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まおー様、逝っきまーす!  作者: 民折功利
CHAPTER.2「ふたりぼっち+α」

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02-26:月はいつでもキミの傍に


───絶命寸前まで、オーケン・ロイフは己の身になにが起きているのかわからなかった。

 異能部に捕まった経緯もイマイチだ。

 あまり要領が良くないオーケンは、自分が生きることに精一杯で、状況を理解できずにいた。いきなり襲われて、逃がされて、気付いた時には捕まっていて。

 連続する苦難を前に、彼は怯えるしかなかった。


 ……組織が滅ぼされたあの日も、頼れる友が一瞬にして斬り殺されたあの日も。


 なにもできず、なにも成せず、無意味に息をする。


 見捨てられてもおかしくないのに、変わらず自分の手を引っ張ってくれた、上司や同僚になにも返せず。

 運だけが良いオーケンには、異能しかなかった。

 亜空間に物品を収納する異能───【空間収納(エア・ポケット)】。この異能があったからこそ、オーケンの存在は重宝された……逆に異能がなければ、ジョムたちはオーケンに見向きもしなかった筈だ。

 オーケンは最期の時までそう自虐する。


 三日月のように歪んだ笑みが、もう自分に向いていないことに安堵しながら……

 

 自分を守ってくれた、守ろうとしてくれた2人までもが死ぬのは、嫌だな、なんて。

 そう漠然と思いながら、その人生に幕を下ろした。






◆◆◆






 その日、望橋一絆は初めて、邪悪が闊歩する魔都の裏に足を踏み入れた。

 部員たちの先導の元、異能犯罪者に立ち向かった。

───異能部の戦いにおいて、死とは身近なモノである。幾度となく異界より現れる空想との死闘、度重なる負傷や精神的苦痛、異能犯罪者との攻防。それら全てに付随する死に、数多くの生徒が苦しんできた……最早“当たり前”となった痛み。

 そんな苦しみを、これまで平穏に生きてきた一絆は、今味わされていた。


「ッ、はぁ……はぁ……」


 この世界に来て初めて、不平等に溢れた“死”を知った。生まれて初めて、生き物の命にトドメを刺した。生きる為に戦う道を選んだ。選ばされた。

 異能部に狩られる空想たちの死を沢山見た。

 初日に見たゴブリンを除き、彼が見てきた骸は全て獣のモノだった。


 初めて見る人間の死体を前に、一絆は痛みに喘ぐ。


「なっ……」

「い、いつの間に……!?」

「全員下がれ!」

『う、嘘だろ……なんで、オーケン……!!』

「ッ、おい逃げろガキ共! あの刀に少しでも掠ったらすぐ死ぬぞ!!」


 ジョムの叫び声が、ここで異能部が殺されれば、自分が生きれないから逃げるように促す。部員の誰にも悟られず殺人を犯した少女と、呆然と天を見上げて固まる敵の死に硬直していた部員たちは、一瞬の思考停止の後、ジョムの警鐘もあって、すぐさまその場から遠ざかる。

 玲華はジョムを、弥勒はユンを抱えて後ろに。

 怯む一絆も辛うじて足を動かして、雫に支えられながらその場を離れたが……イヤに冷えた頭と、激しく動悸する心臓のせいで、その光景から目を離せない。


「んひっ♡ かわい〜……その怯えた顔、好き♡♡♡」


 三日月のように歪む狂笑から、目を離せない。


「ッ、一絆! しっかり!」

「……あっ…」

「くっ……多世ッ!! 望橋くんに軽めの精神干渉を許可! 今回ばかりは許す! 今放心されては不味い!」

「は、はいぃ! ───えいっ!!」

「……………………はっ!」

「望橋くんッ!」


 恐怖に取り憑かれた一絆は、必死に肩を揺する姫叶と、雫の呼びかけ、玲華に命じられて【脳波干渉(サイバージャック)】を行使した多世たちのお陰で、なんとか正気を取り戻す。

