゃあ、おやすみ』


俺『分かってるよ』


誤爆だろうしな。


それより、もう一件の方だ。俺は嫌々、灰銀の下にあるメッセージを見た。


冬歩『明日、絶対に『精神高揚部』に顔を出しなさい。いいわね?』


やだなぁ……

『重要なお願い』

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