第1話③-1
それから、二人とは別れたのだが、
「やっぱり、頼れるだけ頼った方が良かったかな?」俺はほんの少しだけ後悔をしていた。いやしかし、後悔もしてられない。泥臭くでもこの世界で生きてくしかないんだ。
「うしっ」
両手頬を叩き、景気づけをする。
日は殆ど大地に吸い込まれていて、日没までそう時間はない。 取り敢えず、今日は野宿にならざるをえないだろうから、真っ暗になる前に落ち着けるところを探さないと。
土地勘ゼロの街を歩き始めた。
幸運だった。この街は京都の街のように縦横規則正しくできているから変な路地裏のようなところに迷い込んだりせず、大通りらしきところをひたすら進むことができた。
そして、さらに幸運なことにその先には広場のようなところがあり、噴水があった。しかしまた、その噴水というのは現実離れしていて、生きているかのようにクルクルと昇っていってから、それでも帰らなきゃというようにゆっくりと弧を描いて戻ってくる。その様子はいつまでも見たいられた。
ここでの人生初の野宿をしようと決めたのはそういう理由があったからだ。
噴水前の腰掛けに座りホッと一息つく。
やっと落ち着けた。改めて自分の境遇を思い返してみる。
時間なさすぎて少しずつしかあげれないので、こまめにあげていきます