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第三歩!

昨日の騒ぎののちにゆっくりと宿で休み、明け方に目が覚めた俺は、戦闘服であるSSの野戦軍装で装備を整える。 拳銃二丁を腰に付けたホルスターに挿し、マチェットを鞘に入れ、腰に差す。

ヘルメットやバックパックを背負い、予備のナイフも確認する。


「よし!いくかっ!」


すでに食事は終えていたので、カギを女将さんに預け、待ち合わせ場所の門前向かう。

すると、すでに待機している4人組を発見して、近づく。


「遅れましたか?すいません。」


「いや、大丈夫だ!時間前行動ができるとは感心だな!」


「十五歳とは思えません・・・。」


「変わった服装・・・どこの人かな?」


「よろしく・・・。」


四者四様の反応があるが、嫌われているわけではないようなので、今日の依頼を確認する。

今日の依頼は『ゴブリンの巣の討伐』との事。

最近、住み着いたゴブリンの集団が住み着き、付近の農家を襲撃しているそうだ。 人的被害は今の所は、出ていないが出る危険がある集落からの依頼で、討伐に向かう事に。


「酒場では自己紹介は出来なかったな!私はこの『四本の薔薇』のリーダーで剣士のエミリアだ!」


「魔法使い・・・マリア。」


「マリア・・・もう少し話をして上げなよ! あっ!私は僧侶のレナよ!」


「最後は私だね?私は斥候のミラだにゃ!見ての通りの猫亜人にゃ!」


「改めまして私は戦士でマサカツと言います。 冒険者になって、短いですが、よろしくお願いします。 皆さん!」


それぞれ返事をしてくれ、目的地の村までは商人の馬車を護衛しながら、向かうそうでその商隊もあった。 2つの依頼をこなしながら移動する様で、俺は配置に着いた。


「お前さんは馬車の上で良いだろ?」


「分かりました。 弓の代わりになるものが扱えるので、それで見張りに立ちます。」


「弓の代わり?まあ・・・よろしく。」


「はい。 では。」


俺は戦闘服に革製の胸当てと肘と膝のガードだけの装備で馬車の上に乗る。

そして、今までの戦闘で召喚できるようになり、Kar98k(狙撃銃バージョン)が手に入った。 俺は『狙撃』のスキルと『鷹の目』のスキルがあるので、問題ない。 サイレンサー代わりに風の魔法が使い、消音することで、バレない。 


経験値稼ぎだ!ひゃっほーい!


実年齢より、今の年齢の精神に影響されるらしく、気分が高揚している持ち場も真ん中よりやや前の馬車に乗っているし、スコープを覗きながら、経験値稼ぎをすることにした。


<四本の薔薇・リーダー、エミリア>


ギルドで有望そうな少年を勧誘してゴブリン討伐に誘った。

軽い感じではないが、真面目そうな印象に好感が持てた。 だが、実力は違うようで低ランクとはいえ、大量の討伐証明部位と素材を提出し、Fランクを飛んでEランクへスピード昇格した。 そして手に入れた金をはぎ取ろうとしたチンピラ冒険者がいたので、後をつけたら・・・。


「スゲェ・・・一方的だ・・・。」


「体術だけでここまではスゴイにゃ・・・。」


「魔法は身体強化のみ。 ブーストしてない。」


「それはすごいですわね・・・。」


各位の感想が出たが、ものの数分で片が付き、一名が死に後は大怪我を負ったようだ。

あたし達にも全員でもこんな結果になるか?と、思案していると、彼から声がかかる。

最初から分かっていたようで、居たなら助けてほしいとも言われた。

苦笑いをしながら思う・・・。


助ける必要、あるのか?と・・・。


そう思いながら翌日の依頼の日を迎える。

彼は最初に会ったときは違う杖の様なものを背負って現れた。

初めての護衛依頼なので、比較的安全な馬車の上にいて貰うことにすると、背負っていた杖の様なものを持って、見張りに着いてくれた。 

護衛の依頼、頑張るぞ!


