MVとド緊張の初演技2
「ねえ花、オレと一緒にクイズ番組でる?」
「凜太郎くんと?」
そういえば凜太郎くんは、クイズ番組のレギュラーを持っている。前見たことあるけど司会とのやり取りも面白く意外とかしこい。けどたまに素っ頓狂な答えをいって拗ねたりと、等身大でテレビに映っていた。
「おれとドラマでもいいよ?おれ主役だから、花ちゃんゲストでどう??」
「いや、私演技は……それにコウキくん、わらいそうじゃん?間違えたら」
「あ、ばれちゃった!」
えへっなんて、いって首を傾げるコウキくん。あざとい、可愛い。
確かにもうすぐ主役でドラマ撮るんだーなんて言ってたけど、素人がいきなり無理!勉強しないと!!
「んじゃ、俺とトーク番組でる?」
「あの、まったく話せる気がしません」
「そ?慣れだよ、慣れ」
かなたさんの笑い声が聞こえる。
慣れか……慣れるまではまた余計なこと言いそうで、修行が必要なきがする。
「なんならいーの?」
「何ならって……もうなんか、何がいいとかじゃなくて、片っ端からやっていって慣れるしかないなって思う。」
「んじゃ、俺とロケ行く??」
「うわ、蓮さん、帰ってたんですか?!」
急に声がし、そちらに振り向くと冷蔵庫を物色している蓮さんの姿。
「蓮さん、ただいまって言った?」
「言った。御前らが気づかなかったんだろ?」
コウキくんの問いにまったくとぶつぶついいながら答え、冷蔵庫から出したカフェオレをぐいっと飲む。意外と甘党なんだよね、蓮さん。
男前で口悪いのに笑った顔可愛くて甘党。これのギャップに女性はやられているんだろう。
ていうか、このメンバーギャップ、ありまくり。個性爆発しすぎ、スペック盛りすぎ、ハイスペック。
「つうか花、御前の初仕事、新曲のミュージックビデオ撮影だってよ」
「え?!」
し、新曲?ミュージックビデオ撮影?!
「ハードル高い仕事来た!!!」
「蓮くん蓮くん!あの今練習してるやつ??だよね、新曲って!」
「そ。さっき神ちゃんにあったらみんなに伝えといてくれって」
私たちの前に座り、机に合ったお菓子を蓮さんは食べ始める。
最近練習している、ダンス、歌がまさか新曲だったとは!!
「ていうか、楽しそうだね、凜太郎くん」
「え?だってMVだよ?!野外とかだったら、どっかいって遊べるじゃん!!」
「凜は元気だねー、お子ちゃまだねー?」
「コウちゃんと歳一歳しか違わねえじゃん!!」
末っ子組が言い争ってるいつもの光景を横目に、かなたさんと蓮さんを見る。
「蓮さん、どんなMVとか知ってます??」
「え?もちろん。全部聞いてきた」
「どんなのー?」
かなたさんも気になるのか前のめり。
「それは……」
ちょいちょいと、手招きされ私たちは蓮さん近寄る。
小声で耳打ちされ、時が止まる。
「……え?」
「あらら固まっちゃった。花ちゃーん?これもお仕事ですよー?」
「がんばれよ、映像ってのは一生残るからよ」
「おれすっごく楽しみにしてんね?」
「えー、花とか。……しかたない。がんばってー??」
楽しそうに話す4人。
一人頭を抱える私。
「は、恥ずかしい、無理です!!!無理!!!できる気がしません!!!」
「ファイト―」
4人の気の抜ける応援。
本気でできるきがしません!!
でも、やるけどね、やりますよ、“仕事”だから!!!




