63 トールの引越し ①
ある日のトール達は引越しの場所探しに奔走していた。
「全然ねぇなぁ!俺の気に入る所は!」
トール達は朝から探し始めてもう昼が終わりそうな時間になっていた。
「それは、トール様の理想が高すぎますわ!ですが、そう長い距離を今の場所から離れる事は他の神龍様方達とのバランスが崩れる事になりかねますので忘れないで下さいませ」
「厳しい事言うねぇ、でもあいつらに迷惑かける訳には行かねぇからなぁ」
そう言いつつもどんどんと飛んで行った。
ー二時間後ー
「で?なんでここに来るのさ」
「いやぁ、ここは暑いなぁ!でも整備されていい感じじゃん!」
「話を逸らさないでよ」
トールは探しても納得する場所が見つからなかったのでカグツチの寝床近くに来ていたので寄ったのである。
「なぁ、カグツチ」
「なに?」
「いい場所知らない?」
「知らないよ!て言うかあの場所気に入ってたんじゃないの?」
「あぁ、あの雷山か?あそこいいんだけどよぉ、うるせぇんだよな」
「まぁ、そうだろうね。僕はああいう所には住めないよ」
「俺意外はまず住まいだろうな」
そんな話をして数分が経ちトールは色々口に出した。
「どうするかなー。カグツチ〜ここに数日泊めさせてくれよ〜」
「嫌だよ!トール、寝てる時たまに小さい雷落とすじゃん、あれで何回起きた事か」
トールは魔力制御が神龍の中で下手で寝ている時に気が緩んで周りに小さな雷を落としており、集まって寝る時はトールからみんな離れて寝ていた。
「また懐かしい話をするな〜、もうあれは直ったって」
「それでも僕は嫌だよ、今落とされたら小さいじゃ済まないよ」
「カグツチは堅いなぁ〜、じゃあどうすれば見つかるか一緒に考えてくれよ〜」
「考えてるけど、浮かば無いんだよ」
カグツチとトールが並んで考えている後ろではヒスイとヒカルが会議を開いていた。
「えー!そのような事になっていたのですの!?」
「ええ、あのバススカには私もカグツチ様も驚きました」
「馬鹿な事をする人族も居るもんですわね。でも、魔族もなかなか人族の領地を奪って行っているみたいで、もう三つも国を落としたみたいですわよ」
「ではそろそろトール様やカグツチ様が動かなければ行けない事態になって来たのですね」
「ええ、おそらく。もう二つほど国を落とせば動かれると思いますわ」
そんな会議を数十分続けているとカグツチ達の話し合いが終わった。
「あっ!お話し合いが終わったようですね」
そうヒスイの言葉を聞き答えたのはトールだった。
「ヒカル、行くぜ〜。じゃあなカグツチ!世話になったぜ〜」
「うん、まぁ程々にね」
トール達は元きた方へと帰って行った。
「カグツチ様、トール様にどのような提案をしたのですか?」
「それはね、、、、、」
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