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第四歩!

久しぶりにこちらに戻ってきました!

勇気を出して、開けた商館は立派な佇まいの内装であった。

俺はその室内に戸惑っていると、奥から声が掛けられた。


「いらっしゃいませ。 当奴隷商館へ・・・。 」


「共に依頼を受ける仲間を求めたい。 俺でも買えるか?」


「・・・。 そうですね・・・。 ランクは低いですね・・・ですが、まだ足りないですが、大いにお金の匂いのする方だ・・・。 良いでしょう!販売いたしましょう!では、こちらへ・・・。」


「うむ。」


どうやら合格のようだ。

俺は彼に誘われるまま、個室に入る。 商談は個室で行うようだ。

条件を出すと、彼はそれを書き留め、下がっていった。

小一時間ほどで5人の奴隷を連れて戻ってきた。


「彼女らは元兵士や冒険者、狩人などをしていた者です。 いかがです?」


「ふむ・・・。」


俺は品定めをするようなフリをして、鑑定スキルで5人を見る。

一番良さそうな元兵士は窃盗と殺人の前歴がある上に反骨心が強いと出て、パス。 二番目と三番目の元冒険者はやる気がない。 四番目の狩人は経験はあるが、34歳と歳を取っていたので、パスした。 最後に残った5番目の子は狩人だが、ハーフエルフ。 他の四人から距離を取られていた。

俺はひとまず5人を帰してもらい、主人に聞いた。


「ハーフエルフっぽい子がいたが、避けられるほどなのか?」


「・・・。 はい。 ハーフエルフは両方の・・・彼女は人族とエルフ族とのハーフです。 なので、両方から半端者として扱われ、毛嫌いをされます・・・。」


「そうか・・・だが、俺は彼女が候補なんだがな・・・個人面談は出来るか?」


「はい。 出来ます。 5番目の彼女で?」


「頼む。」


「畏まりました・・・。」


主人は礼をすると、彼女を呼びに行った。

椅子に座り直していると、給仕の子が現れ、お茶と菓子を置いて退室していった。

彼女も商品のようだが・・・。


「お待たせしました。」


「ああ、ありがとう。」


「失礼します・・・。」


頭から被った一枚の布で出来た服の姿の彼女がいた・・・。

下を向き、少し絶望に染まっていた。 だが、多少汚れていたが、綺麗な女性であることは間違っていない。 そのうえ、彼女のスキルは『射撃術』『短剣2』のスキルがある。


「まずは鑑定・・・。」


マリア・15歳

種族・ハーフエルフ(人族・エルフ族) 

