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金平糖とプレゼント5


「お前……」

「はあ、っ、花返して、天くん」

「なんでここに。ちゅうか、よく見つけたな」


 ダテメガネを付けなおし帽子を被りなおす天さんといまだ私の口を塞いで肩で息をし犬のように敵意むき出しの凜太郎くん。

 

「まだデートは終わってへんし、凜のないやろ」

「オレのじゃ、ないけど、嫌だ」

「子供やな」


 まって、まって!ここショッピングモール!騒いでもしばれたら!!

 がっしりホールドされていて話せないし後ろをふり向けないけど凜太郎くんだよね、これ。天さん言ってるし。

 

「花……」


 ぎゅっと回された腕に力がこもる。

 ……なんかたくさん私の事思ってくれてるのかな?そう思ったらなんかもう、ほんと……アホだなあ!


「凜、花ちゃん返して。ちゅうか、1人?」

「まさか。こんなとこにオレが1人で来られると思う?」

「あ。……自分らどんだけ過保護やねん!!」

「そろそろ返してもらいますよ、天さん。明日俺ら仕事なんすよ」


 この声、蓮さん!?姫奈は?!あれ?何故ここに!!


「このバカ、走んな!先にいくなよ!」

「はあ、これ以上騒いだらバレるなあ」


 あれ?コウキくん?とかなたさんの声?!


「みんな来よった……」


 天さんが顔を抑え肩を落とす。

 あ、やっぱりみんな来たんだ。……こればれたらやばい?いや、天さんと2人よりはいのか。

 

「もう時間も遅いし返してもらいますよ、天さん」

「花ちゃん荷物は?って、いい加減離してやれ、凜」

「あ。ごめん」


 かなたさんの言葉にやっと私の口から手が離れた。肺いっぱいに空気を吸い込み振り向く。そこにはやはり見知った4人。

 って、ポスターを後ろに変装した4人が立ってるのも変な感じ。

 

「何してるんですか?みなさん」

「花ちゃん迎えにきたんだよー!」


 コウキくんが私の手を掴んで笑う。


「迎えにって、なんで……」

「まだまだ買い物する予定だったのにひどいわ、みんな!」


 なあ、と天さんが私の横に立つ。一応銀さんのクリスマスプレゼントは買えたし、私もほしいものは買えたけど……


「過保護すぎるんもどうなん?」

「天さんだって、意外と銀さんには過保護でしょう」

「んなわけある……あるわ」


 え、DOT仲良し!!!あ、そんなこと思ってる場合じゃない。


「とりあえず、ここで騒いだらそろそろまずい。」


 確かに変装してるにしても背も高いし、かっこいい男性が5人もいたら注目はあびる。


「ったく、せっかく花ちゃんになんか買うたろ思っとたのに」

「そうなんですか?!」

「服なんてええかなって!それ着てクリスマスデートとか!」

「絶対いかせねーもん」

「とりあえず、早くいくぞ」

 

 私たち6人は駐車場へと足早に移動した。

 

 駐車場についた私たちはとりあえず天さんの車の近くに来た。駐車場は室内と違って人通りは極端に少ない。


「中入れてよ、天くん!」

「やだ、オレと花ちゃんのデート邪魔したのに入れへんわ!!」

「けちー!」

「まだ22時やで?もうちょっとええやん」

「いったでしょ、俺ら明日仕事なんすよ」

「蓮、姫奈ちゃんとデートやなかったんか」

「仕事の前の日ははやく帰るんすよ、俺。真面目なんで」


 明日は朝からお仕事が入ってる。たしか明日天さんも仕事だったような気がする。

 けど、ほんとあれだな。みんな駐車場だからってメガネとか取ってるけどやっぱり、ポスターとかよりこっちのほうがいい!

 

「花何笑ってんの?」

「え?」

「そうやで?なんで笑ってん」

「笑ってました?」

「笑ってた!!」


 天さんと凜太郎くんの声がハモる。

 RAINBOWに入らなければこんな姿も見れなかっただろう。


「さ、ほんとにかえるよ?」

「え?ほんまに?!」


 かなたさんの声に天さんがあせる。あ、本当に私迎えに来たのかこの人たち。


「私はこの先おちおちデートもできませんね」

「花ちゃんは可愛い末っ子だからね」


 かなたさんが私の頭を撫でる。


「オレとならいーよ!」

「凜だと余計心配」

「凜やったらオレの方が安全」

「2人とも信用なりません」


 コウキくんの言葉に笑いだす蓮さんとかなたさん。


「はあ。まあ、しゃあない。今回はこんくらいで許したる。花ちゃん、またデートしてな!口説きそこなったし!」

「オレのって言ってんじゃん!!」

「まだ凜のもんやない!!」


 言い争う2人。あの、私の意思は?意見は?

 はい、これ。と私の荷物を差し出すとかなたさんが受け取ってくれる。


「帰るか、花」

「あ、はい、蓮さん」

「はーなちゃん、ばいばい!また連絡するわ」

「天さん、ありがとうございました!」


 いつもの笑顔で私に手を振ってくれる天さんに頭を下げて私は凜太郎くんを引っ張り先を行くみんなの後を追った。



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