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(妄想)旅行同好会  作者: わらびもち
12/14

ちょっとご飯でも

 「まだ5時半ぐらいか。ちょっと近くでご飯でも食べてく?」

 茜がそう提案する。私としてはみんなと距離を縮めるいい機会なので、あとの2人が乗り気であるなら是非そうしたい。

 「私は行きたいな。音羽ちゃんと涼音ちゃんはどう?」

 「うん、私も全然大丈夫だよ。」

 「私も!私も!帰ったってやることないし。」

 「みんな大丈夫そうだね。そういえば、彩って何線使って通ってんの?この学校って近くに駅3つあるじゃん。あたしたちは千代田線ユーザーなんだけどさ、彩だけ違ったら電車代とかもったいないし、白山の方のナクドナルドでもいいだけど。同じ方面だったら、電車でちょっと移動しようかなと思うんだけど。」

 茜が言った通りこの学校、千駄木高校は、近くに白山駅、本駒込駅、千駄木駅と3つのそれぞれ路線が別の駅がある。そして、彼女たちはその内の千駄木駅を使用しているらしい。この学校に入ってちょっとして、生徒たちの通学調査みたいなことをして知ったのだが、千駄木駅から通っている人は最も多い。それには後述するような理由があるのだが、ともかく実は私も千駄木ユーザーなのである。

 「私も千代田線で通ってるよ。」

 「お?まじで?どっち方面?代々木上原方面?」

 「我孫子の方だよ。」

 「お?あたしたちと一緒だ!てことは、もしかして彩、足立か葛飾住み?」

 「いや、私は千葉の方。」

 この学校は基本東京都にある学校なので、生徒も基本東京都民だ。だが、わたくし立なので、都外からの生徒も一定数、というか結構いる。そして、その都外からの生徒の8割がたは千代田線を使って通学してくるのだ。これが、千駄木駅利用率の多い所以である。

 「へー、そうなんだ、千葉のどこなの?」

 「言ってもわかんないと思うけど、松戸ってとこ。」

 「松戸なんだ!あたしたちも葛飾出身だから知ってるよ。お隣だしね。ま、遊びにとかは行ったことないけど。そういえば、うちのクラスにも2,3人ほかにも松戸の子いた気がするな。なんか、それで入学直後とかに盛り上がってたから覚えてる。」

 また茜が言った通り、基本的にはこの学校は都内の子が多いので、千葉や埼玉出身者は肩身が狭い。なので、クラスで同じ県の同郷を見つけると、それだけで意気投合して仲良くなったりする。それが市町村まで被っているとあればなおさらだ。私は言い出せなくて例外になってしまったが、確かにクラスに松戸の子がいて、仲良くなってるのを目の前で見ていた。

 「まあでも、彩松戸ってことは北千住定期通ってるよね。じゃあ北千住行こっか。じゃあ、あたしプロジェクター返してくるから、3人は先校門の近くで待ってて。」

 そうして私たちは部室を後にした。

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