スキル・『家事全般』『射撃術・弓』『短剣術・2』


期待できそうなスキルがあった。

面談は順調に進んだ・・・。

だが、同じハーフエルフの女性を買ってほしいと、懇願された。

歳は少し上だが、元冒険者の女性らしい。

主人に聞いたが、同様にもう一人いるそうだ。 ただ、代金が足りなかった。 

手持ちがない。 だが、売る素材は大いにある。 だが、格上の素材は売れないそうで、ギルドではなく、直接商人に売る方が格上素材でも買ってくれるとの事。

商人には、伝手があった。 最初にあった商人だ。 彼の店はすぐに見つかった。


「いらっ・・・おお!あんたは!」


「どうも、今回はちょっと相談があるんですが・・・。」


「ほう?では・・・奥へ。」


奥の応接室に入ると、彼はさっそく本題を切り出すために喉を潤すべく、従業員に茶の用意をさせる。

従業員の女性が2人分のお茶を出すと、下がっていった。 出されたお茶を飲み、一息付いた所で、訳を話し、素材の買取を依頼する。


「成程・・・確かにギルドではランク以上の素材は買取をしてくれません。 それでウチを?」


「ええ、急遽お金が必要になりまして・・・お願いできますか?」


「・・・。 ですが、素材は見なければ、分かりません。 見せて頂けますか?」


「それは勿論。 ですが、数もありますので・・・広い・・・倉庫のような場所はありますか?」


「では・・・こちらへ。」


彼の倉庫で俺は死蔵していた素材を出した。

その素材に彼の目の色が変わった。 そうすると、必要代金より多い金額が査定で出た。 だが、代金の換金が出来ないことが教えられ、困ってしまった。

だが、彼は代案を上げてくれた。


「私はお金が足りませんが、その代金を一時的に商業ギルドに手形を発行して貰う事で、代金を支払って貰います。 ただ、ギルドも代金が用意は出来ない為です。 勿論、手形で買い物は出来ますので、支払いにも使えます。 発行元はギルドなので。」


「それだと信用を担保にされるんじゃぁ・・・?」


「それなら心配なく。 この素材を売れる事は確実です。 問題ありません。」


「分かりました。」


こうして彼とともにギルドでその手形の発行する手続きをしてもらうように彼が頼むと、すぐに手形が発行され、彼に渡した。 

ギルドから出ると、彼がその手形を渡してくれ、黙って店へと戻っていた。

俺は商館へ。


「おや?準備は大丈夫ですか?」


「ああ、ただ現金が用意が出来なかった・・・。 だが、これでも取引ができると聞いた。」


俺は彼から受け取ったギルド発行の手形を主人に渡す。

手形を受け取った主人は、少し驚いたように感じたが、すぐに営業スマイルになり、俺に頭を下げて口を開いた。


「この手形でも大丈夫でございます。 この手形でご指名の奴隷2名を購入されますか?」


「ああ、頼む。」


「畏まりました。 では、奴隷契約を致します。 少々お待ちくださいませ・・・。」


「よろしく。」


彼は俺が渡した手形を受け取ってそのまま下がった。

小一時間ほどすると、先ほどの面談したハーフの女性と少し背の高い同じハーフエルフの女性、法衣を着た男性を伴って戻ってきた。


「お待たせいたしました。 彼女がもう一人のハーフエルフです。 自己紹介を。」 


「新たに購入していただき、有難うございます。 元D級冒険者のエレンです。 マリアとは同じハーフエルフだった事もあり、姉のように接しておりました。」


「よろしくお願いします。 私も冒険者なので、そちらの側面でもサポートしてもらえると、嬉しいです。 それと他にも秘密がありますので・・・。」


「? 分かりました。 微力ながら頑張ります。」


「よろしく。」


「では、契約を致します。 マサカツ様、こちらに血を垂らしてください。」


魔術師の男性に言われるとおりに血を垂らすと、彼の術式が作動し、2人の胸元に紋章のような物が刻まれ、定着する。 それが奴隷紋のようだ。


「以上で契約が終わりました。 私はこれで・・・。」


「はい。 お疲れさまでした。 それでは清算を・・・。」


主人は魔術師を帰し、清算を手続きになる。

手形でも購入できるのは本当らしくて、入ってきた従業員さんがおつりと思われる金貨などが乗ったトレイを持ってきて、俺の前に置いた。


「奴隷の対価と契約時の手続き・奴隷のひとまずの服と靴の代金を引いたおつりで、金貨5枚と大銀貨3枚、銀貨8枚と銅貨5枚です。 ご確認を。」


「・・・。 確かに。」


「では、2人は貴方の物です。 またのご利用を御待ちしております。」


「ああ、その際はよろしく・・・。」


こうして2人を連れて、商館を後にした。

ひとまずは村娘の様な格好で、ローファーの様な靴を履いていた。

宿に行き、1人部屋を3人部屋に変更し、食事も頼んだ。 最初は彼女らは断っていたが、奴隷としてではなく、パーティーのメンバーとして接するからと、伝えると納得してくれた。

