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最果ての此方、至近の彼方  作者: ひさかたフラッシュ
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第1話③-2

今日一日の非現実のせいで、すっかり忘れていたことがある。

「バイトのシフトとか諸々どうしよう」

今現在4つバイトを入れていて、それぞれにちゃんと連絡を入れなきゃいけないのに、スマートフォンは相変わらず圏外の二文字を示している。他のアプリも次々開いてみるけど、どれもこれもエラーエラーエラー。文明の利器も電波がなければただ時間を教えてくれる鉄屑も同然だ。その上、この世界の時間と画面上の時間は明らかに違う。こっちは夜なのに、あちらはまだ昼のようだ。

「いよいよこれも鉄屑か」

他に何か使えそうなものはないかズボンのポケットやシャツのポケットを探ってみるも、財布くらいしかなかった。

はあ、と大きくため息をついた。


ふと、緑のアイコンのメッセージアプリから新しく通知が来ていたのに気づいた。おふくろからだ。

メッセージを開く。


「………………」

しばらく放心状態だった。冷や汗が出てきていることに気づく。見間違いではないだろうかと二度三度見返してみる。だけど、何度見てもおふくろらしい文でこう書いてあった。

『玲司が家にいないんだけど』

『あの子受験生だから早々何処かに行くなんてことはないとは思うけど。』

『私は近所で探しているから、宗一はどこか玲司がいそうなところ探してね。どうせ暇でしょ』

玲司とは、俺の3歳下の弟で、今年大学受験を控えていてとても失踪するようなやつではない。

このおふくろの弟第1主義は慣れきってはいるのだけど、やっぱりどこか苛立ちを覚える。

しかし、これで俺がこの世界でやることができた。

のんびりでもこの世界の言葉を覚えてあの二人に恩返しできたら、気軽に生きていこうとでも考えていたが、一刻も早く元の世界に戻って玲司を探す。それが兄のしての俺の使命のようが気がした。

取り敢えず今のところは寝よう。街灯が俺をあせらせるようなチカチカと不規則に点滅していた。

人はほとんどいなくなって、街は静寂を作っていた。

その日はなかなか眠れなかった


前回アホみたいに短かったので、急遽付け足しました。てか、本当ならここまで進めるつもりでしたので……

第1話はこれで終了で、次回から2話に入ります!

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