<エミリア回・終わり>


護衛依頼は馬車の上からの見張り。

スコープ付のライフルを膝撃ちや伏せ撃ち、立射で脅威度の高い魔物を射殺していく。

収納のスキルが高性能なので、オークやオーガ、狼などの魔物の素材が射殺すると、回収もできる。

ウハウハものだ。


これは儲けものだ。 ありがたや・・・。


その間も乗っている御者のおっちゃんと会話を楽しみながら、スコープ内の魔物を撃ち抜く。 盗賊もいたが、ヘッドショットをかますと、頭が吹き飛んだ。 当然、盗賊は回収しない。 魔物の餌になれと思う。 周りの護衛は馬車の幌の上では、気が付かない。 バレる心配のない経験値稼ぎだ。

パヒュッ!と、音がKar98から聞こえるたびに頭を吹き飛ばす姿がスコープ内に見える。 薬莢は排出後に消えていくので、余計にバレなかった。

レベルもスキルも上がっていった。 


「だがしかし、今回は魔物の襲撃はないな・・・。」


「運が良いんじゃないんですか?」


「そう・・・なのか?まあ、襲われる事がない事は良い事だ!」


「ええ、本当に。」


そう言いながら、俺はスコープ内のオークを撃ち抜き、収納に入れる。

休憩時間を挟みながら、目的の野営地へ着く。

俺らは自炊が基本らしく、四本の薔薇の皆さんの元へ行く。


「お待たせしました。 夕食と夜営の準備はどうするんでしょうか?」


「ああ、マサカツは初めてだな!うちらは保存食を食べて、木のそばで毛布に包まって寝る。 それで交代で夜警に立つ!そんな感じだ!」


それだと寒いな・・・。 ちょっと提案してみるか・・・。


「すいません。 私からも提案があるのですが・・・。」


「ん?何かあるのかい?」


「はい。 毛布だけだと寒いでしょうからテントを出します。 それと湯浴みをする場所も設営しようかと・・・。」


「なっ!出来るのか・・・?」


「? はい。 良いですか?」


「勿論だっ!」


許可が出たので、パーティーの場所にテントと湯浴み用のテントを設営し、竈を作り、食事の準備もしておく。 2時間ほどで出来たが、すでに湯浴みを待ち望んでいたらしく、女性が固まっていた。

結果は好調で、パーティーのメンバーの方たちと商会の女性従業員さんから凄い喜ばれた。

その間に手持ちの食材で、温かいスープを作っておく。 そのうえで締め用の穀物も炊いておく。 全ての準備が終わった頃に女性陣が、簡易風呂から出てきた。


「いやぁ!夜営で風呂に入れるなんて・・・こりゃあ、良い人材を勧誘できたってものだよ!」


「そうですね!ん?何かいい匂いが・・・?」


「ん?ああ、出られましたね?どうですか?」


「最高だった!これからの夜警も頑張ろうと、思えるよ!それと食事も作ってくれたのかい?!」


「男料理で良ければですが・・・。」


「いやいや!こんな旨そうな匂いをしているものを見過ごせないよ!頂こう!」


パーティーのメンバーも強く縦に首を振っており、俺の料理を食べるそうだ。

彼女らは料理を作れる人はいないようで、今までは干し肉を水で煮ただけのスープと固焼きパンのみだったそうだ。 料理ができる唯一の女性は僧侶のレナさんだけで、それでもスープだけだそう。

他のメンバーは、村や町で前もって買ったサンドイッチや干し果実を食べていたそうだ。

その為、穀物入りスープはすごく喜ばれた。


「よし!あたし達の番は2番目だ。 各自時間まで休憩時間とします!」


「「「」はい!」」」」


エミリアさんの指示で、俺の設営したテントへもぞもぞと入っていくメンバーが、また驚きの声を上げたのはすぐ後だ。

そして、時間がたち、我らの番になると、エミリアさんが開けている方に立ち、俺は広範囲が見渡せる馬車の上に陣取った。 斥候のミラさんは、夜目が効くので森側を見張ることになった。


「さて、やりますかね!」


ジャキン!