予定として、明日に日用品を購入しに行く旨を話すと、そのまま食事を終えると、就寝した。


翌朝は、彼女らの身の回りの品々を購入する。

朝を迎えると、2人と共に食事をし、市場へ。 市場に着くと、まずは彼女らの私服・肌着を購入すべく、服屋へ。


「いらっしゃいませ・・・。 おや?どうなさいました?」


「後ろにいる彼女らの服を見繕ってもらいたい。 冒険者をして貰うので、それに合う服も。 当然だが、肌着も頼む。」


「畏まりました。 ですが・・・うちは古着ではありませんよ?お支払いは?」


「これで足りるか?」


俺はカウンターに金貨を3枚置いた。

それを見た主人は、目を見開いたが、すぐに営業スマイルに戻り、すぐに従業員を呼び、2人をフィッティングルームに誘導されていった。 


2時間・・・。


本当に女性の買い物は・・・長い。


飽きて来た頃に2人が戻ってきた。

すでに店で出してくれたお茶は3杯目になった。


「いかがですか?当店のお茶は?」


「ん? ああ、おいしい・・・俺は茶葉には詳しくないが、すっきりとした喉越しでそれでいて、後味の良い・・・上手くは表現できないが・・・。」


「いえいえ、それだけでも有難いです。 当店の茶葉は、私の趣味でして・・・。 気に入って頂き、有難うございます。」


店の主人が、暇つぶしに付き合ってくれたおかげで、苦も無く過ごせた。

寧ろ収納したままで、そのままになっていた森のウサギの毛皮が売れるそうで、ここでも買取をしていると聞き、収納している一枚を主人に見せると、気に入ってくれ、収納していた20枚の皮を買い取ってくれるそうだ。 貴族用の防寒用のコートの材料にするそうだ。


「お待たせいたしました。 ひとまずはこのようになりました!」


「あの・・・お待たせしました・・・。」


「・・・。」


「おお!似合っているよ。 綺麗だ!」


「「はうう・・・。」」


店の女性従業員さんの腕が光る組み合わせだ。

動きやすさ重視の中に女性ならではの美しさが光る服装だった。 さっきまでボロを着ていた女性に見えない。

他にも靴や普段着用と冒険者稼業用を数着と、下着や肌着等々を含め、金貨2枚が吹っ飛んだが、全然後悔のない買い物だ。 その上で、ウサギの皮の代金で大銀貨1枚と大銅貨3枚を受け取り、服屋を後にする。 その後、武器屋で皮鎧や関節を守る防具を買い、ナイフも購入して、宿屋へ。


「さて、改めてだが、エレンのステータスを確認させてほしい。」


「はい。 どうぞ。」


エレン・17歳

種族・ハーフエルフ(エルフ族・鬼人族)

スキル・『武人の咆哮』『剣術5』『体術2』『投擲術』


完全に武人じゃん・・・。


武人の咆哮はやはり相手を怯ませるスキルで、自身のレベルより低い相手には効果があるスキル。

奴隷落ちした理由は、仲間に捨て石にされたこと。

何とか生き延びた所で、奴隷狩りに会い、いままで居た商館に売られたらしい。

過ぎたことだからと、言っていたが明らかに目は笑ってはいなかった・・・。


「ですが、もうご主人様の奴隷です。 今後は貴方様に忠誠を誓います!」


「わっ、私もです!」


「・・・。 そこなんだよなぁ・・・。 俺はパーティーメンバーとして、購入したからなぁ・・・。まあ、せめて名前に様呼称にしてくれる?」


「えっと、マサカツ様で宜しいですか?」


「ああ、その方がやりやすいから・・・主様でも良いよ。 そこは任せる。」


「「はい!」」


こうして宿で2人の女性と共に食事を楽しんだ。

夜に2人が俺のベットに入ってこようとしたが、丁重にお断りをして、まずは体の調子や体力の回復を重点を置くように話し、先延ばしにした・・・。

それが少し後悔することになるが、今の俺は気が付かなかった・・・。

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