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甘いチョコと新たな仕事6


「でも花ちゃんは天さんとならちょっとくらい何かあってもいいんでしょ?」

「うん!」

「花!!」

「コウキ、面白半分で凜煽んな、いい加減うるせえ!!」

「あーもう、コウはほんと意地悪だなあ」


 騒がしい楽屋。ほんと。

 

 4人は話している、さっきまで話の中心にいた私は話がふられない事をいいことにチョコに手を伸ばす。

 あ、このチョコおいしい、家にも持って帰っていいかな?みんな食べるよね?


 鞄から袋を取り出しチョコを入れ始める。チョコってホント幸せだよねえ。あると気分が高まる!と、楽しく詰め放題の如くいれていると、


「凜、花ちゃん、好きなの??」


 ん?今、なんと??

 コウキくんの声で……凜太郎くんが?私?え??

 

「花」


 凜太郎くんの優しい呼びかけに、自分がロボットにでもなったかのようにぎこちなくそちらを向く。私今顔赤かったりしてないよね、大丈夫だよね?!

 

「な、に?」

「花、オレ……」


 あ、やっぱり真面目な顔は凜太郎くん、かっこいいな。RAINBOW顔面偏差値高い。って、そんなこと考えるんじゃなくて……


「だから、なに……」

「オレ、花の事好きなのかな??」

「は?」


 本気で聞いているようにしか見えない凜太郎くんの顔。そんなの、そんなもん……


「私が知るわけないでしょう!!なんなの?!」

「あ、花ちゃん怒った」


 あれか?コウキくんのいつもの意地悪に凜太郎くんにがのった感じか、そうか、そうなのか!!


「かなたさん、蓮さん、帰るよ!!」

「え?!おれは?!」

「わ、ちょ、ごめん花!!ごめんって!!」


 立ち上がった私の腕を掴む、しゅんとしている大型犬。

 

「……本気で悪いと思ってる?」

「うん、うん、もちろん!!」

「……今度オムライス作って?」

「え?それでいいの?」

「いーよ。おいしいから、あれ」


凜太郎くんが唯一作れるらしいオムライス。自分の大好きな料理だからってたくさん作ってたら極めたらしく、オムライスだけはたまにみんなに作ってくれる。

私はあのオムライスが大好き。


凜太郎くんは「任せろ!いつがいい??」と楽しそうにいつもの笑顔で聞いてくる。


私は……しゅんとしている凜太郎くんに弱いらしい。そして、今のあの楽しそうな顔を見ると私まで笑ってしまうらしい。


「もう怒ってない?」

「うん。約束守ってくれるなら!」

「守る!」


 胸をなでおろすような仕草をして凜太郎くんも立ち上がる。


「かえろっか。」

「おう、かえろ、花」

「チョコ持ったか?」

「さっき、花ちゃんが詰めてたよ」


4人で歩き出す。


「ちょ、おれ、おれ忘れてる!!」


コウキくんが私たちに近寄る。

いつも意地悪なコウキくんには何してもらおうかな。


「コウキくん、反省してる?」

「え?何を?」


 しらばっくれてもダメです。私はわかってんだから!


「……反省、してるの?」

「え?あ、花ちゃん苛めてる事?」

「そう!それ!!

「もちろん!!!」


 ぶんぶんと首を縦に振る。

 まったく。でもまあ、コウキくんが蓮さんの事気を使ってくれて話聞いてくれて気持ちが軽くもなるから……仕方ない。


「おいしい生絞りジュース入れてくれたら許す」

「それでいいの?」

「おいしいから、あれも。」


 コウキくんはよくジュースを作ってくれる。みんなの好きなフルーツで、好きな味で。あれ好きなんだもん。


「花ちゃんの為に作るよ」


 おれも帰る!!とコウキくんも加わり5人で帰路につく。

 

 さて帰ったら、オムライス食べてジュース飲んで台本読まなきゃな。 



◇◇◇

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