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お正月と2人でお出かけ5


「おお、人、多い……」

「これ、ばれない??」

「た、ぶん……」


 私たちは海から移動し、参拝するため芸能の神様が祭られている神社に来ている。

 ……人多いからばれそうで怖い。


「花、あんまり顔あげんなよ?」

「上げないと凜くん見れないんだけど」

「あ。」


 列に並んでるから、進むスピードはゆっくりで、私たちの近くには女性5人くらいの集団がいる。下手すれば私より凜くんがばれてしまいそう。


「!ちょっと、」

「はぐれちゃだめでしょ?」

「ばか」


 こんなとこで手を握られてバレたら……!!


「あ、RAINBOWだ!!」

「!!!」


 2人してびっくりしてばっと手を離す。


「コウキだ、コウキいる!!」

「え、ならあれはかなた?え、まじ?ほんとにいんじゃん!!」

「蓮は?!蓮!!」

「え、なに?撮影?!」


 私たちは顔を見合わせる。そして女性たちの視線を追う。


「……なんで来てんの」

「もう!!なんでいんの、かなたくんたち!!」

「あ、凜くん?!」


 神社にいたのは家にいるはずのみんなの姿。出店でなにか買ったのかそこに用意されてるテーブルと椅子を陣取り何か食べている。


 ずんずんと人をかき分けそちらに向かう凜くんの後を追う。そんな私たちもばれてしまうのは当然でざわざわと騒がれる。

 

「ちょっとなんでいんの!!」

「何してるんです??」


 私たちの声に3人が見つめてくる。


「凜がここに行くって連絡くれたから」

「オレはちゃんと連絡しろっていう、かなたくんの言うこと守ったの!!」

「花ちゃん、食べる??トン汁だって!温まるよ」

「食べる!!」

「花?!」


 私はコウキくんの手からトン汁をもらい、飲み込む。暖かいものが喉を通り寒さが和らぐ。

 器を両手で包むようにして、指先までの暖を取る。

 出汁の良い香りが湯気となって漂っていく。


「御前らもう参拝したのか?」

「まだ」


 ぶすっとした顔してかなたさんの隣に凜くんが座り蓮さんに答える。


「凜が不細工」

「不細工にもなる!!せっかく2人で参拝するこだったのに!!」

「俺たちもまだなんだ、みんなで参拝しようか!」


 かなたさんが甘酒を飲みながら微笑む。


 周りには少し遠巻きだけど人が集まっている。なんでこの人たち来たの。めちゃくちゃ目立ってる。


 なんでメガネすらかけてないの!!ばればれなんだけど?!昨日、ばれて騒ぎになるからってみんなで参拝するの取りやめにしたばかりでしょうが!!


「花、顔不細工。」

「蓮さん、失礼です。」

「楽しかったか?」

「え、あ、はい」

「そうか、よかったな」


 立ってる私を見上げそれだけ言うと甘酒を飲む。……なんだかまっすぐ見れないんだけど、蓮さんの事。


 あ。コウキくんに相談しなければ。


「もうばれちゃったからこのまま参拝しよっか!」

「そうしよう!!」


 かなたさんが甘酒をぐいっと飲みほし提案するとコウキくんが立ち上がる。この人たちほんとにこのまま参拝するの?!聞いたことないんだけど、こんなにばればれなアイドルの参拝。


「んじゃ行くぞ。ぱっぱといって帰ってゲームすんぞ」

「あ、いいね。」


 蓮さんとかなたさんも立ち上がる。凜くんはというとぶすっとした顔はそのままに3人につられて立ち上がる。


「凜くん」

「んー?」


 私は凜くんの横に移動してばれないように服を引っ張る。

 

「また、2人で遊びに行ってくれる?」

「え?うん、もちろん」


 やっと笑顔に戻ってくれた凜くんにつられて私も笑顔になる。

 

 よかった、いつもの凜くんの顔だ!ファンもいるのにいつまでもぶすっとしてたらだめだし、また遊びに行きたいのは私の本音だし。

 

「しかたないから行こうか!」

「うん!みんなで行こう!」


 一応プライベートだからとファンの人たちに写真とか握手とかは断りながら、「これも交流」と参拝の列では周りの人たちとお話をする。

 みんなテレビに出ている時よりも普段に近くてファンの人たちは嬉しそうだ。


「え、お年玉すげーもらったの?いいなー!」

「何買うの?ほしいもの買えたらいいね!」


もともと人懐こい凜くんとコウキくんは小さい子供とかと話してる。

 

「お兄ちゃん、アイドルだろ?俺の娘がファンで顔見たことあるよ」

「そうなんですか?それは嬉しいです」

「甘酒飲むか?おーい、甘酒この兄ちゃんたちにも買ってやれ」

「え、いいんすか?じゃあ、お言葉に甘えて!」


 かなたさんと蓮さんは家族連れのお父さんたちと話して参拝の列に並んでいるのに甘酒をふるまわれている。

 

「RAINBOWめっちゃ優しい!!」

「かっこいい!!」


 周りの評価は上がっているみたいだ。

 こうしてRAINBOWはちゃくちゃくとファンを増やすんだろうな。


「あの!」

「え?あ、はい」


 4人をみてニヤニヤしていただろう私に話しかけてきたのは斜め後ろにいた女の子2人組。……あ、やばい、私アンチファン多かったんだ。 

 みんながいるって事で警戒心薄れてた。




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