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第十二歩!

やっとの思いで、ギルドへ辿り着いた俺ら・・・。

いつもは笑顔で戻ってくる俺らが、銃を杖代わりにして歩いてくる事にギルド職員は、びっくりしていた。


「どっ、どうしたんですか?!」


「すまん。 巣の捜索は失敗した。 オークジェネラルの指揮するオークの集団に襲われてな・・・。 なんとか倒したが、そこで俺らは無理と判断した・・・。 今回の依頼は保留にできるか?」


「えっ?それは出来ますが・・・。 ですが、その場合は皆さん以外が達成・・・つまり巣を見つけられた冒険者に達成報酬が移ります。 それでも?」


「ああ、構わない。 すまないが、身体を休めたいから宿へ戻る。 手続きはしておいてくれ・・・。」


「はっ、はい。 かしこまりました・・・。」


話を聞いていた受付嬢は驚いていた。

ギルドカードに書かれた達成率はとても高い達成率だった彼らが、対応が間に合わずに退却してきた事に。

そして、頼まれた事をして、再び捜索依頼を出すと幾つかのパーティーが興味を示したが、ジェネラル級が出た依頼にさらに上位が来ないとも限らない。

その為、実際に受領したのはB級パーティーとC級パーティーの二組が受領した。 その結果、B級パーティーが、その巣を見つけた。

依頼料は彼らが受け取った。 ただ討伐はしていないようで討伐依頼は残った。

そちらは俺らがオークジェネラルがいる事が伝わっているため、その上位種がいる可能性が高いこの洞窟の依頼は、避けられた。


「えっ?討伐、終わってなかったの?」


「はい。 実は・・・発見後もオークが出ている事もあり、余計に・・・。」


「ああ、成程ねぇ・・・。」


宿に戻り、数日間の休みを取った俺らが依頼の掲示板を見ると、その依頼が残っていた。

実際はいくつかのパーティーが挑戦をしたが、上位種ではないものの、数で押されてしまい、撤退を余儀なくされたそうだ。

結局、俺らに継続受注をして貰いたい旨を職員から言われた・・・。


「結局、こうなったのう・・・。」


「あの状況じゃぁ・・・仕方ないじゃないか・・・。」


「そうですね。 あの状況では仕方ないですね。」


「まあ・・・仕方ないの。」


洞窟の前で俺らは 再度、装備を確認する。

前回より装備変更して俺らの装備は、火炎放射器や手榴弾を持っていた。 前回の反省を含めての装備だからだ。


「ひとまずは油断をしないように。 前回の様になりたくないから。」


「それはそうですね。」


「うむ!」


「いくぞっ!」


「「はい!」」


俺を先頭に洞窟に入って行く・・・。

見張りのオークは、狙撃銃で眉間を撃ち抜いた。 その後は慎重に進む・・・。

だが、すでに戦闘態勢になっており、見張りの倒れた音で下から次々と、こん棒や剣、斧を持ったオークがやってきた。 こっちはいきなり五月雨式に来る彼らに面喰いながらも、口火を切る。


「こいつら待ち構えていやがった!」


「オークがこんな作戦を取れるはずがありません!他にアドバイスをしている人物がいます!」


「そんなの当然じゃろうが!これでもくらえっ!」


ごばぁ!


「「「「「ぶもぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」


火炎放射器の炎が、オークの集団を焼き払った。

だが、その火達磨のオークを踏み越えて、他のオークが襲い掛かってくる。 そのオークも俺らの機銃弾の雨が、それすらハチの巣になる。

その波は上位種も取り混ぜて、襲い掛かってきた上で潰されていった・・・。

機銃の銃身を取り換えて撃ち捲った。 余りにもの発射煙で白くなったが、魔法で吹き飛ばしている。

そうして10数分を費やすと、オークの津波が止まる。


「どうやらやっつけた?」


「そう・・・ですね。 進みますか?」


「いや、まずはこのオークをかたづける。 収納。」


収納が終わると、下へと続く道があり、その道は一本道だった。

その道を降りていくと、今まさに人の足の肉を引き千切っているオークの上位種がいた・・・。

だが、明かに出す気配が懐かしい気もした。

そのオークが俺らに気づき、口を開けた。


「やはりオーク程度では銃には敵わないか・・・。」


「なっ?! あんた・・・同郷者か?」


「ああ、俺も地球人の男さ。 まあ、日陰者だがな・・・。」


「ならば、なんでこんなことを?」


「俺は今までの所業と性格の粗暴さでこの姿になった!無論、人里に行けば襲われた!だから俺は・・・狩りまくったのさ!だが、元居た国では討伐軍が編成されて、逃げてきた・・・。 だが、舎弟は呼べるようになったら、苦労しなくなった!だから俺は今後も狩りをし、好きなように生きる!

だが、満たされないものがある・・・。」


「満たされないもの・・・?」


「そうさ!俺を満足させられる女がいねぇ!人族だと簡単に裂けちまう!だが、お前の女はハーフとはいえ、エルフがいる。 これならと思って、ここまで来させたのさ。 まあ、あの波で潰れてくれれば、良かったがな・・・。」


「そうはいなかったと・・・?」


「ああ!そうさ!だから俺が直々にやってやる!こいやァァァァぁ!!!」


座っていたオークが立ち上がる俺らの2倍は余裕である丈と胴体ほどはある腕で、両刃の戦斧を振り回すのだった。 そこから起きる風はあたりの砂や埃を舞い上がらせ、煙幕の様になる。


「くらえっ!」


「くっ!ぐはっ!!」


一気に接近してきた事で対応しきれず、持っていたMG42で受け流す。

だが、何とか受け流せたが、完全に銃身は曲がり、使い物にならない。

召喚した武器は取り回しの良いMP40。


バララララっ!!


「ちっ!やっぱり無理か!」


「そんな豆鉄砲、効かんわっ!」


「「「うわぁぁぁ!!!」」」


振り回す戦斧の起こす風に吹き飛ばされる。

火炎放射器では、被害が出る。 そのため、突撃銃とパンツァーファウスト、手榴弾を主で戦うことに決めて、収納から出し、彼女らに渡す。


「ほう・・・まあ、良い・・・。 足掻いてみよ・・・。」


「こりゃ、余裕だな。 相手は・・・。」


近くにあった岩の後ろでパンツァーファウストの安全ピンを投げ捨てながら、必死に勝機を探す俺。

少し離れた場所で、MG42を構えたエルフ娘が支援射撃をしてくれ、まだ諦める事は早い事を示していた。 俺は召喚したそれをあいつに向けるのだった。

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