34 引っ越し ①
雨の魔物の件から早数週間、カグツチ達はいつもの如く巣で喋っていた。
「ねぇ、ヒスイ。そろそろ、ここ飽きて来たよ。新しい場所に引っ越しちゃダメかな?」
「いいと思います、どういう場所に行かれますか?」
「うーん、やっぱりマグマに浸かりたいよね。あの感じは忘れられないよ。体について汚れまで燃やしてくれて温度もいい感じなんだよねぇ。特に魔力が篭った鉱石が溶けたマグマなんて最高だよ」
まるで温泉好きの人のように言っているがマグマ自体は魔力も混ざっている所もあり二千度を超える。そんな所へ入るなど考えられないがカグツチは嬉しそうに言っているのでヒスイも話を合わせる。
「鉱物が溶けたマグマ溜まりがある場所ですか、、、あ!、一つだけありますが、問題もあります」
「あるんだ!、問題って何?」
嬉しくなって少し大きな声で言ったが問題が気になり冷静になった。
「問題ですが、そこはドラゴンの里のナワバリの中にあるんです」
ドラゴンの里はとても広く、移る場所は端の方なのだがドラゴンはナワバリに入ると直ぐに反応して飛んでくる。
「えー、じゃあドラゴンの里行っていいかどうか聞こうよ。許可取ればいいでしょ」
「ええ、そうなんですが。争いになるかもしれませんよ?」
「ま、その時はなんとかなるでしょ」
あっけらかんと答えるカグツチにヒスイは「この方ならなんとでもなるでしょう」と心で思ったのだった。
「そうですね、では案内致します」
「よし!、行こう!」
そう言って飛び出したのだった。
「南の方向に飛んで貰えると、近くに着きましたらお教え致します」
「おk〜」
そう言って飛んで行った。
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side 龍の里
ドラゴンの里には大小様々なドラゴンが住んでおり、その里一番の長寿が長を務める方式となっている。しかし長と言っても戦う時と狩りの時以外寝ているだけの普通のドラゴンでありるが長く生きたドラゴンは人の言葉や念話を使える場合があるが基本的には野生のドラゴンだ。
「?!!」
長はいち早くカグツチに気付きドラゴンの里全体に届くような咆哮をした。
「グオォォォォォォォォォォ(警戒!)」
その咆哮を聞き寝ていた龍たちも飛び起き警戒をし始めた。長は飛んでくるカグツチに対しどうしようかと思ったが魔力感じることの出来る長は戦闘放棄して他のドラゴン達には手だし無用の咆哮をした。
「グオォォォォォォォォォォ(何もするな!)」
side end
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「この辺りですカグツチ様」
「わかった〜、じゃあスピードを緩くして飛ぶよ」
そう言ってカグツチは人が目に追える位の速さで飛んだ。ゆるく飛んでいる時に咆哮が聞こえた。
「なんか、咆哮が聞こえるね。そっちに居るってことでいい?」
「はい、間違い無いかと」
向かっている途中でまた咆哮が聞こえたがドラゴン言っている事なんて分からないカグツチ達は気にせずに飛んでいった。そうすると一匹のドラゴンがこちらへ向かって来るのが見えた。
「一匹だけだと戦う気は無いみたいだね」
「そのようですね、戦うとなると里にいるドラゴン全員が襲いかかって来ますから」
里にいるドラゴンだけでも50匹は超えるこれは国一つ位なら落とせる戦力だ。カグツチはその空中で止まった。そしてドラゴンに向かって言った。
「ナワバリの端にある火山を私にくれないか?」
帰って来たのは声ではなく念話だった、そうこの長は念話を使えたのだ。
「みかえりはなんだ?」
自分の上位種である存在に対して対価を求めるのは自殺行為だがどうせ死ぬなら一か八かを吹っかけたのだ。
「ふむ、考えておらんかった。何か壊して欲しい物はあるか?世界を揺るがす物で無ければそれを壊そう」
ドラゴンは宝を集める習慣があり長も集めているそして一つ思い当たるものがあった。それは…
ドラゴン、ドラゴンと説明で言ってややこしくしてすいません。
本日も見て頂きありがとうございます!




