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家とご飯とダンス2

 神永さんに「今日からもうここで生活です、では。」なんてさらっと言われ置いて帰られた私は今、住んでいた1Kのアパートよりも広い自室のベットに仰向けでいる。


 部屋をみて回ったが、RAINBOWの為に建てた家、というだけあり、風呂トイレは自室に完備。なんならベランダも各部屋にあり……地下にはダンスレッスンできる場所も……なんて豪華な一軒家。


「ホント、ひろ……」


 部屋を寝ころんだままもう一度見る。持ってきた荷物を置くにしては広すぎる部屋。

 そして、


「これ、大きすぎない?」


 社長から「いい声、踊りは睡眠から!!」といわれ今寝ころんでるベットをもらったんだけど……セミダブルは私1人には大きい。しかももらった布団はふっかふかでとても気持ちがいい。

 ああ、ずっと寝ていたい、この布団!!


「……はあ」


 布団にくるまったまま、目をつむる。色々あったな。あの面接の日から今日まで。

 ……私にできるだろうか。歌にダンス。……いや、できるか、じゃないやらなきゃいけない。やるしかない。

 もう逃げられない。周りの環境からかためられてるもん!逃げられない。


「花!飯―」

「え?」


 ノックが聞こえたと思い頭を上げる。この声……


「……凜太郎くん?」

「おお!よくわかったな。あけていい?」

「うん」


 ゆっくりとドアが開き、ひょっこりと凜太郎君が覗き込む。


「片付いたみたいだねー。なんか女の子の部屋の割に物少なくない??」

「そう??」


 中に入る許可を出す前に入り込みあたりを見回す凜太郎くん。物色されてる気分。


「なんか、女の子ですー!!って部屋想像してた。なんだろ殺風景」

「……悪かったな。ばーかばーか」


 未だ部屋を見て回ってる凜太郎くんの背中に小さな声で悪態をつく。


「花。聞こえてっから。オレ耳いいから」

「……あ、あはは……。」


 ……今度から聞こえないとこで言おう。

 なんておもっていたら、どんどんと音を立てて誰かが昇ってくる音が聞こえた。次はだ……あ。


「凜、おせえよ!飯、冷たくなんだろうが!って、なんだこの殺風景な部屋」

  

 階段の音の主は蓮さん。……って!顔を出したと思ったら、失礼なんだけど!こいつも!!

 蓮さんは凜太郎くんの横に移動し、部屋を見て話してる。

 いや、ご飯って呼びに来たんじゃないの?この人たち。


「花、御前荷物これだけしかなかったのか?」

「え、あ、はい」

「届いた時も少ねえと思ったけど、部屋に飾るとまじ少ねえ。しかも色がない」

「あ、確かに。」

「……もともと、茶色とか、白とかの家具しか買ってなかったので。」


 確かに色がない、と言われればそうだろう。部屋が白い壁、床は薄い茶色のクッションみたいに柔らかい木っぽい床。床暖房完備!!って、話がそれた。

自分でも見回してみる。机は白。買ってもらったベットは床と似たような色。

持ち物、服は黒系が多いし……あ、ほんとに色がない。


「名前が花にしてはほんと色ないねー蓮くんが言うまで何とも思わなかった」

「なんだろ、女の部屋ってもっとカラフルなイメージ。俺が遊んで女の家はカラフルだった」


 名前関係ないし、蓮さんの御友人宅はしりません。


「いいんじゃない?これから増やせば?」

「つーか、いつまで女の子の部屋にいんのよ、蓮、凜。ホントにご飯が冷えるだろー?」


 声が増えたと思ったらそこにいたのは、かなたさんとコウキくん。


「あ、花の部屋に夢中になってた!腹減った―!!」

「わり。んじゃ、飯くおーぜ」


 凜太郎くんと蓮さんが部屋を出ていく。腹減ったーなんて凜太郎くん自作曲とともに。


「花ちゃんもいこ!ごはん冷えちゃう!」

「あ、うん」


 あっけにとられてた私はいまさらながらベッドから降りてかなたさんとコウキくんの元へ。


「俺はシンプルな部屋いいと思うけどね。さ、ご飯食べよ。いくぞ、コウ」

「はいはーい」


 かなたさんがそれだけ言ってコウキくんを連れ階段を下りていく。


「花ちゃん、おいでー?」

「はい!今行きます!」


 ……優しいかなたさん!!!!!モテる理由がわかる。

 よかった、かなたさんがいてくれて!



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