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(妄想)旅行同好会  作者: わらびもち
2/14

そんな同好会あり?

 「ところで、旅行同好会なんて承認されるんですか?」

 私は同好会の活動を聞いた時に抱いた疑問を素直に吐き出してみた。

 「彩さー、これから同じ同好会に入るってのにずっと敬語じゃん。もっとフランクにいこうよ。もう友達なんだからさ。」

 すごい。私が約2ヶ月欲しくても作れなかった"友達"をこうもあっさりと作ってしまう。同じ人間なのに、どうしてこんなにもコミュ力というものに差が出てしまうのか。でも、いざこうもう友達だと言われると、なんだか照れくさくってなんだろう。ニヤニヤしてしまう。

 「なにニヤニヤしてんのさ。まぁいいや、そういえば、まだ質問に答えてなかったね。多分承認されないよね。そんなの部活動じゃなくて、勝手にプライベートでどうぞってなもんだからね。」

 意外な答えが返ってきた。私としてはてっきり、平気な顔で今までと同じように快活に『なんとかなるんじゃない?』的な返答を予想していたからだ。

 「え?じゃあどうするの?」

 当然湧き上がってくるこの疑問。すると、三色さんは

 「この学校ってさ、一応仏教校じゃん。だから、仏教研究会って形で申請してるのよ。うちの学校本校舎とは少し離れた場所に仏像を置いてあるちょっとした小さい建物があるのよ。ちょうど、そこの建物どの部活・同好会も使ってないから仏教研究会って形で申請すると、その建物まで使えるようになるのよ。正に一石二鳥ってね。」

 なるほど。それは考えたものだ。ただそんなに上手く行くものだろうか。バレそうだし。なんたって、三色さん、明るくていい人だけど、仏教になんか全く興味なさそうなんだもんな。だから聞いてみる。

 「そんなに上手くいくものですか?バレたりしませんか?」

 「また彩敬語で話す。油断するとすぐそうなんだから。友達に敬語はなしだよ。後、その質問に関しては多分大丈夫。さっき話したもう二人の部員の一人がめっちゃ頭のいい優等生でさ。部活の登記とかそういうのは、その子に任せてんのよ。顧問候補の先生も、あの子の言うことを疑ったりはしないよ。だから大丈夫。」

 そう言っていたずらっぽい笑顔でVサインをする三色さん。

 「そういうわけで、これからその子に連絡して、同好会の本申請とか済ましてもらうから。全部上手くいったら、部室に誘うから、また、じゃあね」

 そういって、彼女は教室を出て行った。そういえば今は昼休みだったな。なんか久しぶりに家族以外の人とまともに会話して疲れちゃったな。その後の5・6限は爆睡してしまった。

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