 ……本当に、辛うじての話だが。

 憑き纏う死の恐怖は、多世の異能により幾分か和らぎ、精神の安定化に成功。硬直は解け、慌てて頭を振りながら一絆は目を覚ます。


 未だ微かに残る怯えはそのままに、一絆は速度を早めて駆け出した。


「すいませんッ、迷惑かけました!」

「いや、構わない。大丈夫。その想いは正しいモノだ……今は多世の異能で抑えているが、それも一時的だ。いずれぶり返す。なんとか……耐えてくれ」

「……はい!」


 神妙に頷く一絆は、気を引き締めて敵を見据える。


「あれ? あれれ? あはっ♡ 元気になったー? うんうん、よかったねー♡♡♡」

「ッ、どの口が……」

「雫、怒りに我を忘れるな……気持ちはわかる」

「……ふぅ……ごめんなさい」

「気にするな」


 怒りの矛先を雫から向けられるも、斬音は萎縮する所か逆に嬉々として、もっと寄越せと言わんばかりに急かして遊んでいる。

 どっかのリーダーが頭を悩ませる原因その23は、今日も今日とて笑っている。


「おまえは……誰だ。何者だ」


 その問いかけに、死染めの花は刀を頬に添えて笑う。


「黒伏斬音で〜す♡ 一日一殺♡ 人斬りやってまぁ〜す♡ なんてね♡♡♡ あはっ♡♡♡」

「ッ……多世、廻! 犯罪者データベースは!」

「ななないですぅ!!!」

『載ってない!』

「えっ……なんで載ってないの? 載らなきゃ……もっと人斬らなきゃだね!!」

「そんな率先するもんじゃねェ!!」


 職業ではなく趣味を述べ、ケラケラと狂い笑う斬音は、自分が犯罪者リストに名を連ねていない無名であることに不満を抱きながら、ゆら〜と身体を揺らす。

 動きの一つ一つに警戒する異能部とジョムたち。

 物言わぬ死体の隣で、どう斬殺欲を満たそうかと斬音は悩んでいる。


 元は趣味の傍らで逃がしてしまった3人を追いかけて、ここまで来たのだ。故に、あとはジョムとユンを殺せればここに用はない。

 ない、が……運がいいことに斬音は異能部と出会った。


 より斬り甲斐のある、学生戦闘部隊。年齢的にも自分と変わらない、異能を使うことを許された者たち。

 違う点を挙げるとするなら、表にいるか、裏にいるか。


 その差異を些細な点と切り捨て、斬音はやるべきこと、やりたいことを実行する。


 異能の瞳───【死閃視(デッドライン)】を煌めかせ、瞳に映る全てに致命の線を引いていく。身体に引かれていく不可視の線、それは斬音にだけ見える特別な力。腕や足、全身満遍なく引かれていき、どこを斬っても死に至る致命線を描く。

