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第十五歩

闇夜に溶け込んだ自分自身。

ターゲットは同様に闇に溶けた暗殺者というチェイサー。

数は・・・3人。

俺は消音機付きのワルサーを二丁だし、初弾を装填する。 そして、縮地のスキルで一気に相手に近づき、1人目は自分がどうして倒れたのかわからないうちに側頭部に弾丸を叩き込まれた。


パスン!


「?!」バタッ


「まずは一人・・・。」


すぐに姿を消し、次のターゲットへ。

構造物の陰に隠れていた暗殺者の陰にいた男を発見し、気配を消して、背後に忍び込んで首に刃を当て、引き抜く。


「ぐはっ・・・。」


「よし。 次。」


すぐに闇に紛れ、最後の相手の元へ向かう。

だが、この頃になると、相手も気が付く。


(おかしい・・・。 あいつらの気配がない・・・。 まさか・・・。 いや、そんな事・・・。)


最期の刺客は・・・最後の言葉を紡ぐ前に眉間に穴が開く。

どう死んだのかすら分らぬうちに地面に伏した。


「さて、俺は2人の元に戻るか・・・。」


俺は硝煙が漏らしているワルサーをホルスターに戻し、2人のいる野営地へ戻った。

戻ると、2人に出迎えられ、温め直してくれたスープを食べ、見張りの召喚兵を立て、俺らはテントに入る。 そして、戦闘で高ぶった身体を落ち着かせるように2人からの奉仕を受けて、眠りについた。

翌朝はいつもと変わらない朝を迎える。 いつものように移動の準備をして、移動を開始した。


 一方、放った刺客と偵察に放った者たちが、行方と報告がない事に不思議に思い始めた総本山の幹部たちは、急遽会議をした。


「放った者達がいなくなった?逃亡か?」


「いや、それはない。 何度も依頼を受けている総本山冒険者ギルド所属の我が信徒冒険者だ。」


「だが、連絡がないとは・・・。」


「実はな・・・。 偵察に放った者が数名、遺体になっている所を発見されているとも、報告が来ているのだが、外傷があまりに少なかったらしい。 すでに魔物や獣に喰われ、損壊している所が多かったらしいんだがな・・・。」


「それはどういう意味ですか?」


「・・・。 これは推測の域を出んが・・・。」


話を振られた幹部の一人が、前振りをしたうえで何か鋭い鋭利なもので一撃で仕留められたことと、凶器は不明ではあるが、貫通力の強い魔法か武器である事を説明を受ける。

報告を受けた幹部は、そんなものは少ないと反論するが、代案もないために沈黙が支配した。

だが、刺客を放った相手は明らかに羊ではなく、明かに狂犬。

嚙みついた相手が悪い相手では・・・?と、思う幹部もあらわれた。 その狂犬が徐々に牙を剥いた状態になる時はない事を願う幹部もいた。


「総本山は遠いな・・・。 さて、そうなると・・・。」


「代わりの象徴を破壊しますか?」


「それも選択肢だな・・・。 だが、そうなるとどれがいいか?」


「まずは地方の総括教会があります。 そこを狙いましょう。」


「そうか・・・。 なれば・・・吹き飛ばすか・・・。」


「総括の街までは依頼を受けて移動なさいますか?」


「俺らはお尋ね者だしな。 まあ、移動には自身のスキルで移動するか。」


俺らはスキルを使い、極力村や町を立ち寄らないで、移動していった。

だが、収納のスキルに様々な物資と召喚で不便とはかけ離れた野営をしながら進んで行った。


「野営という言葉・・・何でしたっけ?」


「私・・・やっぱり分からなくなりました・・・。」


「ん?何か言った?」


「「いえ、何も・・・。」」


「??」


俺はその様子を見ながら、野営のための火の準備をして食事の準備をする。

そうして、準備の終えた俺らは食事を取りながら、今後の行動を話し合った。 目的は教会のシンボルをへし折ること。

 そのためには移動するしかない。 

明らかにスピードが遅い。 だが、償還が出来る俺は車輌を呼び出した。

双輪式の戦闘車M8装甲車。 悪路も物としない多輪式の装甲車に乗り込むと、森や山の谷間を進んで行く・・・。


「実際に歩いて進むより・・・痛っ!」


「ガタガタ道だっ!舌を噛むぞっ・・・アタッ!」


「これは・・・中々に・・・来ますね・・・。」


普段は人の通らない獣道を突き進むM8。

車輌は上下はするものの、弱音を吐かずにかきわけて行っており、遭遇戦でも火器もへそを曲げずに敵を屠って見せた。

徒歩では進めない道をずんずん進む多輪式の装甲車は、その頑強な足で道なき道を進んでいった。




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