弾を装填をして、鷹の目のスキルを使い、脅威度の高い魔物の狙撃をして、収納。

野盗らしい男もヘッドショットをかまし、情報も渡さないようにする。 後続も同様に。 収納はしないが。

そのまま範囲内に収まった標的を収納したり、放置したりして時間まで危険な対象を潰していった。


「時間だ!マサカツも降りてこい!寝よう!」


「はい!」


エミリアさんの声で俺も馬車の屋根の上から降りる。

近くに来ていた獣はハグレラットと狼だったそうで、警戒の人員を集めるほどではないと喜んだ。

まあ、危険性の高い熊やオーク、オーガはヘッドショットし、山賊らしい奴は4人ほど射殺した。 他にも危険度の高い魔物の上位種も数発の攻撃で、射殺したので彼女らは知らなかった。


「明日も朝は早い。 休んでおけよ。」


「はい。 失礼します。」


「おう!」


彼女らは俺の設営したテントに入り、そのまま早朝まで休ませて貰う事が出来た。

朝食を作るべく、少し早く起きた俺は、手早く整える。 そうしているうちにのそのそと、女性陣が起きてきたので、顔を洗うように声を掛けると、彼女らは顔を洗うために移動していった。


「ふう!おはよう!」


「おはようございます。 食事は用意してあります。 どうします?」


「頂こう!有難うな!」

 

「では、配ります。」


「「「「はーい!!」」」」


周りから羨ましそうな目で見ていたが、あえて無視してメンバーに配る。

朝からボリューム感のある食事ではあるが、固焼きパンをつけて食べると、ちょうど良いらしく、おいしそうに食べてくれた。 食事を終えれば、装備を整えてから移動準備を終える。


「今日も頑張ろう!」


「「「「はい!」」」」


同時に準備が終わった隊商は、次の目的地に向け、進み始める。

俺は定位置ともいえる馬車の上に陣取った。

その後の行程は、数回の襲撃にはあったが、それも未然に防げる対策をしていたので、問題なく護衛の任務は無事に終えることができた。


「いやぁーー!マサカツのお陰で普通はキツイ依頼の護衛が、辛く感じなかったよ!」


「そうですねぇ・・・。 いつもなら誰かが文句を言うのですが、今回は出ませんでしたし・・・。」


「そうでした!そうでした!」


そんな事を話しながら、依頼主の商人さんからサインを貰い、依頼が終わる。

彼女らとは臨時のパーティーだったが、楽しい依頼だった。

とはいえ、俺自身に秘密が多すぎる・・・。 継続的に依頼を組むことを勧められたが、見送った。

彼女らは名残惜しそうにしていたが、再会を約束してギルドで別れる。


「さて、収納した素材は・・・後で売却するとして・・・まずはどれだけ解放されたかだな。」


人がいると、出すのは拙いので、常時依頼の薬草採集の依頼を受けて、街の外へ。

森に入り、目的の薬草を取ったのちに見ると、『M24柄付手榴弾』と『パンツァーファウスト30』が開放されていた。 その他では『八九式重擲弾筒』が開放されていた。 一人運用のできる迫撃砲だからとても貴重だ。 とはいえ流石に一人でいるのは無理がある。 


「流石に軽機関銃も一人では・・・とはいえ、秘密バレは・・・。 やはり避けていたけど、奴隷の購入を考えないと・・・無理か・・・。」


ギルド酒場で聞こえていた奴隷の購入・・・。

秘密が多い自分には最適ではあるが、やはり自身の倫理が邪魔をしていた・・・。

元の世界ではない人々・・・。

だが、一人では頭打ちなのは見えている。 小一時間は考え込んだ・・・。

奴隷商館の前の喫茶店で。

だが、合う奴隷がいるとは思えなかったが、一目見てみることにして、勇気を出して商館の扉を叩くことにした・・・。 

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