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神龍は世界を見守る(仮)  作者: Y・U
世界編
93/97

魔剣 ②

遅くなりました

ピッキが聞かせてくれとせがむのでエドルドは渋々話し始めた。


「あれはまだ俺が世界を旅に出てから数年目の事だったな」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

約12年前


「こんなもんか、、、」


その頃のエドルドはただひたすらに剣を打ち続けていた。そして仕事が一段落した時にある客が借りていた鍛冶場に訪れてきた。


「こんにちは」


そう挨拶を下のは若く見ても50代と言った中年だが

顔は整ったいいおじ様風格だった。


「おう、いらっしゃい。剣を見にきたのか?」


「見ると言うのは語弊かもしれませんが、自分の使っていた剣が折れてしまったものですから、新しく打ってくれる人は居ないかと探しているのです」


「ほぉ?金さえあれば同等の物は作ってやるぜ」


おじ様は渋い顔をして言った。


「まぁ、この剣を見て下さい。。」


そう言って鞘から折れた剣を抜きエドルドに見せてきた。そしてエドルドは絶句した。


「これは、、、バルドン作の傑作じゃないか。初めて見たぜ、、」


バルドン、ドワーフ族で鍛冶を生業としているが、ある剣を作ると有名で腕の立つ鍛冶師だ。


「ええ、値段はそれなりに掛かりましたが何とか作って貰えたのですが、それはもう40年も前の事。実践で使い続けていれば手入れをしてもどうしてもこうなってしまいました」


「確かに手入れはされている。これは剣の寿命だなしかも()()ときた」


「そうなのです、作ってもらう時にも魔剣は強い分手入れは必須であり、寿命も短いと忠告を受けました」


「しかし魔剣で40年も持ったか。剣も本望だろう」


魔剣は魔力を通し剣独自の属性を纏わせて使う。その為魔力回路に負荷がかかり平均寿命は10年と言われている。


「ええ、それでもまだ私は引退する訳には行かないのです。しかしどこに行っても魔剣は無理だと突っぱねられるのです」


「バルドンの傑作を真似るなんてそこらの鍛冶師では無理だろうな」


「はい、だからバルドンの()()の貴方なら作れるかと、、」


「なぜ師匠の所に行かない?」


「バルドンさんは今行方は不明です、また旅に行かれたのでしょう」



「そうか、、、、結論を言えば今はまだ作れない。。」


「そうですか、、失礼しまし「まて!」た」


「?、どうかしましたか?」


「作れないと言うのは腕じゃない材料がないんだ。師匠は自分で採掘して魔剣を作るが場所は教えて貰えて無いんだ」


「そうなんですか、、、鉱石はどれ程のもので作れますか?」


「今の俺だとソルド鉱石で作れるだろう」


「ソルド鉱石ですか、、、何とかします。10日頂け無いでしょうか、、」


「俺はもう6日後には出る予定だが。手入れを見て気に入った!10日待ってやろう」


「ありがとうございます!」


そして10日が経ちもう店をしまう所だった。


「、、やはり10日は無理だったか、、」


しかし数分後あのおじ様が来たのだ。


「エドルドさん!これで行けますか!」


そう言って渡してきたのはソルド鉱石、、ではなく

"オリバー鉱石"だった。オリバー鉱石は月の鉱石と言われる程希少度が高くソルド鉱石と引けを取らない鉱石だ。


「オリバー鉱石か。よし、いいだろう魔剣を打ってやる。7日くれ。それと、俺が魔剣を打てることは誰にも言うな。これが条件だ」


「理由はわかりませんが、承知しました。この"ギルバート"秘密は守ると誓いましょう」


その名前を聞いたエドルドは目を丸くして驚いたが「ふっ」と笑って鍛冶場へ向かった。


ギルバート:この時代で1、2を争うSランクの持ち主

本日もありがとうございました!

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