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初めてのクリスマスと女性アイドルの恐怖3


リハをなんなくこなして生放送本番が始まった。私も随分となれたものだ。


「RAINBOWはクリスマスの予定はこの番組だけ?」


司会者さんに話を振られる。私たちの歌の出演はすでに終わったのだが、ほかの出演者の舞台チェンジ中の繋ぎトークをするためにテレビ出演中。


「今日ですか?みんなで終わった後パーティーしたいなって話していたんですよ」


 かなたさんがマイクをもち話し出す。


「パーティー。なら唯一女の子の花ちゃんがご飯作ってくれるのかな?」

「いやいやこいつは料理ほとんど作れないですから」


 私が何か言う前に蓮さんに指を指されあきれ顔で話し出す。

 何も全国放送!生で!言わなくたって!


「僕、みんなにプレゼント買ってるんです!」


 あ。テレビ専用コウキくん参上。にっこり笑顔で、ね?と首を傾げれば「コウキ可愛い!」などの言葉が飛び交う。

 ファンの皆さん、この人猫かぶってますよ!!


「え?クリスマスプレゼント交換とかしてんの?RAINBOWは!」

「そうなんです!」


 次は凜太郎くんが話し出す。


「今までは4人でしてたんだけど今年から5人で!オレいつもみんなに歳の数飴あげてるから今年は出費が増えました!」

「え?凜、また飴?!」

「いーじゃん!そんないうなら蓮くんにはあげなーい」

「もらうわ!!」


 蓮さんと凜太郎くんの会話にまたファンから声が飛ぶ。


「花ちゃんは、みんなと初めてのクリスマスだけど、なにか良いものかったの?」

「私は一応買いました!チョコレートを!」

「花ちゃん甘いもの好きだよねー!俺たちも好きだけど!」


 かなたさんが笑いだしほかのメンバーも笑いだす。


「笑わないでください!いいじゃん、もう!!」

「オレはもらってあげるね!」

「ありがとう、凜、太郎くん」


 さすがにまだ生放送で凜くんって呼ぶのは敵を作りかねない。


「お。そろそろスタンバイ完了かな?」


 セットチェンジがおわった舞台では次に歌う歌手がこちらに向かって手をふっている。


「んじゃ。RAINBOWの皆さん、ありがとうございました!」

「ありがとうございました!」


 みんなで深々頭を下げる。


「んじゃ、せーの!」

「RAINBOWから皆さんに!ハッピーメリークリスマス!!」


 5人が声をそろえて手を振ると、そのままカメラは歌手の方に切り替わり私たちの出番は終わった。

 私たちの出番はとりあえず終わり楽屋へと向かう。


「花ちゃん、ほんとにおれたちのプレゼント、チョコだけなの?」

「え、それ以外にもあるよ!!」

「よかった!!」


 コウキくんが大袈裟に胸をなでおろす。


「おれたち個人個人結構いいもの買ってんだよ?よかった!」


 この野郎。さっきのテレビとはずいぶん違う悪い顔のコウキくん。


「オレ楽しみにしてるね!」

「ちょ、凜くん!!」

 

 背中に重みを感じる。なんで凜太郎くんはよく私の背に乗るのか!!抱き着かれて剥がそうにも力じゃ勝てないし重い!!


「重い!」

「……ダメ?」


 いつものふざけた様子とはちがう、低い声が耳にダイレクトに響く。


「……その声だめ、だめー!!」

「ドキドキする?」

「凜いい加減にしろ!」

「いったい!!」


 あ、今なんか背中に衝撃が。背中が軽くなったと振り返れば凜太郎くんが頭を抑えている。


「蓮くんのバカ!DVだ、DV!」

「んだと、こら!その口引っ張ってタラコのようにしてやろうか!」

「ごめんなさい」

「はい、とりあえず楽屋入ろうか、俺たちの出番が終わったら銀さんたちがケーキもってくるって言ってたし!」


 かなたさんが蓮さん、凜太郎くんを無視して楽屋の扉を開けてくれた。l


「さ、アホ2人はほおっておいて、いこ花ちゃん!」

「うん!」


 コウキくんに誘われて思いきり頷くと、「花!ひどい!」「なんで俺まで無視すんだ!」と、凜太郎くんと蓮さんから声が飛んでくる。

 ホント毎日楽しいメンバー。なんて思いながら、みんな楽屋に入ろうとしたんだけど……


「あの、雨光さん」


 見覚えのあるアイドル、近藤あきのさんが声をかけてきた。

 8人グループでセンターで踊り歌っている人で、ショートカットで色気がある。私より一つ年上で20歳になったばかりのはず。コウキくんと同じ歳だったもん。


 え?……私この人と話したことないんだけど。


「な、んでしょう」


 どもってしまった。恥ずかしい。


「あのさ、ちょっと話、いいかな?」


 にっこり微笑まれれば色気がさらに際立つ。私が髪切ったってこの色気はでない。むしろどうやって色気って出すのだろう。


「いいかな、雨光さん借りて」


 近藤さんは凜太郎くんを見上げる。


「え、あ、多分?え、いいの?花貸しても」

「まあ、いいんじゃない?」


 コウキくんが凜太郎くんに答える。


「……早めに返してな?コイツの事」


 蓮さんがちらと私を見て近藤さんに告げる。その言葉に「もちろん」とまた微笑む。

 アイドルって笑顔がみんな可愛いのか。見習わなければ。


「あちらで話しましょう」

「あ、はい」


 私は小さくみんなに手を振り近藤さんの後ろを歩く。なんの用なんだろう。



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