31 雨の魔物 ④
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ヒスイと歩いて数十分、カグツチ達は精霊の里へと着いたのだった。
「おぉ、これはこれは、ヒスイ様、カグツチ様遠路はるばるよくお越しいただきました。私はこの里の長をしております"キト"と言うものです」
それに反応してカグツチが返した。
「お前が長か、今回の件、情報提供感謝するぞ」
「いえいえ、我ら妖精族は上位存在であるヒスイ様やカグツチ様の役に立っただけで生きている意味があったと思っていますのじゃ」
少し重い話だったが軽く流した二人だった。
「そして来られて言いずらいのですが、先程大きな魔法が言っていた魔物の方で起きた途端雨が止みました、どこかへ行ってしまったのでしょうか。本当に申し訳ありません」
そう言って汗を流しながら答えた。
「あぁ、その事だが」
そこまで言うとヒスイに目をやった。
「それは私から説明いたしましょう、キト」
そうしてヒスイが一連の流れを説明すると最初は信じられない目で聞いていたが最後には納得して聞いていたのだった。
「そのような事だったのですね、なるほど納得致しました。ですが下位魔法であの音と威力ですか、些か信じられないですがヒスイ様が言っておられるのでしたら真実なのでしょう」
「些か信じられない、ですか、、、」
信じられないと聞いて少し苛立ちを覚えたヒスイだったがこの前のエルフとのやり取りを思い出し冷静を保った。
「ふむ、長よ。私は信用していないと見える。この地へ来てそんなに時が経っておらぬからな、無理もない。信用して貰えるため少し格の違いを見せてやろう」
驚いた顔をしているヒスイとキトだが、こうなったカグツチは止められないとわかっているヒスイは黙っていたがキトは黙っていなかった。
「カ、カグツチ様信用していないなど思ってはおりませぬ、どうか矛を収めては貰えないでしょうか」
「キトよ、カグツチ様は誰も殺しなしませんよ、少し魔法をお使いになるだけです、それに決めた事はあまりお曲げになりません」
「そ、そんな、、」
殺さないと言われたが目の前にものすごい力を貯めて何をするのか分からないドラゴンがいたら誰でも絶望するだろう「終わった」と。
「久しぶり力を込める、空にする故問題は無いだろう、ついでにこの鬱陶しい雲も吹き飛ばそう」
"属性咆哮(炎)"
カグツチは被害が出ないように空に属性咆哮を放ったのだ。
「ガァァァァァァァァァァァ」
雄叫びを上げて空へと属性咆哮が届く。咆哮が当たった飛んでいた鳥や覆っていた雲は一瞬にして無くなった。属性咆哮は神龍だけにしか使えない技であり、通常の咆哮とは違い狙ったものに聞こえたり当たったりすると一瞬で燃え上がり消えていく。神龍達の得意とする技だった。
「ふむ、久しく使った割には制御がうまかったな」
そう言って見ていたのは空だった。空はポッカリと穴が空いており覆われていた雲は見える限り無くなっていた。
「お見事です!カグツチ様」
褒めるヒスイに対し咆哮を見ていたキトやほかの精霊や妖精は腰を抜かしており思っていた事は一つだった「次元が違いすぎる」と。
「長よ、これで信じてはくれるか?」
意識はあったが頭が固まっていた頭が周りだし話を返した。
「は、は、はい。信じます、信じます、信じさせていただきます」
カグツチは満足して言った。
「そうか、よかった。また頼む事も有るかもしれんが、その時はまた頼むぞ」
「は、はい!喜んで!」
「ではカグツチ様、ミズハ様への報告もございます。今日は帰還致しましょう」
「うむ、そうだな。帰るとしよう、ではまたな長よ」
カグツチが話している間にヒスイは精霊紋へと入った。キトはなんとか喋れているがほかの精霊や妖精は未だ腰を抜かしていると言う奇妙な光景だったがカグツチは気にせず飛んでいった。
「い、いったか。なんじゃあのバケモノわ、、、、」
カグツチ達が帰ったあと里の記録には"神龍だけには逆らってはならない"と記録されているのだがカグツチは知らないお話…
〜三十分後〜
カグツチは寝床へ戻って来ており早速ミズハへ連絡をするのだった。
区切りが悪いのですが、明日は休刊日とさせていただきます。また読んで頂けると嬉しいです!




