19 追加報告
報告会があった次の日ルタロスからヒスイに念話が来た。ルタロスは昨日あったことをカグツチに話した。
「いや〜、まさかダンジョンが出来るなんて思いもしなかったよ」
「気を付けてよ〜。まぁ、今回は悪気があってしたんじゃ全く無い事だし、一応皆には連絡入れとくけど気に病む事はないと思うよ」
「そうだといいんだけどね、エイル辺りに怒られそうだよ」
「確かにエイルは怒りそうだね」
そう言うとカグツチは「ははは」と笑った
「笑い事じゃ無いよ〜、エイル怒ると怖いんだぜ〜。念話だけじゃなく俺の所まで来て説教されそうだよ」
ルタロスは天界でも何度かやらかしてエイルに怒られていた事が有り、その都度おじいちゃんが仲裁に入った事をカグツチは思い出していた。
「エイルも最初だしそんなに怒らないよ、多分。僕からも言っとくからさ」
「多分て、、まぁ、いいや。エイルに怒られるまでする事無いから寝とくよ」
「わかったよ、じゃあね」
そう言うと念話が切れた。そしてカグツチはルタロスが言っていたダンジョンについて考えていた。
「出来たばかりなのに、階層が多く、最後の階層に喋れる程度の魔物が居たと」
そう1人で喋っているとヒスイが話して来た。
「カグツチ様、ご意見よろしいでしょうか」
「うん?いいよ?」
「階層が多かったのはルタロス様が上位魔法を放とうとしたからだと思われます」
「え?上位魔法とはいえ一番下の魔法だよ?そんなに強く無いよ?」
「この世界で上位魔法とはある一定の者しか使えなく、非常に魔力を使うものです」
「上位魔法ってそんな位置なんだ。それは使う場所を考えないと行けないね」
神龍達は上位魔法を好きなだけ使えるので、皆に伝え無いといけないと思ったカグツチだった。
「はい、そして喋る魔物の事ですが」
「何かわかるの?!」
カグツチは今日1番の大きい声を出してヒスイに聞いた、ヒスイは戸惑いながらも答えた。
「い、いえ。詳しい事は分かりませんが、稀に最下層ボスは一定の言葉が使える事があると聞いたことがあります」
「稀か、一般の最下層ボスとの違いとかわかる?」
「いえ、そこまではわかりません。すいません」
「謝る事じゃないよ、教えてくれてありがとう」
ヒスイはペコりとお辞儀をした、心做しか顔が笑っているようだった。
「ヒスイ、連続で悪いんだけどルタロス以外の神龍達と連絡取れるかな?」
「魔力が残り少ないですが10分程度なら余裕かと思います」
「わかった、後で魔力あげるからお願いするよ」
魔力が貰えるとわかったヒスイは気合いを入れて連絡をとった。
「皆〜、連日連絡して悪いね。返事はいいからこのまま聞いて欲しい。ルタロスとの連絡が取れて色々とわかった事があるんだ」
そしてダンジョンの事を話て上位魔法の事も言った。
「だから、上位魔法は考えて使ってね。後、エイル、今回はルタロスの件そんなに怒らないであげてね、反省してるみたいだから」
エ「まぁ、最初ですから程々に致しましょう」
念話の向こうで笑い声が幾つか聞こえたが気にせず続けた。
「いきなりごめんね、僕の話は終わりだから質問ない人は念話切っていって〜」
そう言うとみんな切ったようだった。
「ヒスイありがとう、はい、これ魔力」
「ありがとうございます」
ヒスイは嬉しそうに受け取って紋様の中に入って行った。カグツチは森の中から聞こえる鳥達の声に耳を傾けながら目を閉じた。
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