 強制的に死を定義する死神の瞳は妖しく輝き。

 その力をもって、斬音は幾つもの線が引かれた“獲物”を狙っていく。


「んーまー、う〜ん……死んで♡♡♡?」


 彼女は殺す相手を選ばない。弱そうだからとか、強そうだからとか……そんな安直な理由で死を与えはしない。

 斬音は気分屋だ。

 気分で誰を殺すか選んでいる。頻繁に罪の夜を共にする真宵にも、よくお世話になっている蓮儀にも、気分次第で刃を向ける。斬音はそういう人間なのだ。

 故に彼女は、その気分で二番目の犠牲者を選んだ。


 獲物を狩らんと腰を落として、一歩踏み込む。

 その一歩を、そのたった一歩をもって、後方で主戦力の援護と捕らえていた強盗2人の防衛を任された……姫叶の背後に回り、一瞬にして間合いを詰めた。

 驚異的な脚力は、玲華ですら目で追い遅れる、瞬間的な移動を可能とし……

 無防備な背中を晒す姫叶に、斬音は刀を一閃した。


「ッ、小鳥遊くん!」

「えっ……あっ」

「まずは1人……も〜ら〜いっ♡♡♡!」


 神経を研ぎ澄ませていた玲華は、死角を縫うその攻撃に遅れて追いつき、そして誰よりも早く気付いた。

 しかし、時は既に遅く。

 声に気付いて振り向いた姫叶は、眼前に迫る凶刃を前にただ呆然とするのみ。


 振り下ろされた凶刃は、容赦なく振り下ろされ……


「───あっぶな。修羅場ってる暇なかった」


 天井から降ってきた日葵が、光の剣で受け止めた。


「琴晴さん……!」

「日葵!」

「ごめんなさい! でも間に合って良かった」

「遅いぞ全く……」

「あはは」


 口々に文句を言われるが、まぁ当たり前だよねと粛々と言葉を受け入れた日葵は、そのまま剣を振り払う。

 その勢いに乗って斬音は後ろに飛び、着地。

 斬音は猫のように目を細めて、舌舐りをしながら笑みを深める。


「あはっ♡♡♡ 屋上にいた子だ♡♡♡」

「……流石に同級生が死ぬのはちょっとね……かーくんの精神衛生上的にも良くなかった。反省反省」

「マジで早く来て欲しかった」

「ごめんね、真宵ちゃんと修羅場ってた」

「なんで???」


 油断なく敵を睨む日葵は、皆の苦情を笑って受け流す。

 そもそも修羅場になった原因は斬音である。

 余計な一言で時間を取られた挙句、問い詰めている隙に死体を作られた。それも人の死体を見た事のないある意味純粋無垢な一絆の目の前で。

 絶許である。取り敢えず斬音をしばくと決意した。


 そんな風に人知れず一絆せの過保護を拗らせた日葵に、助けられた姫叶は自分自身の力不足を憂いながらも感謝を述べる。


「ごめん、ありがとう……」

「どーいたまして。お礼はケーキね」

「安いのでいい?」

「それが姫叶くんの命の価格になるけど」

「めっちゃ悲しいこと言うじゃん」


 軽く茶々を入れながら対価を求め、日葵と姫叶は笑う。ジメジメと苦しんで悩むのは、全てが終わった後で良いのだから。

 ポンポンと頭を叩いて、日葵は剣を握り直す。


「子供扱いすんな……キレそう……」


 ……後に感謝のパイ投げならぬケーキ投げが開催されることを、日葵はまだ知らない。


「れーか先輩、合わせてくれます?」

「勿論だとも。久しぶりに組もうか」


 数日後の話はさておき、お互いに睨み合いながら斬音がどうやって日葵を斬り殺すか悩んでいる隙に、愛刀に雷を帯電させた玲華が日葵の隣に並ぶ。

 目で訴えかけ、口で告げれば承諾が返ってきた。


 ……そして。


「姫叶くん、雫ちゃん」

「ん?」

「なにかしら」

「私が合図したらあいつに攻撃。具体的には……」

「……成程、よくわかんないけど良いよ」

「半信半疑だけど……わかったわ」

「ありがと♪」


 同級生二人に作戦を提案。チラッと後ろに目をやって、オーケンの遺体の影に潜んだ上こそこそとめぼしいものを選んでいる真宵を見て、溜息を一つ。

 金銭とかちょろまかされるんだろうなぁ……

 元魔王の手癖の悪さには、流石の日葵も呆れてしまう。集めた金でなにをやろうとしているのか、もしくはやっているのか。後で問い詰めようと決めた瞬間である。


「あ、弥勒先輩も二人についてってください」

「ん。了解」


 私は私は? とソワソワする弥勒にも、しっかりと作戦を伝達する。


「かーくんはそこの二人守っといて?」

「りょーかい」

「廻と多世は援助を頼む」

「は、はい!」

『勿論だ。……で、洞月は』

「悪いことしてまーす」


 ドーム状に再展開された光の盾が、一絆を中心に現れ、ジョムとユンを守る。せっかく捕らえた犯罪者を、そう易々と殺されてはたまらない。

 二度目三度目は未然に防がなければいけないから。

 ……誰かさんが裏でこそこそしていることには、総じて溜息を吐きながら、異能部は喝を入れ直す。


「……あっはぁ♡♡♡」


 異能部の動きを見守って、迎えが近付いているのを肌で感じ取りながら膠着状態を受け入れていた斬音は、相手が改めてやる気になったのを見て喜び、ニヤリと笑う。

 この世で唯一“殺せない”リーダー、黒彼岸の同僚。

 彼女の表向きの仲間を殺したら、一体どんな顔をするのだろう。裏部隊の誰が欠けても表情一つ変えない悪鬼は、案外顔を歪めるのだろうか。

 そう予想するだけで、なんだか楽しくなってくる。


「じゃ、始めようか。第2ラウンド」

「いいよいいよぉ♡♡♡ 楽しもっかー♡♡♡」

「神妙にお縄についてもらおう! 行くぞ!」


 次いで鳴り響いた開戦の合図は、刀と剣の鍔迫り合い。斬音は持ち前の瞬発力をもって日葵に急接近、瞬きの暇も与えずに斬りかかったが、日葵は光剣で難なく受け止め、拮抗。

 そこですかさず背後に回った玲華が雷刀を振り下ろす。

 素早い斬撃を避ける為に、斬音は光剣から妖刀を離して飛び上がり、天井に張り付くように着地。

 二振りの刀剣を避けた後、すぐ降りて斬りかかる。


「うーん、速いね」

「えへへ♡ すごいでしょ〜♡♡♡ これねぇ♡ リーダーも褒めてくれるんだよぉ♡♡♡」

「むっか〜」

「なんでキレるんだ……?」


 日葵が褒めちぎる通り、斬音の速度は異常の域にある。戦闘後で多少気が緩んでいたとはいえ、異能部の真ん中に誰にも気付かれずに侵入する技量も含めて、そのあまりに驚異的な“速さ”を保持しているのには、理由がある。

 それは肉体改造。非人道的な“メーヴィス”の祝福。

 物心つかぬ頃から始まった人体実験により、斬音が最も重点的に強化されたのは───“脚”。

 目にも止まらぬ速さで無防備の標的を弑する為に。

 王に仕える暗殺者を量産する為に始まった、数ある人体実験の一つ。その成功例が黒伏斬音である。

 発芽した驚異的な瞬発力、隠密性を高めた移動術。

 既に完成していた瞳を活かす、華奢な両脚に秘められた異常な身体能力は、現時代で神速と謳われる玲華に冷汗をかかせ、同等の速さを有する日葵を感嘆とさせるレベルの脅威を誇る。

