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「ありがとうございます、唯煌さん!一生の宝物にします!」


気絶から立ち直った琥珀は灰銀にさっそくサインを頼んでいた。ここまで喜んでくれたなら俺も勇気を出して灰銀を誘って良かった。


「引退しても、こんな熱心なファンがいてくれるなんて嬉しいよ。ご飯もご馳走になっちゃったし、ありがとね~」


「はい!ヨホホのホ~イ」


灰銀はなぜか俺の家で琥珀特製のシチューを食べている。気絶から立ち直った琥珀が是非!と押して聞かないので、半ば無理やり一緒にご飯を食べることになった。四人掛けのテーブルで琥珀と灰銀、向かい側に俺が座っている。


琥珀は興奮しているのか、灰銀に質問攻めをしていた。それを笑顔で灰銀が答えている。その受け答えはテレビで見ていた灰銀唯煌、そのものだった。


「琥珀、灰銀さんも疲れてるんだから、その辺にしとけよ?」


「あ、ごめんなさい。興奮しすぎました」


「いいよいいよ。ファンは大切にしなきゃだから」


マジで誰だよ、あんた。


「そ、それじゃあお兄ちゃんとどうやって付き合ったんですか?馴れ初めが知りたいであります!」


俺達、付き合ってないんだが……


ただ、どんな関係かと言われると、ストーカーの共犯だ。そんなことを言うわけにはいかない。傷心中の灰銀が可哀そうすぎる。


「瑪瑙君に熱烈にアプローチされてね。仕方がないから、付き合ってあげたんだ」


「好きな男に告ってフラれた灰銀さんのストーカーを手伝っただけの雇用関係だよ」


「バラすなよ!瑪瑙君には慈悲がないんか!?」


「灰銀さんが嘘をつくから真実を伝えたまでだよ」


後、その残念さ、実家のような安心感だ。おかえり。


「な、何が起こってるんだかわからないけど、仲が良さそうで何よりです」


南無南無と俺たちを拝んできた。仲が良いとかそれ以前に友達でもない。


「じゃあ、唯煌ちゃんに質問です。なんで、引退したんですか……?」


「それは……」


「あ、ごめんなさい。答えづらいなら言わなくていいです。ただ、もしかしたら、唯煌ちゃん、怪我とか病気になったんじゃないかって心配になっちゃって……」


「━━━」


灰銀の顔を見ると、呆けていた。それがどんな感情なのかは分からないが、すぐに微笑を浮かべた。


「ごめんね。それは秘密。ただ、琥珀ちゃんが心配しているようなことではないから安心して」


「そ、そうなんですね!私、唯煌ちゃんが心配で仕方がなかったんですけど、元気なら良かったです!」


「ええ子じゃのぉ~。瑪瑙君にはもったいない妹さんじゃ~」


「う、うへへへへ」


灰銀が琥珀を抱き寄せて猫のように可愛がると、琥珀が人に見せられない顔を晒していた。


「愛してるぜ、琥珀」


「おほほい!?」


「妹で遊ぶな」


何が琴線に触れたのかは分からないが、灰銀は琥珀を気に入ったようだ。


灰銀と琥珀は楽しそうに談笑し始めた。


良かったな、琥珀。

『重要なお願い』

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