80 魔族の侵略
遅くなりました。
カグツチの巣近郊の森
「はぁはぁはぁはぁ」
ある一人の男の人族がカグツチの巣を目指してこの危険な森の中を走っていた。
「どこだ、どこにあるんだ! っ!」
木々の上からプテラノドンのような翼竜が襲いかかってきた。
「ギャーーーーーー!」
「くそ!俺は死ねないんだ! "剣技:スラスト"」
男は剣を抜き剣技を発動させて翼竜の嘴を削る事が出来た。
「嘘だろ!頭に当たってんのになんで滑って嘴なんだよ!しかも切れないっておかしいだろ!」
そんな事を言っても魔物は待ってくれないので口を大きく開けて男を食おうとした。
「ここまでか、、、、」
男は剣を下ろし諦めた。しかし死ねなかった。
「貴様、ここで何をしている?」
空からそう話しかけられた。
「っっっっっ!」
空から来たのはカグツチ本人だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
数分前
カグツチは寝ていた首を上げた。
「どうされましたか?カグツチ様」
「森に人族が入り込んでいる」
「それは、、、始末されますか?」
「いや、いいよ。なんか急いでるみたいだし。一度聞いてみようか」
「よろしいのですか?」
「たまには違うこともするもんさ」
「そうですか、では行きましょう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
時は戻る
「し、神龍様、、」
翼竜はカグツチが話しかけた時、一瞬でどこかへ逃げ去っていた。
「もう一度問う、貴様はここへ何をしに来た」
男は土下座をして言った。
「神龍様の領地へ足へ踏み入れ申し訳ありません!私は魔族に占領された村の生き残りでございます」
「ほう、それで?」
「私は出稼ぎに出ており生き残りました、しかし家族は全員殺されました」
「それで?」
「はい、まずは、救って頂きありがとうございました。二つ目が今ここから遠い国の王都に一瞬で魔族が現れ人々を殺しています。私はそれをお伝えするためにここへ来ました」
「ほう、良い情報だ。感謝する。巣へと迎え入れたい所だが私の巣は人族では近づくことすら出来まい。そこでお前を元いた場所へ安全に送り届けよう」
「よ、よろしいのですか?!あ、ありがとうございます!」
「よし、では行くぞ。お前がいたのはどこの国だ?」
「エルガフでございます」
「その国ならば知っておるでは、眠れ」
カグツチは初級魔法"スリープ"を使って眠らせて手で掴みエルガフの門の前まで運び門番に伝えた。
"この者は役目を果たした。情報提供感謝する"
と。それだけ言うと飛び立った。
「ヒスイ、今すぐに全員と繋げてくれ」
「はい、了解しました」
本日もありがとうございました。