33 閑話 ある日のフブキ
休み明けでも見て頂けて嬉しいです!ありがとうございます!
「はぁ」
そうため息をついているのはフブキだ、この世界に降り立ってから数日、何も無いのだ。
「ねぇ、バリ。この辺り私いる必要ある?魔物少なすぎない?」
フブキは契約した氷の大精霊にバリと名付けていた、姿形は普通の二十代男性の姿だが髪だけは白色で目立っている。
「フブキ様、この氷の大地の下には魔力の通り道"魔動脈"がございます。ここが何かあれば対処できるのはフブキ様以外におりません」
氷の大地の下に魔動脈があり、対処するのは自分しか居ないと分かっているフブキだがこの数日退屈すぎて何度も言っているのだった。
「わかってるのよ、だけど暇すぎない?魔物も少ないし、ずっと吹雪いているし。まぁ、寒いのは私好きだからいいのだけれど、暇すぎるのは嫌いだわ」
「確かに、ここはする事がございませんね、、」
何も無いことはバリ自体知っており自分も退屈なのだが自分が言ってしまうとフブキが引っ越すので絶対に言わない。
「こういうのはどうでしょう、神龍様のどなたかに念話をして話すと言うのは」
「いいわね、すぐに終わると思うけど。エイル辺りに連絡しようかしら、お願いね」
「はい、承知しました」
その後すぐにエイルと繋がった。
「エイル、久しぶり」
「フブキですか、久しぶりと言う程日は立っていませんよ、それで、今日はどうしましたか?」
エイルは何故か生まれてからずっと誰に対しても敬語で話ている。
「相変わらずの敬語ね。いやね、こっちする事が無くて暇なのよ、それでね、何やって過ごしているんだろうってなって連絡したのよ」
「そうでしたか、私は特に何もしていませんが。そういえば、山を探索した時に美味しい果実を見つけましてね、小さいですがたくさんあるので少しづつ食べてその種を植えたりして気をまぎらわしていますね」
「あ〜、食かぁ。この世界に来てからお腹減らないし考えてもいなかったわ。でもこっちは氷の大地だし、果実をつけるような木はないし魔物も少ないし、やっぱりする事無いわ」
「そうですね、、、そこ本当に何も無さそうですね」
「直球ね、でも本当に何も無いのよ。他に何かない?」
「私が考える限りないですね」
神龍達は魔法も魔力量も桁が違うので練習もする必要はないため本当にすることがない。
「はぁ、何か起きないかしら」
「そんな事を言っては駄目ですよ、何も無いことはいい事なんですから」
「そうよね、無い方がいい事は確かね。ありがとうね、また相談させてもらうわ」
「いえいえ、頑張って下さいね。いつでもまた連絡ください」
念話が終わり汗をかくバリに向かって労っていた。
「バリおつかれ、魔力使わせすぎたわね」
「いえいえ、これで少しでもフブキ様の気が紛らわせられるならば疲れるなどどうとでもございません」
「ありがと、でも収穫無かったわね、また明日別の神龍に連絡してみようかしら」
「はい、してみましょう!」
「じゃあちょっと、その辺見てくるわ。ないと思うけど」
そういってフブキは果実がある少しの期待を込めて氷の大地を見回ったのだがあるわけも無くとぼとぼと戻ってきてふて寝したのだった。
閑話は少し本編に関わるので覚えていて下さると嬉しいです。※今回では「魔動脈」や「氷の大地の特徴」などです!




