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第十歩!

やっとパソコンが復活して、投稿できるようになりました!

宿の机の上に封蝋を押された手紙・・・。

辺境伯がギルドを去り際に渡していった物だ。


「やはりそうなったかぁ・・・。」


俺が机の上にある封蝋された手紙を見てため息を付いていると、2人が声を掛けてきた。

覗き込むように。


「辺境伯様からの手紙ですか?」


「あの貴族殿か?」


「ああ、なんとなく内容が分かるんだが・・・。」


「なれば、良かろう?」


「・・・。 何か紐付きになりそう・・・と?」


「流石にそこまで行かないとは思うけど・・・。」


だが、書状を開けない訳にはいかない・・・。

意を決し、書状を開封する・・・。


内容は・・・。

やはり呼び出し状。 正確には招待状だった。

丁寧なお礼の文面から当事者もお礼が言いたいという旨の文字が並び、来てくれる事を期待する旨を重ね書きして、文が締めてあった・・・。


「完全に来てもらう気満々な手紙だ・・・。」


「手紙です。」


「手紙だな。」


「どうなさいますか?」


「こうも好意的な文面を断るのは・・・忍びない。 行くしかないだろう・・・。」


「そうだのう~。 手の内を隠さずに来ている以上は行かねばなるまい。」


俺はため息を心の中でついて、翌朝にギルマスの元へ。

するとすでに声がかかっていたようで、すでに準備のされた馬車が居り、御者もいた。

断らないと踏んでの準備だろうと、一枚上手な相手に顔を引きつらせながら、3人とギルマスで乗り込んで辺境伯様のお屋敷のある街へ移動する。


馬車での移動は数日だが、移動は基本は夜営。

馬車の中の椅子を移動させての睡眠と外にいる騎士たちは、マント等を利用して仮眠をするようだ。 俺らも陣幕があるためにそちらに移動する。

夜警の交代の順番を願い出たが、今回は客であるという事で、なしという事になった。


「なんか申し訳ない気が・・・。」


「でも、好意を無視も出来ません。」


「うむ!今日は好意に甘えよう!」


2人の進言もあり、そのまま休む事にした。

明日も馬車に揺られるのだから・・・。

だが、スキルの気配探知で、明かに戦力的に力不足という感じが否めないモンスターの群れがいた。

2人も気が付いていたようで、こちらを見ていた。


「主様・・・。」


「主よ・・・。」


「ああ、ギルマスに伝えよう!」


ギルマスに伝えた所、その手前で馬車が止まり、俺らは自分の装備をして、下車。

アイコンタクトで2人と共に接近する。


「さて、ターゲットは狼。 近くに4匹・・・。 後方に3匹。 これは・・・。 キツイかな。」


「ですが、任務です。 行きましょう!」


「勿論だ!」


「お客さん?!」


御者の男性が止めに入ったように聞こえたが、構わず飛び降りた。

収納していた銃器を取り出して、渡す。

俺も突撃銃に初弾を叩き込んでまず、後方の三匹に銃口を向け、撃つ!


ダン!ドン!ズキューン!!


「「「ギャイン!!」」」


三人の銃器から放たれた弾丸は、油断していた3匹の眉間に命中する。

後方の安全を確保した俺らは、マリアに後方の警戒に残し、左右から前へ進む。

すでに剣戟音が響くが、明らかに不利だ。

そのまま賊の背後を撃ちながら、護衛に近づく。


「助太刀する!」


「かっ、感謝する・・・!まだこちらが分が悪い!せめて馬車だけでもっ!」


「馬車はうちのメンバーが守ってる!心配すんなっ!」


「すまん!力不足で・・・。」


「ひとまずここを乗り切ろう!」


「ああっ!」


こうして共同戦線を組むことになった専属護衛と俺らが、倍以上の野盗を相手にする。

当初は油断していた彼らも、バタバタと倒される仲間に本気になったが、武器のレべチな差に形勢不利を感じたが、すでに退却のタイミングを外していた。


「ふう・・・なんとかなったな・・・・。」


「ええ。 とにかく無事で何よりです。」


「ありがとう!助太刀助かった!」


俺は護衛のリーダーと握手をすると、御者さんも出てきて互いの安全を確かめ合った。

その後で御者さんとの交渉で、運賃なしどころか依頼料が発生する事が決まった。 臨時の護衛依頼を受注する事になった。 だが、女性陣は馬車の後方や屋根の上に陣取った。 俺は護衛のそばで右側を守ることになった。


