91 夢
土曜になり申し訳ない。
「ここは、、どこでしょう?」
ヒスイは青々とした森の中に一人立っていた。
「私は、、、寝ているのでしょうか?では夢の中?」
大精霊が夢を見る事はそうそうにない。もし見るとしたならば、予知または過去の事だ。
「とりあえず歩いてみましょうか」
ヒスイは夢だと断定して森の中を歩いていった。
「なんだか懐かしい気がする所ですね」
その懐かしさを胸に更に森の奥へと歩いて行った。
「あれは、、、」
見えたのは楽しそうに遊んでいる妖精族の子供達だった。その属性は火・水・風・電・土と言った基本属性の揃ったグループだった。
火「ふふふ、追いついてみなよ~」
土「ま、待ってくださいよ~」
水「追いかけっこ何だから待つわけ無いだろ!」
雷「そうですよ、早く追いついてくださいまし」
風「ええ、早く追いついてください」
と言った具合に鬼が水の子で他の子が追いかけていると言うシチュエーションでとても微笑ましい光景だった。
「私も、、あの様な時代があったのかしら、、、」
大精霊になる際に記憶は消えている。しかし後悔は一切していない。大精霊になる前、名も知らぬ神との契約で縛られている事もあるが、今の生活、仕えているカグツチに満足しているのだ。
「!あれは、、」
子供達が光出したのだ。そう上位種族への進化だ。
進化した後の体は子供から大人へ大きく変化していた。
「珍しいところを見たものですね」
進化を見届けた瞬間。現実に引き戻された。
「どうしたの?ヒスイそんな急に起き上がって」
ねぼすけのカグツチが珍しく早く起きていた。
「いえ、、懐かしいような夢を見ていた、、のかも知れません」
「ふーん」
カグツチは興味が無さそうに返事を返した。
ヒスイもあの子達を、夢を次第に忘れるだろうが今だけは自分だと肯定して懐かしいと感じていた。
本当もありがとうございました!