第五歩!
奴隷を購入して三か月・・・。
少し後悔した・・・。
食事と適度な運動をしている彼女達は、共にガリガリだった身体から女性らしい丸みのある体になったのだが・・・マリアは俺より頭一つ分低いが、出る所はかなりご立派になり、締まっている所は締まるというトランジスタグラマーな体つきで、うちらの姉貴分のエレンもスレンダーな身体にそれに釣り合うような双丘と小尻を持った美人になり、ギルドに行くたびにやっかみの視線を浴びる様になった。 だが、2人が俺に対してべったりの為に口が挟めない上に彼女ら自体も、体術のスキルを得た事で、逆に返り討ちに会う者が増え、元からいる冒険者は手を出さない。 だが、他の街から来た冒険者は手を出すが、結果はケガで済めば良い方で、下半身を手榴弾で吹き飛ばされる者も出たので、ギルドでも通達が出されるほどに・・・。
「主様!今回も私の攻撃でゴブリンを6匹をズタズタにしました!ご褒美を下さい!」
「マリア、そのせいで討伐部位が取れず仕舞いよ?そこは忘れていない?」
「うっ!いっ、良いもん!主様なら褒めてくれるもん!」
「主様?甘やかさないで下さいよ?少し細かい所にも冒険者は配慮が必要な事を分からせて下さい!」
「わっ、分かったよ・・・でも、頑張りだけは褒めても良いだろ?」
「えへへっ❤嬉しいですぅ!」
「はぁ・・・甘いですね。 主様。 まあ、主様の良い所なので、何も言いませんが。」
「有難うな。 でも、戦果はないわけではないから・・・。」
「そうですね。 報告に行きますよ?マリア!置いて行きますよ?いつまで呆けているんです?」
「ふえ?あん、待ってよぅ!」
俺ら3人は窓口で、報告する。
ゴブリンやオーク、狼の討伐の報告と討伐部位と換金可能部位を納品すると、待ち時間で酒場で少し喉を潤す。
そうしていると、明らかにこちらへ来る男がいた・・・。
明らかに俺ら目当てで。
「君らがマリアとエレンだな?」
「貴方は?」
「私は西方の武門の名家であるグラディウス家の跡取りであるアラン・グラディウスである!貴様らは我が愛妾としての権利を与える!光え・・・「いりません。 主様の側が良いです。」・・・はあ?今の言葉は聞き違いか?」
「いえ?違わないですよ。 貴方様とは居たくありません。」「私も」
「!! 貴様・・・この私が言っているんだぞ?」
「別に要りません。」
その後は彼は奴隷の身分を開放するとか、一生困らない暮らしを保証するとか言っているが、2人は断った事で、彼は無理やり連れて行こうとした所で、俺が間に入る。
「辞めて頂けますか?」
「あん?貴様・・・自分のしていること・・・分かっているんだろうな?」
「はい。 我儘放題の駄々っ子に大人になれと言っています。」
「「「「ぶはははっ!!!!」」」」
俺のセリフに周りにいた冒険者たちが、大口を上げて笑い出す。
護衛達は剣の柄を持とうとすると、すでに首にナイフが宛がわれていた・・・。
「動くと首が飛ぶぜ?」
「貴様ら・・・。」
「冒険者は身分は関係ありません。 が、だからと言って下に見るのは、貴族様の立場からすれば、良くありませんよ?」
「なにっ!!貴様らなぞ・・・!!」
「貴方の領地にあるギルドが撤退したりしたら・・・どうなさるおつもりで?」
「なっ!」
「冒険者は横の繋がりの強いものです。 貴族様の領地では無茶がまかり通ると伝われば、冒険者は離れます。 お試しに?」
