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今年初仕事と成人式と恋の病3



 海での撮影を終え数日過ぎ、本日13日。


「おれ、成人式っ!んで誕生日!」


 RAINBOW3男、コウキくんの晴れ舞台!!


 青い袴を着ていつもの様に前髪を上げてVサインをしてこちらを見る。


 袴着てんのに可愛いのは何でだろう。天は二物を与えずとは言うけれどアイドルには優しいのか。


「コウ、こっち向いて!!」

「御前は今年もか……」


 かなたさんがソファーの後ろの広いスペースで床に片膝をつきコウキくんに向け一眼レフを構える。

 かなたさんの隣にいる蓮さんは突っ立ったまま両腕を組んで2人気を見ている。


 ……かなたお父さん!!

 

 しかも今年“も”ってことはあれか?コウキくんの前は確か蓮さんが成人式だったはず。


「凜くん、あれ、去年もやってたの?」

「え?うん」


 相変わらずいつもの飴を咥えて、膝を立てソファーの背もたれにもたれ掛かり3人をみている凜くんに近寄る。


「蓮くんの写真ずっと撮ってた。けど今日は激しいね。ねーかなたくん、今日はげしいね?」

「んー?今日はコウの誕生日、そして成人式。撮らないわけにいかなくない?!」

「あーうん。そーだね」

「いいよー、コウ、かっこいい!次可愛い格好よろしく!!」

「こう?」

「そう!!」


 部屋にシャッター音が響く。

 まじお父さん。

 テレビではなかなか見れない姿。これ、ファンの人に売れるだろうな。


 なんて考えてると


「あいつ止まらねえわ」


 未だ身を乗り出している凜くんの横に、蓮さんが近寄りソファーの肘掛け部分に腰を下ろす。

 

「御前ら2人、来年こうなるんだからな」

「あ。」

「えー、オレらも撮られんの?3枚くらいで充分なんだけど。ねえ、花」

「うん、まあ、あんなに連写されんのは困るかな」

「んなこと言ったって、かなたが止まるわけねえだろ。」


 何枚撮るのか、未だにシャッター音は止まらない。コウキくんもよくあんなにポーズあるなってくらい次々と要望に応える。


「雑誌撮影より枚数多いよ?これ」

「確かに」


 蓮さんと凜くんの言葉がハモる。

 私も蓮さんの横、ソファーの背もたれに立ったまま背中を預けもたれかかる。

 

「俺の時も相当撮られたけどコウキは激しさ倍増」

「コウちゃんが誕生日だからでしょー。おめでとー、コウちゃん!」

「ありがと、凜太郎!!」


 コウキくんが笑顔で走って凜くんに抱きつく。

 

 あ、かなたさん、のカメラがこっちに向いた。


「へへ、久しぶりに凜太郎ってコウちゃんに呼ばれたー!」


 ソファーの背もたれを挟み2人が笑いあう。響くシャッター音。

 え。かわい、この2人。と、思ってたら。


「コウキ!こい!誕生日おめでとう」

「れ、蓮くんが手を広げておれを待ってる!!!ありがと!!」


 腕を広げた蓮さんのその中にコウキくんが飛びつく。


「あー!蓮くんがコウちゃん取った!!」

「御前だけのもんじゃねえだろ!なあ、コウキ!」

「もう、おれモテモテ!」


 戯れるアイドル3人。そしてまた響くシャッター音。


「あ!コウ、俺にはないの?それ」


 ふとシャッター音が止まりカメラを床に置いてかなたさんがわざとらしく拗ねる。 


「蓮、交代。コウおいでー!」

「かなたくんっ!!」


 蓮さんの腕から離れ次はかなたさんの腕の中へ。


「あー!!かなたくんずるい!オレ、コウちゃんもっかいオレんとこくて!!」

「コウキーほら、俺んとここい」


 わいわいと話だす。

えー、もう天使しかいなーい。思い切り抱きつく姿、まじあざとい。可愛いしかいえなーい。

 そしてシャッターチャンス。


 

私は母親の如く写真を撮る。シャッター止まらない理由がわかる、めっちゃいいショット!!


可愛いな、こいつら。そして、ほんと仲良しだな。 ん?


