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職業幽霊の同居人  作者: 方角ノ辰巳
8/21

第八話『相談事に心配事』

投稿するのがかなり遅れてしまいました。

お正月やお正月明けは何かと忙しく書く時間がなかったので……言い訳です!すいません!

今回の話も楽しんで読んでください。


 今日は貞子がいない。奈々夏の家に泊まりに呼ばれたらしく泊まりらしい。

 

 「なぁ、メリー。なんか食べたいものあるか?」

 「えーっと……ハンバーグ食べたい」

 「じゃあ、今夜はハンバーグにするか。買い物行くけどついてくるか?」

 

 コートを着てメリーの方を見ればメリーも既にコートを着ていた。

 行く気満々だな。

 夕食を自分で作るのはいつぶりだろうか、腕が鈍ってなければいいが。

 

 「足りないハンバーグの材料はひき肉、玉ねぎだけだな」

 「ねぇ翔。これ大特価だって」

 

 メリーが手に取っていたのは砂抜きされたあさりだった。

 

 「100グラム一五〇円か……味噌汁にするか」

 「これ、美味しいの?」

 「ああ、美味いぞ。二パックほど買っていくか」

 

 買い物を済ませ家に帰り俺は久しぶりに台所に立った。

 思もった以上に腕は落ちていず、手際よくハンバーグの下準備を終わらせた。

 その調子で味噌汁も完成させ夕食を作りきった。

 

 「メリー、メシ出来たぞ」

 「は〜い」

 

 テーブルに並ぶ食事を見て嬉しそうに椅子に座るメリーを見ているだけで俺は満足感をえた。

 

 「あっ!」

 

 メリーがハンバーグにナイフを入れ、驚きの声をあげる。

 

 「お? 気づいたか?」

 「チーズ入ってる!」

 

 メリーは次にあさりの味噌汁をすすった。

 

 「ふぁ〜おいしぃ」

 「ハハ、大袈裟だな」

 

 こうして久しぶりに貞子のいない食事が終わった。

 

 この頃貞子はと言うと。

 貞子は綺麗に調理器具の並んだ台所に奈々夏と立っている。

 

 「鍋にしますか? 今日も冷えますし」

 「いいわねぇ。鍋出すわ」

 

 鍋に肉や白菜などの具材を入れ豆乳鍋の元を入れカセットコンロの火にかけた。

 

 「それで、なんで今日私は呼ばれたんですか?」

 「友達との友情を深めるためって理由だけじゃないのはお見通しみたいね」

 

 白菜と豚肉を頬張りながら笑顔で答える。

 

 「実は相談事があってね」

 「相談ですか? それなら私より賢斗さんのほうがいいのでは?」

 「貞子じゃなきゃダメなのよ」

 

 真面目な顔で貞子の言葉を制する奈々夏に貞子はただ事ではないと悟った。

 

 「じゃあ、見みてね」

 

 奈々夏は箸にたっぷりの具材をつまんで口に近づける。

 奈々夏の口をめいいっぱい開けて食べようとするがここで貞子は目を丸くした。

 奈々夏の口は頬まで裂け大きく開いている。

 

 「そ、その口は……!」

 「そう、私も貞子と同じで口裂け女の家系なの。まぁ、仕事はもうやめたんだけどね」

 「なるほど、私にしか相談出来ないわけですね」

 

 奈々夏の相談とは自分が口裂け女であることを賢斗にどう話したらいいかということらしい。

 

 「確かに重大ですよね。私きれい? って言ってみたらどうですか?」

 「え?!そ、そんなこと口が裂けても言えないよ!!」

 

 貞子は「もう裂けてますけどね」という言葉を飲み込んだ。

 それに、貞子にとってなんて他愛もない相談だと思ってしまった。

 貞子は賢斗に初めて出会って数日後に誤解を解くために翔から全て話してもらっていた。その時に賢斗は驚きはしたものの拒絶することもなく受け入れてくれていた。

 

 「賢斗さんはどんな奈々夏さんでも受け入れてくれると思いますよ?」

 「そう、かな?」

 

 「これは賢斗さんが惚れるわけです。私が男なら襲ってたかも知れません」と奈々夏の不安げな上目遣いは同性である貞子にとっても胸を締め付けるほど可愛く感じてしまった。


 「明日にでも話してみればどうですか?」

 「う、うん。頑張ってみるわ」

 

 一通り奈々夏の相談と食事を終え、布団を敷き二人は寝る準備をし始めた。

 

 「ねぇ、貞子。貞子の霊力って元々そんなに少ないの?」

 「あはは……やっぱり気づきますよね。だいぶ減りましたよ四分の一くらいまで、今じゃテレビの中に入るなんて絶対無理ですよ」

 

 明るく話しているがこれはかなり重大なことだった。

 霊力は貞子達にとっては生命エネルギーそのものだ、それが減り続けてるということはいずれ衰弱して死ぬということになる。

 

 「やっぱり翔くんの家系の問題なのか?」

 「いいえ、メリーは減ってないので関係無いでしょう。一度霊力はかなり持っていかれましたが回復しましたし、なにか別の要因があるのでしょう」

 

 原因不明で死に近づいていく、それほど恐怖を明確に伝えることは無いのに貞子がここまで明るい理由が奈々夏には分からなかった。

 

 「怖くないの?」

 「まさか、怖いですよ。でも、翔さんに心配かけれませんから」

 

 暗い部屋の中でも貞子が笑っているのが奈々夏には分かった。

 

 「貞子、翔くんのこと好きでしょ?」

 「ふへぇ!? そそそそれは……あの、えっと……いや、でも……」

 

 分かりやすく動揺する貞子を奈々夏はとても可愛らしく思った。

 

 「翔さんにはお世話になってますし……その、よく分からないんです……でも翔さんと話すとすごくドキドキするんです」

 「そっか、よく分からないか。そうね、それはいずれ分かるわ」

 

 奈々夏は「それを好きっていうのよ」とは言わずそのままおやすみと言って眠りについた。

 これからの心配事が多すぎるが奈々夏はなんとかなるような気もしていた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回はお泊まり回という事で奈々夏の隠し事が話されましたが次回に賢斗との今後どうなるのかとか、貞子はこれからどうなるのかとか楽しみに待っていただけたら嬉しいです。

本当に投稿遅れてすいませんでした!

それでは次回も読んでいただけたら幸いです。

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