「くそっ!今日は帰ってやる!必ず貰い受けるぞ!覚えて置け!」
彼は首の皮を少し切られた護衛3人を引き連れ、ギルドを出た。
だが、彼は諦めていなかった・・・。
自身が見つけた使い捨てをしても問題のなさそうなそれでいて、抱き心地のある女性が現れたのだから
俺はそこまで考えが及ばなかった・・・。
買い物を2人に頼んでいた。 だが、彼の手の者が彼女らを誘拐された。
だが、帰りの遅い2人の事がおかしい事に気が付いた。
聞き込みをすると、すぐに彼女らの足取りが分かった。 例の貴族の別邸。
貴族だと、手が出せないと踏んでいたらしく、自身の親の別邸だが、私物化した様で彼女らを連れていったそうだ。
「ほう・・・。 そうか・・・。 俺に喧嘩を売った・・・。 まあ、良いか。 報復の時か。」
俺は完全武装にした・・・。
宿を出る姿が明らかにさっきを放ちながら、目的の別邸を目指した。
目的の別邸の門には、少し擦れた衛兵が2名立っていたが、俺は投げナイフで瞬殺する。
そのまま屋敷に侵入し、警邏中のグループが2つ。
そいつらをナイフで暗殺し、外の警備を無くす。 ついでに屯所も睡眠ガスで黙らせる。 兵士用の宿舎には、有線式の爆薬を設置し、他に武器庫や食糧庫、抜け道の空気口代わりの空井戸には、穴を塞ぐようになるように爆薬を設置する。 そして、裏口を閂のように鉄骨を乗せ、外開きしないようにし、正面の灌木に土嚢を召喚し、その上にMG42機関銃を専用三脚に据え、有線をレバーに括り付け、一息吐く。
「さあ・・・パーティーだ。」
俺が外の敵を封殺している時に地下の牢屋では、彼女らは牢屋に入れられていた・・・。
彼らは自身の領地の屋敷で、2人を調教すべく、旅支度を急がせていた。
「若様? こんな突然の帰国はどういうことですか?!」
「あん?ちょいと野暮用だ!国に帰る必要が出た。 だから帰る。 準備を急がせろ!」
「はい!」
使用人の殆どが地元出身ではない彼らは、居ない際は管理者を置くのみで誰もいない。
だが、彼らと引き換えで管理人が入るので、今はいないようだ。
だから彼らが死んでも街には、被害はない。
外では襲撃の準備のできた俺は、有線発破装置を起動する!
ズガガガッガーーーーン!!!!!!
屋敷内が一斉に騒々しくなり、屋敷警備の騎士や兵士が蜂の巣を突いた様に飛び出してきた!
俺はそれを舌なめずりしたのちに機関銃のレバーを押し込む!
かなりテンポの速い音と共に飛び出した騎士たちを肉塊へ、ミンチへと変貌させる。
飛び出しのなくなった入口に集束手榴弾を放り込んで、扉ごと吹き飛ばしてから次の武器であるMP40マシンガンを召喚し、入口の死にかけを黄泉へ行かせる。
両方の廊下から半包囲する騎士たちをいとも簡単に射殺して、階段を上る。
だが、階段の上には家具を引き倒した簡易陣地が出来ていたが、M34手榴弾を2個、投げ込むと吹き飛んだ。
「「「ぎゃあぁぁぁぁ!!!」」」
「目がっ!目がぁぁ!!」
「腕が・・・腕がない・・・。」
家具の破片や爆発の直撃を受け、腕をもがれた騎士や家具の砕けた物が刺さり、転げまわる連中を感情なく、射殺していくと、上に上がるにつれ、引き倒された家具や盾を縛り付けた簡易陣地が増えた。
「だりぃな・・・。 凪払うか・・・。」
俺はパンツァーファウスト30を構えた。
簡易陣地から覗いたらしい男が「あっ」と、言ったような気がしたが、構わず発射!