 ふと4人がこちらを向いて止まる。


「何?」

「花、御前もコウキにおめでとうは?」

「いわねーの?花つめたーい!」

「俺は花ちゃんとコウの写真も撮りたいけど?」

「え?え?」


 コウキくんは何も言わず可愛い顔をしてじぶんを指差している。

 全く。

 私は床にそっとカメラを置く。


「……みんなが先に言うからタイミング逃したの!コウキくん、誕生日と成人式、おめでとう!!」

「ありがとう、花ちゃん!!」

「う、わ!」


 コウキくんが私に抱きつく。可愛い顔してても背は私よりおおきいから私が抱きしめられてる形になるんだけど……「ありがと!」と嬉しそうな声が降ってくるから顔が緩んでします。


「今日は花に抱きつくの許してあげんね、コウちゃん」

「凜のものじゃないだろ、ねえ、花ちゃん!」

「あー!!コウちゃんまで蓮くんみたいなこと言う!!もう離して!!」

「うるさい、凜!耳が壊れる!!!御前は飴でも舐めてろ!!」


 凜くんは蓮さんに強引に飴を突っ込まれる。

 手と、口に飴持ってんのが似合うのは凜くんくらいだろうな。


「とりあえずカメラカメラ。」


 あ。またシャッター音が。……もー、ほんとばかばかり!! 


「なんだ、この騒ぎは」


 5人以外の声にみんながそちらを向く。

 そこにいたのは神永さん。


「蓮、凜。御前ら仕事。んで、コウキ。御前は成人式。遅刻すんぞ」


 スーツ姿で後頭部をきながらこちらに近寄ってくる。

 今日はこの時点でまだオフだな、神永さん。


「あと、コウキ。誕生日おめでとう」

「神ちゃん!!ありがとう!!!」


 私から離れ神永さんよりも背が低いコウキくんは両手を広げ飛びつくように首に抱きつく。


 この可愛らしさで20歳か。

 

 神永さんといえば、コウキくんの勢いにも微動だにせず携帯画面を凝視する。

 あれは多分、あと何分この場所にいていいかを計算しているんだとおもう。


「蓮、凜、コウキ、御前らはその順で仕事場と成人式会場に送っていく。かなたと花は適当に騒ぎにならないように買い物にでもいけ」

「おお、神ちゃん、敏腕マネージャー」


 見上げるコウキくんを振り払うこともせずに淡々と告げる。

 うむ。いつも通りである。


「じゃあ、みんな揃ったらパーティーしようねコウキくん」

「うん、楽しみにしてる!花ちゃんは相当趣味のいいもの買ってくれる、って期待してるから」

「……ハードル上げないで」


 私の言葉を聞き、神永さんから離れたコウキくんは凜くんと顔を見合わせていたずらっ子のように笑う。全く。


「つうか、神ちゃん。まじそろそろ出なきゃ俺らもコウキも間に合わなくね?」


 蓮さんの言葉に、ふむと頷くと、ぱんと手を叩いた。


「御前ら、支度は出来てんだろうな。行くぞ」

「おう、準備万端!」

「だいじょーぶ!!」

「かえってくるのまっててね!」


 3人が玄関に歩き出し、私たち仕事ない組があとを追う。


「んじゃ、行ってくる!」

「楽しんできてね」


 その言葉に、当然、とコウキくんはまたVサインを送ってくれた。

 そして、4人がいなくなると一気に部屋が静かに。


「さて、花ちゃん。俺らもいこうか。コウのプレゼントを買いに。」


 リビングへと向かいながら私のほうに振り返る。


「はい!って、どうします?電車でいきます??でもかなたさんが電車乗ってると騒ぎになって神永さんに怒られますよね?」


 想像しただけでもパニック起きそう。そしてブチギレる神永さん。爆笑する蓮さんと凜くん、コウキくん。だめだわ。


私の想像に気が付いたのか小さく笑い声が聞こえた。

 

「大丈夫だよ。足はね、ちゃーんと考えておいたよ」

「ん??」


 かなたさんのファンを虜にする、そんな笑顔を見せて携帯でどこかに電話をかけ始める。


 私の頭の上には何個も?マークが浮かんだのだった。

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