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異世界バスツアー  作者: ルンルン太郎
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異世界生活15日目

 異世界バスは更に人数が減っていった。空手の花田、ボクサーの上杉、ダンサーの美原、アーチャー部隊の生き残りの冴子、愛、杏理、ネットカフェ難民の春菜、拓郎、そして詐欺が得意な鷺沼である。

 それでもアザセルに対してのボイコットは続いており、全員がソロ参加でツアー参加者はゼロである。

 異世界バスを降りていつものようにギルドに向かおうとしたら、後ろから誰かに呼び止められた。黒い大きなワゴン車から人が降りてくる。


「太郎さん!」


 ワゴン車から降りてきたのは山田太郎だったのだ。


「アザセルがクビになるまでの間、鈴さんの異世界ワゴンでこっちに来てるんだ。調子はどうだい? 後さ、ギルドに面白い物を寄付したんだ。映像を記録出来る魔法の水晶玉がついたネックレス。言語の翻訳機能までは無いけど、ツアーに参加しなくても冒険はしやすくなる筈だよ」


 どうやら太郎達はワゴン車で異世界にやってきているようだ。異世界に行ける乗り物はとても高価な筈だが、鈴の経済力は侮れないものらしい。


「魔法のネックレス便利そうですね。私達、頑張ってアザセルを無視し続けますから。クビにできた時には教えるので、その時はまた一緒に冒険して下さいね」


「ああ、もちろん。頑張ってね。ちょっとこれから未来に行って買い物してくるね」


 太郎達の異世界ワゴンは光と共に消え去った。未来がどうこう言っていたが、冴子達は華麗に聞き流した。

 こうして、冴子をリーダーに異世界生活が新たにスタートした。

 本日はBランクの依頼を受けてみた。

 巨大化したカマキリの討伐20ゴールド

 巨大化したネズミの討伐一匹1ゴールド

 巨大化したゴキブリの討伐一匹5ゴールド

 巨大化した猫探し10ゴールドだった。


 とりあえず、一匹だけなのに20ゴールドと高いカマキリの討伐に向かった。作戦はこうだ。鋼鉄の拳と刃が飛び出る靴を履いてる空手家がその拳でカマキリの刃の軌道を反らし回避している間に左右から弓の攻撃。背後からダンサーとボクサーが襲いかかり、肩に致命傷を与える。

 この作戦が見事に成功し、巨大カマキリを倒した。この作戦の成功の鍵は愛と杏理だった。

 始めに左右からの弓の攻撃で見事に腕を撃ち抜き、空手家が鉄の拳で防ぎ切れなかった鎌を止めたのだ。この矢の一撃が無ければ空手家は真っ二つに切られていただろう。

 次は巨大化したネズミの退治だ。地下の下水道を根城としている巨大ネズミは何と10匹もいた。

 ネットカフェ難民の拓郎が空手家とボクサーとダンサーに強化魔法を掛けた。冴子、愛、杏理が弓で矢を撃ち込み、痛がってる間にトドメを刺す作戦だった。強化魔法の効果で破壊力が上がってる為、簡単に倒せたが、残り一匹の時に強化魔法の効果が切れて、ダンサー、空手家、ボクサーの3人で囲んで打撃や蹴りを連発見事なコンビネーションで反撃の隙を与えなかったが、倒すまで3分も掛かった。強化魔法の凄さを実感したのだった。


 そして、次は巨大化したゴキブリの討伐。洒落にならないくらいの大きさで気持ち悪くて無理だったので依頼を断った。最終的に引き受ける者がおらず、貴重品を運びだし、家ごと燃やしたらしい。


 最後に巨大化した猫探しはとても簡単だった。またしても愛と杏理になついてゴロゴロ言っていた。飼い主の元へ連れていったが、餌の量が圧倒的に少ない事が原因だとして、動物園に引き取ってもらう事になった。毎日ブリやマグロを一本食いしてご機嫌らしい。


 こうして、異世界生活15日目が終わった。稼いだ金額は40ゴールド。40ゴールドを9人で均等に分けた。鷺沼は少ないと文句を言ったが、何もしてないじゃんと言われて何も言えなくなった。

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