45 神の脱獄 ⑥
一人で帰ってきたカグツチに挨拶をしながらも質問した。
「おかえりなさいませ、カグツチ様。ドライアドはどういたしたのですか?」
周りには生物がいないことを察知した上でヒスイと話した。
「あぁ、ドライアドにはエルフ達の避難をしてもらってるんだ」
「避難ですか、今回は一体何方と戦うのですか?」
準備を始めた時にはカグツチは誰とは言っていなかったが後々考えると、いる時点で戦う相手がわかっるので隠す必要は無かったのだった。
「隠してるつもりだったけど結局はわかるね、戦う相手は元神だよ」
「神様ですか、私は何をお手伝いしたらよろしいでしょうか?」
「うーん、特にはないよ。強いて言うなら出てこないで欲しいかな。巻き込んでしまったら危ないからね」
ヒスイ悲しそうな顔で言った。
「はい、わかりました。」
そんな顔をしているヒスイにカグツチは爪で頬を書きながら言った。
「ま、まぁ、適材適所が誰にでもあるから、来たらお願いするよ」
フォーローにもなっているかわからないがヒスイには効果があったみたいで、笑顔になり言った。
「はい!その時は精一杯お手伝い致します!」
そんな事を言っていると風と共にドライアドが現れた。
「カグツチ様、エルフの避難は大半が終わりました」
「早いな」
「はい、世界樹の中で少しの期間過ごして欲しいと言ったところ。皆すぐに貴重品だけ持ち移動しました」
「ふむ、ではお前には少しの間私の魔力を形にして与えよう」
そういうと、カグツチはその場で魔力を圧縮させてビー玉サイズの魔力球を作り出した。
「危険になればそれを割ると私がわかるようになる、それを頼りに向かう故割ると出来るだけその場を動くな」
「こんなにも貴重な物を下さるのですか?!」
魔力球は相当な技術と魔力が無くては作れなく、飲むと中に入っている魔力が一瞬で体に溶けだし魔力が回復する。そんな効果がある魔力球は貴重で高価なものである。
「お前たち種族にとっては、貴重なものであろうが私達にとっては要らん物だ。気兼ねなく割れ。ただ絶対に飲むな、飲めば体にどういった効果が現れるかわからん。わかったな?」
カグツチはヒスイに魔力を与えているがあれは魔力が薄いためあれだけですんでいる可能性がある。しかし、今回の魔力球はとても濃く飲むとどんな事が起きるかわからないためカグツチは念を押して言った。
「は、はい!絶対に飲みません!」
「よし、それならばいい。お前は一応身を隠していろ。そして世界樹にでもおかしな事があればすぐに割って知らせろ。念話では間に合わん」
「はい!わかりました!」
「私はこの場で守護すると決めた。だから他の者を近づけさせるなよ。わかったら身を隠せ」
「承知しました」
そう言うとドライアドは消えて言った。
カグツチは体を伏せて言った。
「さぁ、どこからどう来るか見させてもらおう」
本日もありがとうございました!
明日は出せるかわかりません、すいません。