56 氷の大地 魔動脈 ②
「さて、バリ行くわよ」
「はい」
バリは精霊紋へと入って行った。
それからフブキは魔動脈の繋がっている先の国へと飛んでいった。飛び立ってから一時間程で国には着いた。
「あぁ、やっぱり有るわよね。めんどくさいわ。爪で引っ掻いただけで割れてしまうのに」
すると精霊紋から慌てた声でバリが言った。
「だ、ダメですよ!フブキ様!そんな事したらどうなるか分かりませんよ!」
「わかってるわよ。もう、バリは心配性すぎて困るわ。じゃあ国に入る前で降りて歩いていくわね」
すると例のごく兵士がぞろぞろと出てきてフブキに対して「何故ここへ来た」や「言葉はわかるのか?」など言っていくが一人の老いた男の人族が前に出てきて言った言葉が珍しいものだった。
「神よお初にお目にかかります、私は神殿で神官を務めている者です。私は、、、私は感動致しました、この老いぼれ六十年間生きて来た中で神龍様に会える日が来るとは思いも致しませんでした」
「あら、私が神龍だってよくわかったわね。古龍と類似しているとは思うけど?」
「恐れ多い、、貴方様方を長く生きたドラゴンと間違えるなど、この私が間違える訳がございません。長く神官を務め神に祈り続けた私は神気を少しほんの少しだけ感じ取れるようになりました」
その話を聞いたフブキは目を細めて言った。
「へぇ、それは頑張ったわね。まぁ、私にはどうでもいいのだけれど。まぁ、ちょうどいいわここの国の王に合わせてちょうだい」
「はい、もちろんでございます」
「あ、それと言い忘れてたけど私にタメ口使ったらタダでは済ませないからね」
と、殺気混じりの声で言い放ちその場を凍てつかせた。
周りの兵や国に住まう人々にさえ届く殺気でその存在を広く知らしめた。
「で、では。こ、こちらへどうぞ。。。」
「ええ(あっそういえばカグツチがちょっとした連絡の時人族の国に行ったら体縮めないと行けないって言ってたわね)」
「ねぇ、体縮めた方がいいかしら?」
「い、いえ。この国の王城は広く高く作られておりますので。大丈夫かと思われます」
「ふぅん」
そういって張られている結界を神官は兵に言い聞かせフブキの高さまで消して入らせた。
「どうぞ、お入りください。私は馬で先導致しますので、フブキ様のペースでお進み下さい」
この国の雰囲気は普通の国と違い活気は有るがどこか静けさ感じる場所だった。
本日もありがとうございました!




