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甘いチョコと新たな仕事3



 かなたさん、蓮さんとの撮影も終わり、5人でのCM撮影もあとこのカットで終わり。

 先ほど機嫌が悪そうだった凜太郎くんも蓮さんとじゃれたりといつもの仲のいいRAINBOWの光景になっていた。


「はいOKです!」

「おつかれさまです」

 

 お疲れ様、など言葉が飛び交う。私たちは、もうチョコ全部食べていいよ、とお許しをもらったので5人で山盛りのチョコめがけて楽屋に飛んで行った。


「幸せ」

「この後仕事なくてよかったー」


 RAINBOWの楽屋は5人一緒で広い。広いのに5人で机を囲みいろんなチョコを食べる。隣に蓮さんその横にかなたさん、前に凜太郎くん、コウキくん。

 

「凜太郎くん、ほんとおいしそうに食べるよね」

「凜はなんでもうまそうじゃねえか」

「確かに」


 4人で凜太郎くんを見て笑ってると、にゅっと私の前にチョコをもった手が。

 横から手が来たってことはこの手は蓮さんの手。そちらを見れば蓮さんが肘をついたままこちらを見ていた。


「花、これ食った?うまい」

「え、そんなチョコありました??」


 蓮さんの手には、一口サイズもチョコ。


「あった、埋もれてた。食う?」

「食べる!!」

「ん」

「え?あの」


 蓮さんの手が私の口元に。こ、これはもしや、蓮さんの手から食べろと??

 どうしたらいいかわからずチョコと蓮さんの顔を交互に見つめる。


「食っていいよ?御前、その手じゃこれ持てないだろ?なんで両手にチョコもってんの?おもしれ」

「こ、これは!!おいしかった奴だから後にとっておこうと……」


 確かに私の両手にはチョコが乗っている。先ほど食べていたやつと後から食べようとしたやつ。めちゃくちゃ笑ってる、恥ずかし。

 

「光栄に思えよ?俺が食べさせてやんだからよ」

「え、えらそうですね、とても」

「うるせえな。食わねえなら食うぞ」

「ああっ!食べます!!」


 手が離れていくのを感じ思わず腕を絡めて食べてしまう。なんて事を!と思ったけど


「これ、うま!!」


そんな思いはすぐ消えた、うまい、このチョコおいしい。幸せ。 

 

「だろ?だから言ったんだよ。あ。ったく御前が食うの遅えから俺の指に付いたじゃねえか。」


 指についたチョコを舐める蓮さん。あの、私その指多分噛んだと思います……


「なんだよ」


 じっとみてると蓮さんが不思議そうに私を見る。


「あの……指」

「あ?」

「私、その指からチョコ食べましたけど……」

「だから何?……ああ、俺と御前関節キスだな」

「アホなこと言わないでください!」


 思わず照れて顔を腕で隠す。そんな恥ずかしいことをそんなかっこいい顔で言わないでよ!!


「アホだと、こら?」

「関節キスね。んじゃ、俺も食べさせてあげようか?花ちゃん」


 え?と声の方を向くとかなたさんが微笑んでいる。


「関節キスする?」

「……やめてください、かなたさんも自分がかっこいいと自覚してて言ってますよね?!」

「え?なら、おれとしようか?」

「コウキくんまで!!もう、やめて!!照れる!!」


 どうにかこうにか、場を盛り上げるために話し続ける。蓮さんにばれちゃいけない。

 この気持ちはばれるわけにはいかないんです!!


「あれ?凜?」


 かなたさんの声に凜太郎くんに目をやる。

 凜太郎くんは黙々とチョコを食べている。


「珍しいね、凜が話に入ってこないの。どうした?体調悪いのか?」

「凜、腹でもいてえのか?」


 年上組が末っ子を心配そうに見つめる。


「んーん、別にどこも痛くない。」


 ふるふると力なく頭を振る凜太郎くん。ほんとに具合悪いのかな?


「大丈夫?凜太郎くん」

「ん?大丈夫だよ。あー……なんか、なんとなく頭いたいかなーって思ったけど気のせいだった!!オレへーき!たべよ?花、それオレにも食わせて!」


 さっきまでとは違って明るく私に話しかけてくる。


「御前、調子悪かったらすぐ言えよ?」

「凜、無理するならもうチョコ食べんの終わりにさせるよ?」

「痛い時に痛いっていうの!このバカ凜!!」


 3人に怒られて、しゅんとしょぼくれる。耳としっぽが下がってる犬に見えるのは気のせいなんだろうか。


「やっぱり凜太郎くんはかっこいいより、可愛いだね」

「えー!!嫌だ!!」

 

 凜太郎くんがいつもの調子に戻ったのがわかりみんながほっとしたのが伝わってくる。

 よかった、凜太郎くんに何もなくて。


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