緑の友人
今日も大学へ向かう。昨日も大学へ向かった。明日も大学へ向かうだろう。原動機自転車の力を借りてゆっくりと大学へ向かう。この町のつくりは変わっていて、周りを高速道路によって四角く囲われている箱庭のような作りだ。町を囲っているその高速道路の下は治安がいいとは言えない。そこはグリーンマンと呼ばれる生き物の住処となっていて、高速道路の柱にツリーハウスのような建物を張り付けて生活している。グリーンマンの住処はベタベタする液体によって覆われており、誰も近づこうとしない。グリーンマンの見た目は、緑色の肌につぶらな瞳、鋭いキバと爪を持つ。狂暴そうな見た目とは異なり、人間ともある程度の意思疎通が可能であるらしい。このグリーンマンはどこからやってきたのかはわからない。この町にはこういう生き物が何種類か住んでいる。太古の昔に宇宙からやってきたのかもしれないし、昔から地球にいたのかもしれない。町の人々はあまり彼らの存在に対して疑問を抱かないようだ。しかし、積極的に関わるというわけではなく、避けれるときは避けるといったかんじだ。これから始まるのは僕とこの町の住民たちとの偏見なき物語である。