 廃工場という、限られたフィールドにおいても危険度は健在であり、こうして発揮されている。


 ……純粋な身体能力だけで、斬音のソレを上回っている日葵は日葵で凄まじいが。


「雷を纏わんとついていけんな」

「ついてけたら人外です」

「じゃあ琴晴は人外だな……」

「めっちゃ風評被害ですね???」

「雷ちゃんに同意〜♡♡♡」

「かみなりちゃ…???」


 約一名、珍妙なあだ名をつけられ宇宙猫を晒しているが斬りあっている最中である。

 紫電や閃光が飛び散り、金属音は鳴り止まない。

 縦横無尽に空中を駆けるその姿は、この時点で常人では刀剣同士がぶつかる瞬間や、残像しか見ることができないぐらいに戦闘スピードが跳ね上がっている。

 斬音の刀に斬られたら即死、玲華に接触したら感電……日葵の光剣を除き、どいつもこいつも向け合う刃が危険な代物である。

 現に斬音はちょっと腕がビリビリしてきた。


「まま、楽しくやろーね♡♡♡」

「楽しめる要素ゼロなの。ごめんね」

「ハハッ、難しいことを言う!」


 玲華たちが手練な為か、斬音の斬撃は未だ届かず。逆に2人の攻撃は斬音の腕や足に傷を増やす。

 劣勢なのは誰もが見てわかる。

 それでも斬音は狂い笑って踊る。刀を手に、血を吹き、死を誘いながら楽しく楽しく踊っている。

 斬音にとって、痛みと苦しみは“辛く”はない。

 黒い世界を楽しく生きたいと願う、ちょっとした人生のスパイスでしかない。

 痛いのは大好き。生きている実感が得られるから。

 苦しみも大好き。生きている確証が得られるから。

 いつ死んでもおかしくない死染めの乙女は、そうやって今日も笑っている。


───今日からキミの命はボクのモノだ。

───残念だったね。その程度の死じゃボクは殺せない。

───勝手に死ぬことは許さない。

───勝手に生きることも許さない。

───斬音。オマエの全てを、ボクに委ねろ。

───その事実を痛感して生きろ。

───大丈夫。月はいつでもキミを見ているから。そう、ずっとね。


 今日も、明日も、いつまでも。ずーっとずっと。


 死ぬその時まで、永遠に。






◆◆◆






「……あのガキ共、ナニモンだよ」

「うちの部長と同級生。所属歴は二人共俺の先輩」

「何言ってんだテメェ」

「殴っていいか……?」


 ところ変わって、廃工場中央の安全地帯にて。

 光の精霊が展開した結界の中、人外地味た攻防を続ける女子たちを見て呆けた顔を晒すジョムに、慣れて麻痺した一絆は普通に返したが、どうもお気に召さなかった様子。

 彼を戦闘初心者だと見破った彼らにとって、あの日葵と同級生と言われたら色々と脳がバグるのだ。同級生だけど先輩後輩と言われてももっと困るのだ。

 情報量の問題である。

 取り敢えず一絆は有言実行した。酷い異邦人がいたものである。


『………はぁ……』


 生き残った片割れであるユンは一人虚空を眺めていた。現実逃避とも言う。

 言葉も通じないし頼れる上司は捕まっている。

 今の彼にできることは、今後の牢生活が悪くないことを祈るぐらいである。

 加えて、友人が死んだのも尾を引いていた。死んだら、もう話せなくなってしまうから。

 能力云々抜きにして、ユン以外の面々も好ましく思っていた仲間だったから。


「……ほんと、情けないよなぁ……」

「あ゛?」

「いや俺のこと。今すげー無力じゃん?」

「……あー……最初はそんなもんだろ。あんま悩んでっと禿げるぞ」

「アンタみたいにか?」

「禿げてねぇよ。ファッションだ」

「成程?」


 そしてここに、己の無力を嘆く少年が一人。


 対して関わりはないが、話が通じるジョムと語らう姿は何処か悲しみを帯びている。

 一絆は弱さを痛感した。この日何度目かの弱さを。

 鬱陶しく感じるくらい彼は置いてけぼりだった。人には役目がある。今彼に課せられた仕事は、犯罪者を襲撃者の凶刃から守る事だ。そこに文句は無い。だが、自分も皆と共に戦いたいという気持ちがあった。

 ……その悩みに、今はそっと蓋をする。


 また、きっと多分……あの2人に甘えてしまう。

 そんなどうしようもない心身の弱さにイラつきながら、精霊たちと共に一絆は戦況を見守るのであった。


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