家具を積み上げただけの簡易壁は、あっという間に消し飛んだ。
「「「ぎゃあぁぁぁぁ!!!」」」
「ごはっ!」「ごぺっ!」
盾くらいにはなると思った家具や調度品が、自身を傷つける刃になるとは思っていなかったのか、簡易陣地代わりの臨時の壁を破壊していった。
爆風で吹き飛んだ兵の中には、窓を突き破り、そのまま落下した者もいたが、殆どが吹き飛んだ家具や調度品で負傷し、倒れ込んだ。 俺は拳銃を抜き、無表情に構える。
「たっ、助けて・・・。」「ひぃぃぃぃ!!!」
「まっ、待って!」
パン!パン!パン!パン!
同様の行動を3回もすると、首魁の執務室らしい場所に着く。
執務室の扉を蹴り開けると、飛び出してきた騎士がいたが、拳銃の銃口が彼の眉間を狙い、鉛を彼の頭をクリーンヒット!彼は仰け反る様に倒れた。
だが、彼の後はいない。 ただ、明らかに不自然に開いた戸棚があり、そこを覗くと、下に吸い込まれるような黒い穴が・・・。
だが、俺は分かる。 それが空井戸に繋がっている穴だということに・・・。
召喚するのは煙幕弾。 それも10個。
それを全部発火させ、穴に投げ込んでから戸棚を閉める。
すると、咳き込んだ首魁と幹部らしい男達が、扉を必死で押して戻ってきた。
「いらっしゃい。 さて、うちのメンバーを虐めた報いを受けて貰おうか?」
「なっ?!」
その後は首魁と思われるあの時の貴族の男とその取り巻きと思われる男達と愛人と思われる薄着の女性2名が、お互いの責を逃れるために色々さえずっていたが、MP40マシンガンで足元を撃ち捲ったら、大人しくなった。
「助けて・・・助けてくれぇ!」
「なら自慢の家の名前で助かる様にしてみろよ!オラ!オラ!オラァ!!!」
ババババッババッ!!
「「「「「ひいぃぃぃぃぃ!!!!」」」」」
相変わらず足元を狙い撃ち捲ると、やはり足を撃たれる者が出て、それでも撃つから彼らの足元で、蜂の巣のようになり、物言わぬ躯と化した・・・。
結局、取り巻きと自身らを含め6人が踊らされたが、5人が蜂の巣に。
最後まで生き残った貴族の愚息も、撃ち抜かれてはいないものの、掠ったりした弾痕はあり、何とか乗り切ったという感じだ。
「ハアハア・・・乗り切った・・・ぞ・・・。」
「まあ、根性は見せたね。 では後ろの女性陣にも根性を見せて貰おうか?!」
「「ふえっ?!」」
自身らが番が回ってくるとは思っていないのか、二人で隅で小さくなっていた。
俺は2人を部屋の真ん中に立たせ、彼女らにセットする。
2人の女性の手をガムテープで固定し、15キロは入っている安全ピンを彼女らの両肩にワイヤーを渡し、ちゃんと立っている状態なら抜けないようにした弾薬箱一杯の手榴弾を入れ、拘束した手と箱の両端を持たせる。その下に縄で縛った貴族の愚息を寝かせ、言い聞かせる。
「女、その箱にはお前らを吹き飛ばすには十分すぎる爆薬がある。 姿勢を崩したり、箱を落としても同様にお前らは下の男と吹っ飛ぶ。 助かりたかったら、姿勢を崩さずに持ち続けろ。 それが助かる方法だ。」
女性たちも何か言いたそうにしていたが、バランスも崩せないために何も言えない。
彼女らは助かる希望が薄いまま、15キロの手榴弾の箱を持ち続けるしかない。 どちらが力を抜いても同様になるため、互いに頑張るしかない・・・。
俺はその間に地下の2人を助けると、地上へ。
そして、門を出た所で・・・・
ドカン!ドカン!ドカン!ゴバァァァァァ!!!
愛妾の誰かか、両方が力尽きたようで彼らの居た部屋が、木っ端みじんに吹き飛ばんばかりの炎を噴き上げ、屋敷が炎上した。
そんな光景を見ながら、俺は2人を連れて宿へ戻るのだった・・・。