92 魔剣 ①
遅くなり申し訳ない。
ドワーフ族、炭鉱を愛し、鍛冶を愛する一族。
そんなドワーフ族のエドルドが鉱石を掘っていた。
"カキーン!カキーン!"
「お!良いもんまだ出るじゃねぇか!ここの鉱石は星4ってとこだな!わはは!」
採れた鉱石に星をつけて笑っていると、弟子のピッキが叫んできた。
「エドルド師匠ー!そろそろ戻ってご飯にしましょう!」
「おー、もうそんな時間か!わかった、戻ろう!」
エドルドは沢山採掘した鉱石を持ってきていたカゴいっぱいに詰め、背負って洞窟を出ていった。
「師匠!聞こえてんですが星4が採れたんですか?!」
「おう、採れたぜ。ここはまだまだいい鉱石が採れるみたいだ。こんなに近い所にあったならもっと早くに来るべきだったな!」
エドルドとピッキは数年前に出会い、師弟の関係になったのだ。それから二人は鉱石を求め洞窟を転々と回っていたが家の近くに洞窟がある事を知らずに過ごしていたのだ。
「灯台もと暗し、ですね!」
「なんだそりゃ?どこの言葉だピッキ」
「なんでも東の国のことわざ?らしいですよ。遠くは照らし分かっていても真下は照らさずわからないから、近くにあっても気付かない事も有るって事らしいです」
「へぇ、そんな言葉が、、って。おめぇはそれを覚えるより鉱石を覚えろよ!」
「へ、へい!」
そんな話をしているうちに家が近くに迫り目で見えるようになっていた。
「ん?だれだ?」
家の前には一人の人族の男が立っていた。その男はエドルドを見ると近寄ってきた。
「エドルドさん、ですよね?」
「ああ、そうだが。お前は何もんだ?剣なら下ろしてる場所があるからそっちに行きな」
「申し遅れました。私は冒険者ギルドの副ギルドマスターを務めさせて貰っています、ビドルと申します」
「へぇ、で副ギルマスが何の用だ?自分の剣か?レイピアか?金は貰うが作ってやろう」
「いえいえ、お話を聞いて貰って、もし作れるのなら、作って頂きたいのです」
「ほう、それは興味深い。なんだ?過程話はいらん、結論からはなせ」
「わかりました。単刀直入に言わしてもらいますと。"魔剣か聖剣"を作って頂きたいのです」
魔剣と聖剣その単語を聞くとエドルドの顔が変わった。
「、、、誰から聞いたかは知らんが。こちらも結論から言わせて貰おう。作れる事は作れるが、素材が足りん。"あれ"を作るのには自分で定めた星8以上の鉱石はいる」
興奮してピッキが割り込んできた。
「し、師匠それはもしかして"ソルド鉱石"ですか?!」
「ああ、あれがあればいいものは作れるだろう」
「、、、ソルド鉱石、、ですねわかりました。お時間を頂きありがとうございました。次に現れる時は持ってきた時ですのでお願いします。では」
そう言って歩き出し、すぐに見えなくなった。
「し、師匠!魔剣の話!聞かせてください!」
「あ、ああ」
本日もありがとうございました




