85 魔王 ④
遅くなりましたすいません
「ここは、、魔王城近くの森か」
カグツチは着いた場所を確認すると異空間に飛ばされる前の場所に向かった。
「はぁ、時間かかっちゃたなぁ」
カグツチはそうは言うものの帰ってくるのに数十分しかかかっていない。
「みんなも来るみたいだし早くしようかな」
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side 魔王
「はぁ、はぁ、、おい!これであいつは帰ってこないんだろうな!」
魔王は誰もいない空間に大声で叫んだ。しかし話しかけたであろう人物は一切出てこない。
「おい!聞いているのか!魔力とお前に貰った力はほとんど無くなったぞ!」
すると魔王の真後ろから声が聞こえた。
「サンプルご苦労、、、さらばだ、、、」
魔王は振り返るがもうそこには誰にも居ない。最初から居なかった様に静まり返った空間だけが存在していた。
「なっ、、、ふざけるな!これで命は守れると言ったのはお前だぞ!」
返事は当然かのように帰ってこない。魔王は四つん這いに倒れ込んだ。魔力が無いことも関係していたが自分の命が消えようとしている事が分かるのだ。
「くそ、、、、、」
side end
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side ?
「ふふふふ、いい実験が出来た。このタイミングで魔族を殲滅するなど都合が良すぎだ。ふははは」
謎の男はそう言いながら自分が渡した力の痕跡を跡形も残らず消して行った。その時は終始笑っていたという。
「ではな」
男は魔力で転移をした。
side end
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場面は戻りカグツチ
カグツチは元の場所に戻ったが居ないことに気づき、敵の裏の事を調べる為、魔王に会うため、魔王城に体を少し小さくして入っていった。
「なっ、、、なぜ何も残っていない。あの魔法の痕跡を全て消したと言うのか?この地上で?」
神界ならば神力を消すのは容易いが下界での消す事は水が入ったバケツの上に溶けかかった一つの氷を箸で掴む程難しい事だ。
「なかなか手強いな」
そう言いながら魔王から出る微かな魔力を伝い魔王の元までたどり着いた。そして倒れている魔王に語りかけた。
「おい、お前の裏で動いているのは誰だ」
「、、、知るか、、殺せ、、、、」
その様子からカグツチは嘘を着いていない事が分かった。
「ではな」
"ファイア"
[殆どの人族が使える最下級の魔法]
そんな魔法でもカグツチが使えば下級でも中級位になる。魔力が無くなっていた魔王はそんな攻撃に耐えられるはずも無く消えた。
「これは、、面倒な事になりそうだ、、」
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