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甘いチョコと新たな仕事4



「花さん」

「あ、神永さん」

「……非常に甘い匂いが……」

  

 神永さんが、紙をもって私たちの楽屋に来たんだけど、甘い匂いに眉間に皺が寄る。


「神ちゃん、甘いものだめだもんね?」


 かなたさんをみて神永さんは何度か頷くも、小さく咳払いをして私と蓮さんの前に紙の束を置いた。


「花、何それ?」

「なんだろ……」


 凜太郎くんが興味津々で私の後ろへと移動し、それをみたコウキくんもこちらに近寄ってきた。


「なにこれ?」

「台本です」

「台本?」


 台本ってよくきく、ドラマとかのあれですか?

 貸してと凜太郎くんが私の手からそれをとりぱらぱらとめくる。


「ん?蓮くんにもあるってことは蓮くんと花ちゃんがでるの?」

「そうですよ」

「まじ?」


 神永さんはコウキくんの質問に答えながら机のチョコを退けて1枚の紙をそこに置く。

 全員でその紙を覗き込む。


「あ。2夜連続の2時間ドラマ?」

「はい。監督さんはこの前MVを撮ってくださった人ですよ」


 ああ、あの時の。私に意外な才能がある、と錯覚すらしてしまうくらい演技褒めてくれた方!


「出ますか?蓮、花さん」

「まあ、受けた話は基本断んねえから。花も初めてのドラマだけど俺いるからいいだろ。出ようぜ」


 まだ、台本の中身すら見てないのに蓮さんはすぐさまOKを出す。即決。かっこいい。


「私もでてみたいです。蓮さんもいるし、少しは不安も紛れますし」

「そう。ならOKしてくる」


 私をみて軽く微笑んで神永さんは楽屋から出る。

 残った5人で台本や紙を見る。


「え?これ、天さんでんの?」

「てか、蓮くん、姫奈ちゃんもでるよ?これ」


 出演者を指でさされれば、推しの名と今ちょっと会いたくない姫奈の名前。


「……オレも出る!!」

「はあ?」


 机に読んでいた台本を置き呟く凜太郎くん。

 

「天くんの女好きの毒牙が花に降りかかったらどーすんの!!」

「毒牙って」

「無理だよ、凜。連ドラでもあるまいし、ゲスト出演ってのもないだろうし。」

「かなたくんはいいの?!花が天くんの毒牙にかかっても!!」


 わーわー言ってる凜太郎くんたちを横目に私はじっと紙を見つめる。

 そこには、簡単なドラマの内容が書かれてた。


 『昔の彼氏と再会しました』そんなタイトル。

 

えーっと? ふんふん。内容を読む。

翔太(蓮さん)と美紀(私)は付き合ってます、ある日、翔太の前から姿を消していた昔の彼女、沙織(姫奈)が翔太の友達、祐二(天さん)と一緒にあらわれて……


うん。つまり簡単に言うとこのドラマ……


私、蓮さんと恋人の訳ができるってことね!!そして、のちに姫奈がいいんだと言われ振られて身を引く。

 あ、ドラマまで私の心をえぐるのか。 

 

  せめてもの救いは私の推しがいる事と嘘でも蓮さんと恋人気分を味わえること……?




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