52 情報共有
アグリナの巣から戻ってきて翌日、カグツチはまた巣でごろごろとしていた。
「う〜ん、今日も暇だなぁ。何か面白いこと無いかなぁ」
隣で石の椅子に座っていたヒスイが言った。
「そう言えばカグツチ様、何やら魔族が人族の国を落とす戦争を始めたそうですよ?」
「へ〜。僕達神龍は基本的に種族同士の争いに興味は無いね。でも、魔族が人族を滅ぼす様なことがあれば動くけど、まだその時じゃないね」
「そうなのですね」
「でも、なんでそんな情報を持ってるか僕は興味があるな」
カグツチは軽く聞いた。
「ええ、人族の国へ言った時に加護を授けた人間がいた事を覚えていらっしゃるでしょうか?」
カグツチはうーん、と思い出してすぐに思い出した。
「あぁ!あの肉をくれた人族ね」
「はい、その人族が加護を受け取った事により使える上位魔法を使ったため、近くの妖精に聞いてみた所その情報が分かったというわけです」
「なるほどね。一応だけどその場所誰が一番近い?」
「この位置ですと、、、雷の山に住まわれている"トール"様が一番お近いかと思います」
「じゃあ、トールにその情報教えといて〜、僕は泳ぐよ」
「承知致しました」
カグツチは久しぶりに外のマグマに飛び込んだ。その間にヒスイはトールの大精霊へと念話を飛ばした。
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side トール側
「始めましてカグツチ様の大精霊ヒスイです。単刀直入ですがトール様に情報共有でございます」
「はじめまして、私はトール様の大精霊"ヒカリ"と申しますわ。以後お見知り置きを。そして情報共有とはどのような情報でしょうか?」
「お住いに近い人族と魔族の国境で戦争が行われています」
「まぁ!それは知りませんでしたわ。情報ありがとうございました」
念話は切れヒカリはトールに大きな声で話しかけた。
「トール様!近くの!国境で!戦争が!始まった!そうです!」
トールはいつも大きな声なので普通に喋った。
「うん?ああ、わかった。大きくなったら対処しよう」
何故か大きな声なのかと言うと雷が降り注いでおり洞窟なので音が反響して凄まじい音となっているからだ。念話で話せばいいのだがそれを気づいたのはまた後の事だった。
「しっかし、音は苦では無いといえ鬱陶しくなってきたな、引っ越すか」
「私は!どこえ!でも!お供!致し!ます!」
「じゃあ近いうちに引っ越すか〜」
この引越しがカグツチが動く事になるとはまだ誰も知らない。
side end
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本日もありがとうございました!