「あんたらのお陰で助かったよ。 マジできつかったから・・・。」


「いえいえ、間に合ってよかったです。」


「でもよぅ、おたくは何ランクだ?」


「いや、最近はギルドで更新してないから・・・確かEだったかな?」


「だったかなって・・・まあいいや・・・おかげで助かったしな・・・。」


他愛のない会話をしながら進んでいく。

だが流石に本職が受け持ってくれたが、やはりスキルの使用は多少なりとも影響があり、彼女らの夜のお世話を焼いてもらい、夜が暮れた・・・。

 夜が明けると、再び翌早朝より護衛をしながら、目的地へと向かう。

宿営地や野営地に着くたびに本職に夜警をお願いし、夜の世話を焼いて貰い、翌朝に備えた。

そんなルーティンを数回繰り返し、目的の街へ辿り着いた。


「辿り着いたぁ!!目的地!」


「ああ、辿り着いたな・・・。」


「ここからじゃな・・・。 最前線・・・。」


俺らは戦火が迫る最前線の街・・・。

そして、辺境伯家のある領地でもあった。 辺境伯家の双子と使用人、騎士を救ったことでお礼を渡すという建前の辺境の隠れ家を提供してくれるそうで、その裏はやはり自身の戦力強化だった。

だが、こちらも望む所なので構わないとも思った。 この選択が吉か凶かは・・・まだ分からないが。


まずは辺境伯家に挨拶とギルドへの報告だ。

だが、ギルドは御者さんと護衛さんが盗賊の事で話をしておいてくれるそうで、まずは辺境伯家に向かう事にした。 

 辺境伯家の門に着くと、屈強そうな門番が立っていたが、辺境伯の娘さんの事を話すと、話がついたらしく、屋敷の中へ。

応接間らしき部屋に案内される。

少し待つと、辺境伯本人が入室してきた。


「待たせてすまない!この度はわが家人の救出に尽力して頂き、感謝する!」


「いえ、冒険者の務めですから・・・。」


「それでもだ。 感謝をしているんだよ。 だが、正式にお礼がしたかったんだよ。 招待に応じてくれて感謝する。」


「それもありますが・・・。」


そこまで言うと、彼の顔が変わる・・・。

戦乱の火種が近づいている事を嗅ぎつけて来た事を看破した彼は、厳しい顔になり、言い放つ。


「若い命を散らす場所ではないぞ?今なら間に合うぞ・・・?」


「ですが、この戦いは・・・そちらも負けられぬ戦なのでは?少しでも手助けが必要だと思いますが?」


「・・・。 だが、貴殿らはまだ低ランクであろう?無理をすることはない・・・。」


「勿論、無理はしません。 無理なら冒険者らしく逃げますから・・・。」


「分かった・・・・。 宿の手配はしておく。 助太刀感謝する・・・。」


「しばらくはこの街周囲の採集と討伐で、糊口を凌ぎたいと思います。」


「・・・。 分かった。」


こうして辺境伯様との会談は終わり、あとは事務的なお礼金の引き渡しや紹介状を頂いた。

紹介状のお陰で、すぐに宿に泊まることのできた俺らは、ギルドへ。


「先に話が言っていると思うんですが・・・。」


「あっ!商人さんの護衛の件ですね?はい!伺っています。 こちらへ・・・。」


「ああ、ありがとう。」


受付嬢の案内で応接室へ。

応接室でお茶を頂きながら待つことに・・・。

ここの滞在は自身の成長が出来るのだが、この時は気が付かなかった。

今後も応援をお願いします!

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