48 閑話 世界の中心
「カグツチ様、世界の中心ってどんなふうなんですか?」
ヒスイは洞窟でマグマ風呂につかっているカグツチに唐突に聞いた。
「ん?それは物理的な意味?それとも大地での意味?」
「大地の意味です。妖精族や他の種族が生息していなく平和な御伽噺のような大地は本当に有るのでしょうか?」
「あるっちゃあるけどどんな御伽噺?」
「ご存知では無かったのですね。長いのではしょりはしょりでも構いませんか?」
「暇だし、長くてもいいけど話すの大変そうだしヒスイのやりやすいようにしてよ」
「はい、かしこまりました」
ーーー昔、昔ある一人の男の子がある国の小さな村に生まれました。
男の子は決して裕福ではない農家でしたがすくすくと育っていきました。
男の子が九歳の時、村に魔物の群れが男の子の村を襲いました。両親や村の住人は子供達だけは守ろうと必死に戦い相打ちに終わりました。この時、男の子は誰も死なせない位に強くなり魔物で苦しめられない世界にすると心の中で強く決めました。
九歳以下の残された子供達は救援に来た近くの大きな街の騎士に連れられて大きな街の孤児院に全員入れられました。十歳以上の子供は冒険者ギルドに登録して生きていくことになりました。
男の子は孤児院で色々な事を学び文字の読み書きや駆け出しの冒険者位の強さを得て十歳になり孤児院を出て冒険者を始めました。
始めてから十年が経ち男の子は立派な大人へとなり、冒険者のランクも初のSランクにもなりました。
男の子はその国の王から爵位を与えると言って貰えましたが、その機会を蹴り。平和な地を探すため世界を回る旅に出ました。
男の子は世界でも指折りの危険度がある山や森、峡谷を一人で突破しました。しかし、男の子は平和な地は大陸には何処にも無いと思いました。
それから数年男の子は海に出て旅をして未開の島を数多く発見しましたが魔物は多く生息していました。男の子は絶望しました。ですが、その時空から光がさし神様が降りてきて言いました。
"お主は平和な地を目指しておるようだな。お主は数多の、無数の善行を積み重ねた、故に今回は特別にお主に魔物が生息しない土地を与えよう。しかし場所はお主自信で探すのだ。ではさらばだ"
神様はそれだけいい天へと帰って行きました。
男の子はその言葉信じ探し続けました。数十年後男の子は神に与えられた土地を発見しました。男の子は始めて見た安全な土地に感動をもたらしました。
男の子はこの土地をめぐり、戦争が怒るのを危惧し仲がいい二、三人の友人を連れてその土地へ永住し一生を終わりました。その時、男の子が説明した土地の名前は"世界の中心"と説明したそうです。ーーーー
「これが世界で一番有名な御伽噺かと思います」
聞き終えたカグツチは笑った。
「ははは、それは面白いね!いや、ごめんね。ちょっとある人(神)を思い出してね。(おじいちゃんそんなことしてたの)」
「ある人ですか」
「うん、まぁね。笑ってしまったお詫びに答えを言うよ。答えは"ある"だね」
「本当ですか?!それは何処にあるのでしょうか?」
「さぁ、それはヒスイが見つけてみたら?その方が面白いでしょう?」
「えー、カグツチ様のいじわる〜」
ヒスイが必死に話している間に見えない空飛ぶ島が洞窟の上を通り過ぎたのを分かったのはカグツチだけだった事は秘密である。
今後は月曜日、金曜日だけを更新日とさせて頂きます。小説を書く事が楽しいのは確かですが生活とのバランスを考えるとこの曜日が一番いいと判断致しました。初め毎日投稿すると言ってしまい、裏切る形になった事を深くお詫び致します。申し訳ありません。




