機神人形との出会い
俺は ライフルの弾丸が当たったのを確認した。
だが右腕に当たっただけで傷1つ与えてはいない。
「クソ、これじゃ場所を教えただけじゃねぇか」
俺は素早く場所を移動しようとする。
いくら離れてるとはいえ発砲した位置は敵国やあの女に特定されているであろうから。
しかし、森の中たくさんある樹木を避けて走っているとドゴォンと目の前で大きな音を立て何かが落ちてきた。
落ちてきたものを中心に木々は飛びきえ円形の広場が出来た。
「ねぇ、さっきの君だよね?」
うっすらと目を開けると、そこには黒髪の女の子が立っていた。
優しい声で話しかけてきたのは、間違いなく戦場を駆けていた彼女だ。
「.........」
あまりにも人外の速さで現れた彼女に驚き、返事が出来ないでいた。
「んー、そんなに怖がらなくてもいいのに」
彼女は若干、不貞腐れた顔でそんなことを言っている。無茶を言うな。
その姿には、さっきの戦場を駆けていた様子はなくただの一人の女の子のように見える。
「君はなんなんだ」
俺がそう聞くと彼女は、
「ん?私?私はね カトウ・ミサキって言うの」
軽くそう言って答えてくれたが、知りたいのはそんなことじゃない。
「名前じゃなくて、さっきの戦いだ」
戦争の技術が進歩したと言っても、あの戦い方は誰が見てもデタラメだ。
「それは、企業秘密ってやつかな。
それより君の方だよ。さっきの4000mは離れたと思うんだけど君ってほんとに人間?」
「君に人間かどうかで疑問を持たれたくはないな。俺は、ハヤト。今はサントランディスコで傭兵みたいな感じで戦争してたんだが…。君が現れて両国ボロボロって感じだな。それで......俺も殺すのか?」
「そうするつもりだったけど。君の腕を見込んでお願いがあるんだけどいい?」
「生殺与奪握られて、拒否権もあったもんじゃないだろ」
「まぁ、それはそうなんだけどね。
とりあえず落ち着ける場所で話したいし、今から私たちの国、と言うより基地まで来てもらうよ?」
「今から?てかどこに、んッ」
途中で唇を人差し指で抑えられてしまった。
「大丈夫、私が運ぶから。だから少しゆっくりしてて」
そう言ったあと、俺は意識がなくなった。




