58 閑話 水晶の昔
あけましておめでとうございます!そしてすいませんでした!ガッツリ正月を満喫してました!
今日からまた更新を始めます!
昔、ある所に一人の魔法道具師の男が居ました。
「よし!これならどこでも覗きが出来るぞ!」
この男はどうしようもない変態でありながら天才と言われる魔法道具師だった。
「人の顔を思い浮かべて魔力を流すだけで覗けるなんて、なんてすげぇ物を作ってしまったのだろうか!あぁ自分がすげぇ」
そう言って自分が作った大きな水晶に手を伸ばした。
「じゃあ、早速、貴族の令嬢の入浴でも覗き見ようかな」
わくわくしながら男は魔力を流した。そしてそこに映ったのは紛れもなく男の想像していた令嬢だった。
そして運のいい事にちょうどお風呂に入っている時だった。
「おっほ〜!いいねぇ!あ?なんだ?これは」
男の前に映っていたのは令嬢だが、首から下が全て湯気で多い隠れていた。
「あ?なんだこりゃ。ちっ、興醒めだ。他の令嬢を見てやろう、ふへへ」
そうして二人目、三人目と令嬢を見るのだが結果は同じで首から下が絶対に見れなかった。
「なんだこのクズ魔法道具が!」
そう吐き捨て水晶を地面に叩きつけた。男は使えないとわかると直ぐに魔法道具を壊してしまう人物でもあった。
「あ〜、うぜぇ。また次を作るかぁ」
そう言いながらすたすたとどこかへ行ってしまった。
魔法道具には少しだけ意思がある、水晶は自分の意思で見せなかった。ここには幾つもの壊された魔法道具達がある、その魂が水晶に集まり完全な意識のある魔法道具、、、神具へと変わった。神具は完全な意識がある魔法道具の事を言う。
「あいつは許さん、、、、」
そう決意した水晶は自分を煙にして男が寝たあとに枕元に立ち男に想像を絶する悪夢を毎晩毎晩見せ続けた。数週間後男は精神を病み自殺しそうになっている所を誰かに発見され病院へと連れていかれた。
「ざまぁみろ、魔法道具を大切にしないやつは苦しむのが当然だ!」
そう言っていると一瞬でいる場所が変わり目の前に居るのはおじいさんだった。
「ん?ここはどこだ?おじいさんだれ?」
「わしは創造神じゃよ、完全な意識を持った魔法道具、、神具をそのまま下界において置くことは出来ないのじゃよ」
「ふーん、ま、俺の、、いや、俺達のしたい事は終わった!どうしてくれてもいいぜ」
「ふぉふぉ、ひどいことはせんよ。提案が二つ程あるんじゃ」
「ん?なんだ?決めていいのか?」
「うむ、よいぞ。自分がいい方を言ってくれ」
「おう、わかった」
「一つ目は意識を消して違う魔法道具になり下界に戻る。二つ目はわしの異空間にいて、わしを助けて欲しいのじゃ」
「うーん、二つ目の方が楽しそうだから、二つ目でいいぜ!」
「ほほ、異空間がどのような物か分からずに即答とは若いのはいいのぉ」
「え?!異空間そんなにやばいのよ」
「いやいや、異空間は魔法道具にとって居心地がいい空間じゃよ」
「なーんだ、じゃあ二つ目で決定だ」
「じゃあ、この中に入っててくれるかのぉ」
そう言って手を振ると出てきたのは黒く丸い円だった。
「おう、じゃ、必要になったら呼んでくれよ」
「わかっておるよ」
そう言って水晶は煙をしまい、ぷかぷかと浮いて円の中に入っていった。
「ふぅ、下界の奴らもよく、数千年に一度神具を作りおるわい」
呆れた口調で仕事に戻ったおじいちゃんだった。
ありがとうございました!また次話もお楽しみください!