第38話 トラ転王子、お仕置きを食らう
いろいろあって遅れましたが、本日の投稿分です。
楽しんでいただけたら幸いです。
それからしばらくは、サンドラやキャリンだけじゃなく、子供たち全員の基礎知識を再確認するよう、父さまから号令がかかっててんやわんやの騒ぎになってしまった。
当たり前だろ? 王族の常識がおかしいなんて、他国からの風当たりが厳しすぎる。それ以前に、外交にも出なきゃいけない人間がお粗末では、よそ様のいいかもにされちまう。
今は『果断なる英雄王』が賢政を敷いてるから大丈夫だけど、それでも何かとちょっかいかけてくる輩は居る。ましてや、次代になったらどうなるか。
いや、ギル兄さまが悪いわけじゃない。アルテ姉さまもいるしオレも頑張るけど、その他の奴らが足を引っ張ってくるのは目に見えている。
今のうちにきっちりしつけて更生できるならそれで良し、駄目でもまともに見れるまでにするって事らしい。・・・これ、人格破壊の匂いがするけどいいのかな?
オレ? そんなの問題ないよ。真っ先にクリアして見せたさ。
あ、ギル兄さまとアルテ姉さまの次に、だけどね。
ただ、なあ。
「ユリウス? キミ、どこであんなしぐさ覚えたんだい?」
あの映像を見た後、オレはギル兄さまに問い詰められていた。
「あ、はは。何の事でしょう?」
「賢いキミのことだから私の言ってる意味、分かってるよね? さ、怒らないから正直に言ってごらん?」
中指を立てるのは元の世界と同じくらい、いや、もっとイケない意味らしい。
ギル兄さまの笑顔がこれほど怖いとは!
「いや、十分怒っているように見えますが、ギル兄さま?」
「おやそうかい? わかっているってことだね、それは」
「ににににいさま! 冷気が漏れてる!」(ぞわぞわっ)
「ハハハ、何を言ってるんだユリウスは。可愛い弟に注意しているだけで、何もしていないだろう? ん?」
「ハイ兄さま、ゴメンナサイ」(白旗~っ)
「わかってくれればいいんだよ。私たちは王族だからね、品位をなくすような言動は慎まないといけない。ユリウスはもう一度そのことをしっかりと身に着けてもらわないとね」
「ハイ。オッシャルトオリデス」
「うんうん、ユリウスはやっぱり頭がいいね。だから思い出してもらうために、『帝国王室規範』を書写しておいで。それを2回分ね?」
「に、にかいぶん、デスカ」
「うん。そうすれば頭に叩き込まれるし、二度とやる気にもならないからさ。期限は明日の朝までに。良いね?」
「・・・ウィッス」
『帝国王室規範』ってさ、王族のやること為すことをきっちり決めて書かれているんだ。
それこそ足の上げ下ろしから声の出し方、貴族とのあいさつ、平民への手の挙げ方から始まって、食事の作法はもちろん、風呂の入り方、トイレの使い方まで書いてある。元日本人の一般市民からすると息が詰まりそうなくらい、ガチガチに固めたものだ。それが1083ページにまとめられている。
オレ今夜は寝られないかも。トホホ。
で、そのあと。当然アルテ姉さまにもつかまった。
「ねえユリウス。あなたのお母様や赤ちゃんを守りたいって気持ちはわかるのよ? でもこれはいけないわ。こんなところ、お母様には見られたくないでしょ? 赤ちゃんたちだってお兄さんがこうだとがっかりするかもしれないわ。だから、もうしないって約束できる?」
「アハハハ、ハイデス」
「もちろんユリウスは反省してるわよね。でも、悪いことは悪い、そうでしょ?」
「ハイ、ゴメンナサイ」(こちらも白旗!)
「うんうん、ちゃんと謝れるんだからユリウスは偉いわ。それを形にしてみんなに見せないとね? こういうのは上に立つ者が見本を見せなくちゃ」
「ソノトオリデスネ、ハイ」(ん? って事は・・・)
「明日、魔獣狩りに行くから一緒に行って、実績を積んできましょうね。朝が早いから迎えに行くわ」
「・・・ハイ、オトモシマス」(や、やっぱり~)
姉さまの魔獣狩りって元の世界の流鏑馬に近いんだ。単騎で走り寄ってヒットアンドアウェイ! 当然ながら的は生きてて動いてる。それを狙うって・・・徹夜明けで耐えられるかな~・・・
あのサイン、もう二度とやらないっ!!
読んでいただき、感謝です^^
はっちゃけた事へのお仕置き回にしました。




